 | この本の読みどころを教えてください。 |
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| 田口先生: | リアリティのよりどころはSF、でも、小説としての結構は伝統的なハードボイルド。その組み合わせの妙&主人公タケシのかっこよさ。 |
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 | 本作はいつも手がけているミステリーとは異なり、未来を舞台にしたSF的要素の濃い作品ですが、訳していて面白かった点、苦労した点は何ですか? |
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| 田口先生: | 普段は安易な造語を固く自らに戒めているのですが、SFだから、当然、原著者があれこれ勝手につくっている。で、私も勝手にいくつかつくりました。それが私には新鮮な体験で面白かったです。たとえば、光線銃の音を原書で、mosquito soundと形容していて、それを「飛蚊音(ひぶんおん)」ってやったの、ま、いばるほどのものでもないけど、自分じゃちょっと気に入っています。苦労したのは、とにかく英語がむずかしく、原著者に百個所近く、質問しました。 |
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 | 著者のリチャード・モーガン氏とは直接会って対談する機会があったそうですが、氏の印象はいかがでしたか? |
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| 田口先生: | 気さくで、誠実な印象で、そのあと質疑応答はメールでやりとりしたわけですが、その印象が裏切られることはありませんでした。 |
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 | すでに映画化の話があるようですが、先生が考える、主人公タケシ・コヴァッチにぴったりのキャストは誰ですか? またその理由を教えてください。 |
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| 田口先生: | 日系東欧人という設定なのですが、なにしろ27世紀、肉体は取替え可能な殻(スリーヴ)になってるんで、実はタケシ自身本来の姿はプロローグにだけ出てきて、あとはイライアス・ライカーという白人の刑事のスリーヴをまといます。描写としては、「四十代後半、競泳選手のような体型、左眼にきずあと、顔じゅうに皺、髪は黒、眼は青」。最近の俳優はあんまり知らないんで、誰かこの描写にあてはまる俳優、います? 私はちょっと思いつきません。ハーヴェイ・カイテルなんか、二十年ぐらい若かったらよさそうな気がしないでもないけど。 |
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 | その他、訳書にまつわる「こぼれ話」があったらお聞かせください。 |
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| 田口先生: | 私は、SFはド素人なので、訳語などチェックしてもらうために、SFに詳しい人に第一稿を読んでもらったのですが、 SFとは直接関係のないところで、第一ページにひとつお恥ずかしいまちがいをしていて、その人のおかげで恥をかかずにすみました。どんなまちがいか? それは企業秘密です。 |
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 | 最後に、今後刊行予定の訳書について教えてください。 |
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| 田口先生: | ボストン・テラン「The Prince of Deadly Weapon」(文春文庫)、デイヴィッド・ベニオフ「When the Nines Roll Over」(新潮社)、カール・ハイアセン「Lucky You」(扶桑社ミステリー)などです。 |