この講座では、契約書、ビジネスレター、会議の議事録などの幅広い題材を用いながら、和訳、英訳いずれにも対応できる力を身につけられるよう学習が進められる。
今日の授業の内容は契約書の英訳。前回の授業で似た内容の和訳をすでにこなしており、今回は英訳に挑戦!和訳する際に読んだ英語の原文の言葉や表現を用いることができれば、和訳と英訳双方向からの学習がきわめて意味を持つものと講師は語る。

特に契約書では決まった形式や言い回しがあるため、コツをつかむことが有益となるそうだ。
支払いの条項、「支払日から有効」という箇所に着目。「支払日から」を「from the payment date」と訳した受講生に対して、先生が問いかける。厳密な取り決めの内容を損なわないよう細心の注意が必要と先生は強調。
「日本語の“から”と、英語の“from”、それぞれ「支払日」を含みますか? “from”はその日を含むかどうか定説がありません。ここでは“on and after”が適切ですね」

字面を追って英語に置き換えるのではなく、まず日本語が意味するものや文書の意図を突き詰めて考えたうえで言葉を選ぶ必要があることを実感した。
原文が何を言おうとしているのか。何のために契約があって、何を決めようとしているのか。それを正確に読み解くことが最も大切であると講師は強調する。
条文ひとつひとつをかみ砕いていくような先生の解説を聞いているうちに、かたくて近寄りがたい契約書の条文が具体的なイメージに変わり、当事者間の生き生きとしたやりとりとなって見えてきた。原文の解釈とはこういうことなのだと実感した。
翻訳の仕事は、求められる水準も高くとても厳しい世界ではありますが、好きでやられるのならぜひ楽しんでほしいと思います。ビジネス翻訳は、今現在動いている最新の事象にふれられることが大きな魅力です。ドラマチックな世の中の動きに対して、日々いろいろな知識を得ることができます。その喜びを感じながらやっていきたいですね。

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取材・文
荒川 朋子さん
授業では、ビジネスにまつわる先生の経験談が満載です。取り扱う文書は固いものが中心ですが、先生の解説が加えられたあとには、文章に臨む手強さも楽しくさえ感じられるようになっていました。授業では、まずビジネス文書や契約書の基礎知識を学んだのちに翻訳に移るため、この分野が初めてでも取り組みやすいうえ、応用までしっかりと学ぶことができます。
- ●プロフィール
- 出版翻訳者を目指して学習をはじめたが、幅広い分野の翻訳にもチャレンジしたり先生から励ましの言葉をいただいたりするなかで、それまではほとんど目を向けることのなかった実務翻訳の面白さを発見。現在も実務翻訳者を目指して学習中。

- 2007年度にカレッジコースを修了。修了後は夏目式講座およびビジネス文書を受講。「カレッジコースは、仲間や先生方と交流できる時間がたっぷりあります。その交流を大切にしながら思う存分学んでいくうちに、翻訳への情熱が増し、自分の進むべき方向も見えてくるのではないかと思います」。

