 | まず『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』の読みどころをお聞かせください。 |
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| 真崎先生: | 女ったらしでコカインにも手を出す、そんな破天荒な遊び人議員チャーリーが、アフガンのゲリラを支援するためにたった一人であちこち飛び回って議会工作をする様子がおもしろいです。さらに原作本は映画に比べて米議会の内幕が垣間見える部分が多いので、そこも興味深いですよ。 |
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 | 翻訳時に大変だったこと、工夫したことはありますか? |
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| 真崎先生: | まずは締め切りがキツかった! 上・下巻あわせて4ヵ月と、通常より短い期間だったからとにかく大変でした。いつもなら僕はだいたい10時に起きて昼頃から夕方まで仕事をし、夜は自分の時間にあてるようにしているんですが、この仕事の間はそれもままならず、毎日明け方4時か5時に寝るという生活でした。
原作は史実の研究書と読み物の中間的位置づけで書かれていましたが、翻訳する時点で原作の映画化が決まっていたので、それを意識して読み物としての日本語にしようと心がけました。連邦議会での委員会の構成やCIA内部についての記述も多かったので、調べ物もたくさんしましたね。 |
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 | 続いて『ラス・ヴェガスをブッつぶせ!』についても紹介をお願いします。 |
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| 真崎先生: | MITの天才たちの荒稼ぎっぷりもさることながら、ラス・ヴェガスのカジノの様子も楽しみどころです。数年前にカジノ関係の季刊誌の依頼でインタビューを受けたんですが、カジノに詳しい方によるとこの本にはヴェガスのカジノの雰囲気がとてもよく表れているらしいんです。
僕はもともとブラックジャックのルールには通じていたので、この本はまさに「得意分野」を生かせる機会でした。巻末には僕が補筆したブラックジャックの用語解説も載っています。映画も原作本を見事に再現した素晴らしい出来になっていますが、さすがに細かいルールや主人公たちが何をしているかまでは分からないと思うので、ぜひ原作本を読んでから観に行ってください(笑)。 |
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 | どちらの本もノンフィクションですが、翻訳において小説と違う点はどんなところですか? |
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| 真崎先生: | やっぱり事実関係について確認すべき点が多いということでしょうね。ただこの2作はノンフィクションといっても読み物としてのおもしろさがあったので、どちらも楽しく読み進められるような日本語で訳したつもりです。 |
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 | 現在学習中の方、これから翻訳家を目指す方へのメッセージをお願いします。 |
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| 真崎先生: | 授業でよく言っているのは「論理的思考」を身につける、ということです。ある部分を訳すときにそこだけを見るのではなく、全体のなかの部分という意識をもって考えることが重要だと思います。それから僕は読ませる訳文にするために「日本語のリズム」も大事にしていますね。
基本的には誰でも翻訳家になれると思っていますが、そのための訓練期間は人によってさまざまです。読書経験や人生経験の豊富さも、大いにものを言うでしょう。これからも鍛錬に励み、あきらめずに続けてください。 |
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●真崎義博先生のプロフィール: 文芸翻訳家。当校の単科・文芸コース「エンタテインメント」「エンタテインメントゼミ」の講師をつとめる。『ハスラー』(扶桑社)『図書館員(上・下)』『ポアロ登場』(早川書房)『森の生活』(宝島社)『地下街の人びと』(新潮社)など訳書多数。 |
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