この授業では、物語から詩、エッセイ、ノンフィクションとさまざまなジャンルの教材を通じて、どんな翻訳の依頼がきても対応できる翻訳力を身につけるようになっている。この日の教材は“Peter and Wendy”。当番の受講生が自分の訳文を読みあげ、クラス全体で訳文を検討しあうスタイルだ。間接話法を直接話法のように訳す方法や、動詞の訳し方を受講生にアドバイスした。「翻訳というのは十人十色。それぞれの持っている個性が大事」一人ひとりの長所を伸ばしてくれるのが三村先生流だ。

イギリスの文化・生活背景の知識を得られるのもこの講座の魅力の一つ。文中のevening-gownとは夜会服、イブニング・ガウン。どういう訳語があてはまるのだろうか。「夜会服とももちろんいいます。古い作品なので夜会服でも悪くはありません。ただ、イギリス英語ではイブニング・ドレスのこと。だからイブニング・ドレスという語を使ってもわかりやすいかもしれません」作品をより深く理解し翻訳するためには、こうしたイギリス英語の特徴や文化的背景を知ることも重要になってくるのだ。

私のことは口うるさい編集者だと思ってください。この授業では翻訳を皆で行い、指摘し合うことで自分の訳を客観的に見る力を養います。プロになったら翻訳は一人でしなければならないもの。翻訳家がプロとしてどのように翻訳していくかという過程を一緒に体験していきましょう。

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取材・文
岸本 智恵さん
翻訳というものを一から学びたいと思い、全日制で学べるフェロー・アカデミーの門を叩きました。カレッジコースを修了して現在は出版実践クラスを受講中です。今回受講した「英国文芸」の授業の雰囲気は少人数ということもあって終始和やか。先生の優しいお人柄のせいでしょうか、リピーターの方が多いのもうなずけます。イギリス英語による作品や生活・文化に興味のある方にはぜひおすすめします。

- 2008年度カレッジコース修了生。現在は出版翻訳者を目指し、出版実践講座を受講中。

