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2017年9月5日カテゴリ:インタビュー

講師インタビュー

「実務翻訳」コース 講師
吉本 秀人先生

ファンダメンタルズを中心に
経済の「常識と表現」を学びます


実務翻訳コースは、初級の「実務基礎」からスタートします。実務翻訳全般で多用される「何かを説明する表現」について、「日本語ではこう表現するが、英語ではこう表現する」というパターンを「因果関係を示す表現」や「現象を記述する表現」といったテーマごとに学習。どのジャンルにも応用できる「論理的でわかりやすい文章に訳す力」を養います。


中級、上級講座では、私は「経済・金融」を担当しています。これらは、経済・金融関係の翻訳に関して、主に背景知識を応用しながら読み解く力を身につけるための授業です。背景知識とはいわゆる経済の「ファンダメンタルズ」関連で、経済指標や金利といった「マクロ」、企業の財務状況や業績といった「ミクロ」の両面から、それらが金融マーケットに影響を及ぼすメカニズムなどを基本的なところから解説します。対象としては、欧米やアジア、中東など世界のさまざまな地域にわたる、幅広い分野の旬な話題を扱います。


また、特に中級講座では、これらの話をする基礎となる、経済・金融翻訳に必要な「常識」と「表現」を学びます。「常識」とは、例えば「景気が良いと債券価格は下がる傾向にある」といった考え方で、「表現」とは、例えば「Stocks ended mixed(株価はまちまちで引けた)」のような市場特有の言い回しです。


身につけた専門を軸に
さらに手を広げることが大事


翻訳課題は雑誌・新聞記事、各種レポート、IRなどで、英和が中心。個々の文書に関しては、「常識」や「表現」、「ファンダメンタルズ」に加えて、ドキュメント特有のスタイルなども考慮し、文章の流れを読み解く力を身につけます。

「表現や常識」を増やしたいのなら、メディアを活用しましょう。例えば、テレビ東京の「モーニングサテライト」を毎日見ていれば、専門用語や独特の言いまわしが自然に身につきます。また、動画サイト「Youtube」には経済・金融分野の解説動画が多数アップされていますが、特に英語の動画がお勧めでとてもわかりやすい。気になるテーマで検索すればいろいろな講座が見つかります。


経済・金融の世界では新しい用語や概念が次々に生まれ、常に「学ぶ楽しさ」があります。知識が増えればニュースの見方が変わり、ビジネスや投資にも役立つ。一石二鳥にも三鳥にもなるはずです。

とはいえ、翻訳では専門外の知識を求められることが多々あります。「アニュアルレポートが専門」でも扱う企業の業態によっては全く内容が分からないこともあります。大切なのは「正しく調べる力」を身につけること。私の授業が、そのとっかかりになればと思っています。


『通訳・翻訳ジャーナル2017年秋号』(イカロス出版発行)より転載
(Text 金田修宏


◆吉本秀人先生のプロフィール◆
実務翻訳家。多種多様な経済・金融・ビジネス関連文書の翻訳を手がける。通学講座「実務基礎」と通信講座「実務翻訳<ベータ>」のテキスト『BETA』、ベータ応用講座「経済」「契約書」のテキストを執筆。著書に『金融の英語』など。


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