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今回は、さきに紹介した取材メモの英訳で翻訳力を発揮された修了生、津田美貴さんのパーソナルヒストリーを公開します。結婚後、それまでのITエンジニアの仕事を辞めて翻訳業界に飛び込む決意をした津田さん。そのキャリアチェンジのきっかけとは? またオンサイト勤務と在宅、それぞれのワークスタイルを経験して得られたこととは?
プロフィール
■津田美貴さん:
ITエンジニアとして10年ほど勤務したのち、フェローの総合翻訳科「カレッジコース」へ入学。修了後は翻訳会社勤務を経てフリーランスの翻訳者に転身し、通信講座「ベータ応用講座<IT・通信>」なども受講。現在も精力的に仕事を続けている。

じつまる:
まずは翻訳の学習をする前のバックグラウンドについて教えてください。また翻訳の仕事を目指そうと思ったきっかけは?
津田さん:
組み込みシステム用のソフトウエア開発を10年ほど行っていたITエンジニアでした。エンジニア時代に、英語のマニュアルの翻訳を頼むと出来上がるまでに時間がかかり、また誤訳が多く開発するときにとても苦労しました。そんな誤訳だらけの翻訳物にかかった費用を上司から聞いてびっくりして、それなら自分で訳せるようになった方が早いのではないかと思ったのが翻訳を目指すようになったキッカケです(苦笑)。

丁度、結婚して今後の進路(キャリア)をどうするか悩んでいた頃でもあり、たまたま客先で英訳のお仕事をされている女性エンジニアの方と知り合い、「このお仕事(技術翻訳)は需要が多いけれど人材が少ないので翻訳の道を目指してみては?」とアドバイスされたことも大きかったです。
じつまる:
実際にカレッジコースで翻訳の学習を始めて、どんなことを実感しましたか?
津田さん:
中学高校や英会話スクールで習う英語と翻訳はまったくの別物だということを学びました。私は文学部の国文学出身なので英語だけ勉強すれば翻訳できると入学前は思っていたのですが、まったく違いました。

いろいろな授業を通じて、日本語力、翻訳するコツを身につけることと、わからないものを調べる検索能力が必要だと感じました。
じつまる:
カレッジコースを修了後は、どんなお仕事を始めたのですか?
▲翻訳チェックやちょっと複雑な作業はデスクトップPCとA4サイズを2枚並べられる大型ディスプレーを使いますが、普段はこのノートPCと無線マウスです。夏の節電による暑さ対策とPCの熱暴走対策のため、先日PC用クーラーと外付けのファン(どちらもUSB接続)を購入しました。これで今年の夏を乗り切る予定。
 
津田さん:
修了後は翻訳会社で短期間、翻訳コーディネーター兼チェッカー(技術チェック)をオンサイトで行いました。複数の翻訳者から上がってきた翻訳物を受領しチェッカーさんに渡し、チェッカーさんから戻ってきたものを技術チェックして、出来上がった翻訳物をまとめてクライアントに納品したり、翻訳スケジュールを立てたりする仕事でした。

翻訳業界に勤めるのは初めてでしたので、この仕事を通じて翻訳業界の基本(用語や仕事の流れなど)をいろいろ教わりました。
じつまる:
その翻訳会社に勤務したあとは、フリーランスの翻訳者として独立したんですよね。在宅というワークスタイルでお仕事を続けての感想など、詳しくお聞かせください。
津田さん:
守秘義務があるため細かいお仕事内容は書けませんが、フリーになったのはいろいろな仕事をしてみたかったからです。 会社に勤めていた場合、翻訳者は翻訳だけ、翻訳チェッカーはチェックだけ、翻訳コーディネーターは翻訳コーディネートだけしかできません。でも、フリーならばやってみたいことにチャレンジできます。翻訳物もマニュアルなどのIT翻訳、製品材料などの翻訳、料理や手芸などの生活に関する本の翻訳など、分野を超えて翻訳案件を選ぶ事ができます。働く場所もその時々に応じて自宅かオンサイトの仕事を選べますので、介護や育児などをされている方は在宅のものを探せばいいですし、1人で翻訳していると寂しくてという方はオンサイトのお仕事を探せば良いのです。

フリーになってから、お仕事の契約にも形式がいろいろあって派遣なのか請負なのかでも義務が異なることや、年度末に青色申告(または白色申告や確定申告)が必要になることを知りました。
じつまる:
この先、翻訳に関してどんな目標を持っていますか?
▲いつも持ち歩いている電子辞書、ドライアイ対策用の近場用の眼鏡、そしてお気に入りのマグカップです。普段はコーヒーを飲みますが、紅茶、中国茶、ハーブティーなども飲みます。煮詰まったときの気分転換にお茶はかかせません。
 
津田さん:
以前はIT系の英日翻訳をメインにしたいと思っていたのですが、この案件をお手伝いして私には日英翻訳の方が向いているのではないかなと思い始めたところです。分野もIT翻訳と絞らないで、もっと自分の生活に身近なものにもチャレンジしていこうと思っています。

また、IT会社と翻訳会社の両方で働いた経験から、翻訳会社が考えている翻訳と依頼する一般の会社が考えている翻訳に違いがあるように感じています。そして、この差が誤訳につながっているのではないかと。この経験を生かして、今後は翻訳するだけではなく、翻訳の部署を作りたいという会社や団体などの翻訳部設立の手伝いや、翻訳会社と一般の会社の翻訳に関する考え方のズレを狭める手伝いなどができたらいいなと考えています。
じつまる:
最後に、現在翻訳者を目指して学習中の方へメッセージをお願いします。
津田さん:
翻訳者になるには多くの時間と努力が必要です。私もカレッジコース修了後3年目にしてやっと翻訳の仕事をいただけるようになりました。そういう意味では翻訳者になるのは簡単なことではありません。ですが、翻訳者に定年はないですし、生活スタイルにあわせて仕事をする時間や場所を選べるというメリットがあります。

また、英語力だけでなく他にも何か+αの知識があると翻訳のお仕事が取りやすくなると思います。例えば私の場合IT関連の知識があったため、「翻訳は他の方に比べるとあまり上手ではないけれどIT関連の知識があるのでお願いすることにしました」と言われて仕事が取れたことがあります。

実は、今回の案件(取材メモの英訳)をいただく前にTwitter上で被災地を支援するには何をしたらいいのかとつぶやいたところ、内藤先生から「最近震災関係の英訳が入ってくるようになった。語学を通してそんな感じで貢献できることもありますよ」という返事をいただいていました。被災地支援のためにも、また日本製品の風評被害に対応するためにも、英語力、翻訳力が今後ますます必要になってくると思います。目指す分野や働き方は異なるかもしれませんが、共にがんばっていきましょう。
津田さん、ありがとうございました。自分の強みと、翻訳で何かの役に立ちたいという想いをアピールし続けていれば、おのずとチャンスはめぐってくるものなんですね。現在の翻訳キャリアがどこまで拡がっていくのか、これからも目が離せません!
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