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実務とれたて直送便
副さようでござる? CIOMS翻訳を徹底解剖!
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前回の「実とれ」ではCIOMSを中心に副作用情報関連の翻訳をとりあげましたが、読者のみなさん、CIOMSは「塩むす」ではないということがお分かりいただけたでしょうか?(注:ちなみに撮影に使用した塩むすは、そのあとスタッフがおいしくいただきました。)

さて今回はメディカル翻訳第2弾。臨床試験(治験)が終わったあと、いよいよ厚生労働省に「じゃあこの新薬、販売していいっすか?」とお願いするときに必要なモノ、それが「新薬申請書類」。これによって安全性が認められた新薬は、晴れて世に出回り、人の健康や命を助ける救世主になりうるわけですね。それほど大事なこの書類は、言ってみれば「新薬聖書」ってところでしょうか。……うっ、(ネタが)苦しい……! すいません、どなたか読者の中にお医者様はいらっしゃいませんか〜?

さあ、はっしゅのギャグセンスの末期症状はほっといて、さっそく気になる新薬申請書類の詳細を見ていきましょう!

 
塩むす

▲CIOMSについて詳しく知りたい人はこちらの「塩むす」をクリック!

アブないことはきちんと報告! 海外標準のCIOMSフォームとは?

日本において医薬品販売の承認を行っている規制当局といえば厚生労働省。製薬会社が新薬を販売したいときは、新薬申請書類を厚生労働省に提出することとなり、海外の医薬品を輸入販売する際、また国内で開発された医薬品を海外の規制当局に申請する際などには、申請書類を和訳・英訳する必要が生じる。

さて申請書類を作るうえで知っておかなければならないのが、CTD(Common Technical Document:国際共通化資料)というフォーマット。これは前号でとりあげたICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)が、日本・米国・EUの3極でそれぞれの規制当局に申請をする際に共通の申請様式を定めたものである。従来は異なる国で同じ薬の試験や資料作成が行われることも多かったが、申請様式をハーモナイズし、各国が情報共有をはかることでそういったムダを省こうという目的があるのだ。

 
CIOMS翻訳に必要なのは、翻訳力+情報整理

新薬申請書類と一口にいってもその中身は実に多岐にわたる。現在、厚労省への申請に必要な書類は、
1.申請書等行政情報及び添付文書に関する情報
2.CTDの概要
3.品質に関する文書
4.非臨床試験報告書
5.臨床試験報告書

と、大きく5つの部(モジュール)から成り、さらに各モジュールはさまざまな書類で構成されている。このうちモジュール1「申請書等〜」以外は、前述したCTDに基づき、3極共通の様式で作成しなければならない。中でもモジュール2「CTDの概要」には、モジュール3〜5で詳しく報告される品質、非臨床試験、臨床試験についての要点をまとめた書類が含まれている。その一つ「品質に関する概括資料」(QOS:Quality Overall Summary)の翻訳について、実際に製薬会社内で携わっているという柳澤貴之さんに聞いてみた。

「『品質に関する概括資料』には、原薬や製剤の化学的性質、どういう工場・方法で作られたかという製造工程、どういう条件で保存したらどう変化したかという試験結果、普通の条件下でどれくらい保存できるかという“安定性”などの情報が含まれます。この資料一つとっても100ページを超える量なので、翻訳は複数のスタッフが分担して行っています」

「概括」資料といえどもその量は意外に膨大。CTDのうち厚生労働省への申請時に日本語での提出が義務づけられているのはモジュール2だけだが、「品質」のほかにも「非臨床」「臨床」など複数の概括評価資料があることを考えると、いかに翻訳需要が大きいかが想像できる。また近年ではCTDによる申請を電子化する動きも活発になっていて(この場合の資料をeCTDという)、そのための専用ソフトが製薬会社で使われることも少なくない。

種類が多く、量も膨大なだけに、新薬申請書類の翻訳は製薬会社内で行われることも、翻訳会社経由でフリーの翻訳者に発注されることも頻繁にある。この翻訳作業が功を奏して、従来よりも安全な薬や効き目のよい薬が人々に行き渡ることになる、と考えれば、やりがいも大きな仕事といえるだろう。

 
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