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2016年2月25日カテゴリ:インタビュー

講師インタビュー

単科「柿沼ゼミ」講師 柿沼瑛子先生

大量に訳して翻訳の基礎体力をつけましょう

私が担当する講座では、ジャンルにとらわれず、オールラウンドに訳せるようになることを目標に掲げています。課題の中心はミステリーとロマンスです。ミステリーもロマンスも根強いファンの多いジャンルですが、どちらも心理描写や人物関係を読み取る訓練に適していて、この訓練がどんなジャンルの作品にも生きてきます。

授業では毎回、原書で約4ページほどの課題を出しています。量をこなし、「ホンヤク筋」をつけておけば、多少のブランクがあっても力が落ちにくいと思うので、課題量にはこだわっています。

受講生で多いのは、原文で区切りを間違えて誤訳をしてしまうパターンです。訳文を声に出して読んでつっかえる箇所はたいてい、誤訳なんです。そんなとき、私は原文を3回、音読することを勧めています。そうすると、意味の切れ目や係り方が見えてきて、文章を正しく解釈できるようになります。翻訳者になるための勉強においては、読書も欠かせません。とにかく日本語の語彙を増やすこと。人気作品を読むときは、読者を引き込む出だしの「つかみ」を研究するのもお勧めです。


スクールでしか得られない貴重な経験

翻訳には独学で学べる部分もありますが、スクールでしか得られないものも多くあります。一つは、講師やクラスメートに訳文を見てもらうことで、打たれ強くなること。プロになってから、編集者や読者に批評されても折れない心を作っておくのは、大切なことです。そして、スクールではいろいろな講座がありますから、自分の適性が見えてくることもメリットです。その上で、自分の好きなジャンルを見つけると、上達が早いですよ。「好き」という気持ちが燃料になって、必要な情報も集まりやすくなりますから。

翻訳は、人生経験が全て生かされる仕事だと思います。自分がこれまで読んできたもの、経験してきたことがつながって、訳文の中にピタッと収まる瞬間が時折あるのですが、この感覚が何とも言えない醍醐味です。そして好きな作家を日本で紹介できるおもしろみは言うまでもありません。興味のある方はぜひ一緒に学びましょう。


『通訳・翻訳ジャーナル2016年春号』(イカロス出版発行)より転載
(Text 鈴木香織 photo 合田 昌史)


◆柿沼瑛子先生のプロフィール◆
早稲田大学第一文学部日本史学科卒。靴小売店での勤務、官公庁でのアルバイト、フリーライターなどを経て、翻訳者に。ミステリー、ホラー、耽美小説と幅広い分野の作品を手掛ける。『キャロル』(河出書房)、『わが愛しのホームズ』(新書館)、『聖なる槍に導かれ』(ヴィレッジ・ブックス)など訳書多数。


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