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2016年3月10日カテゴリ:講座ルポ

通学講座「翻訳入門」の授業を
のぞいてみました

オリジナルテキストで
”英文法”という翻訳の土台を固める


「翻訳入門」は、あらゆる翻訳の前提となる「英文を正確に読み取る力」を養うクラス。オリジナルテキスト「STEP18」を用い、英文法の重要事項を確認しながら、正しく読み解きわかりやすく訳すコツを習得するという。

この日のテーマは「接続詞」。文法としてあまり難しいイメージはないが、徳永弥生先生は「接続詞は論旨がどう進んでいるかを読み取る上で重要。何と何をつなぎ、どういう関係になっているのか、それを見極めて訳し分けることが大切です」と説明する。これを聞いただけでも、中学・高校時代の英文法とは視点が違うことがわかる。
続けて、等位接続詞と従属接続詞、接続詞と似た働きをする接続副詞についてざっと解説。その後、テキストをもとに、代表的な接続詞の働きとその訳し方を丹念に確認していく。
等位接続詞のトップバッターはand。もはや準日本語と化した言葉だが、実際の用法はそう単純ではないらしい。
「語と語、句と句、節と節を連結する言葉ですが、意味としては因果関係、動作や状態の連続、逆説を表すことがあります。例えば、He does not know how to drive a car, and he professes himself to be an engineer.という文の場合、andの前後が逆説の関係にあるので、『彼は車の運転を知らないのに〜』と訳すと、日本語としてしっくりきます」
同じように、or、but、forについても用法と訳し方を解説していく。「言い換えのorは『または』ではなく『つまり』」「forは主節の後に置かれ、主観的な理由を付加的に表すことが多い」など、重要ポイントが目白押しだ。


文法に基づく直訳から
自然な日本語表現へ


「thatが、名詞節を導く従属接続詞なのか関係代名詞なのかを見極めるポイントは、that以下に主語あるいは目的語があるかどうか。なければ関係代名詞です」
「主節にnotやneverなどの否定語がある場合、butで始まる従属節は肯定文であっても否定の意味に解釈します」
こうした説明を聞いていると、曖昧になっていた文法知識がくっきりと修復されていく。もっとも即効性ある誤読(誤訳)の予防策だ。

従位接続詞も含めすべての解説が済むと、仕上げとして練習問題に取り組む。3行ほどの英文が5問。先生は文中の接続詞について、「命令文プラスandの用法が出てくるので、そこに注意して訳してください」などとヒント与えてから、受講生に訳文を発表させる。その後、丁寧に英文を読み解いていくが、着目するのは接続詞だけではない。例えば、my engagement would prevent from spending more than two nights with himという箇所。
「engagementにはいろいろな意味がありますが、ここは『約束』や『用事』。prevent〜from -ingは『〜が...するのを妨げる』ではなく『〜が...できない』とします。そのため、『約束があるので、彼と2晩以上は過ごせない』という訳になります」
全問をチェックした後、先生は訳例と次回までの提出課題を配布しながら、「一度直訳してから表現を工夫すると、原文から離れることなく自然な訳文になりますよ」とアドバイスした。英文和訳から翻訳へと一歩踏み出したばかりの受講生にとって、拠りどころとなる言葉に違いない。

次回のテーマは「比較」。先生に「苦手な人も多いのでは?」と問いかけられ、うなずく受講生もいた。だが今のうちに弱点を潰しておけば、のちのち苦労することもない。文法力は翻訳の土台。受講生たちは足腰の強い翻訳者へ成長していくことだろう。


●講師コメント
「正確な解釈力」の土台となる文法知識と
自然な日本語に訳すコツを解説します


「翻訳入門」は翻訳を学んだことのない人を対象とした講座で、翻訳に必要な文法を復習しながら、日本語らしい自然な表現に訳すコツを学びます。翻訳では「英文を正確に解釈する力」がとても大切なので、細かすぎるぐらい丁寧に指導。また学校英語では習ってこなかった単語やイディオムの訳し方もお伝えし、添削課題を通して使い方を覚えていただくようにしています。
テキストの「STEP18」は解説が丁寧で、例文も豊富です。ただせっかく授業に来ていただくので、私なりにポイントを整理し、翻訳の仕事をする上で重要と思われる項目についてじっくり解説します。可能な範囲で、実案件を例文としてお見せすることも。将来をイメージすることで、モチベーションの向上につながればと思っています。
通学で大事なのは 丹念に辞書を引き、自分で訳文をつくった上で講師の解説を聞くこと。添削された自分の訳文と訳例とを比較し、なぜ直されたのかを考えることです。そんな勉強を続けていれば、必ず力が付きます。並行して、日本語の力も磨いてほしいですね。少なくとも、国語辞書をしっかり引くようにしてください。
私の場合、仕事と子育てを両立するために翻訳者になりましたが、知的好奇心を満たしてくれる、とても面白い仕事だと感じています。年齢に関係なく、自分のライフスタイルに合わせてできる点も魅力。フェローには初めて翻訳を学ぶ人でもプロを目指せるカリキュラムが整っていますので、興味のある方はぜひ門を叩いてほしいと思います。


◆徳永弥生先生のプロフィール◆
青山学院大学大学院博士前期課程終了(英米文学研究)。実務翻訳者。外資系金融機関に13年勤務した後、フェロー・アカデミーで学び、フリーランスの翻訳者に。主に金融、経済、ビジネス分野の翻訳を手がけている。


『通訳者・翻訳者になる本2017』(イカロス出版発行)より転載
(Text 金田修宏 Photo 岩田伸久)


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