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2017年11月1日カテゴリ:インタビュー

通信講座マスターコース講師の石崎あゆみ先生に聞いた
おすすめの勉強法、健康管理、リフレッシュ方法とは?

――石崎先生が翻訳の仕事をしようと思った理由、きっかけを教えてください。

石崎先生:
最初に翻訳に興味を持ったのは、小学生のころに「不思議の国のアリス」を読んだときでした。言葉遊び(駄洒落)の部分に訳注がたくさんついていて、このとき「翻訳」や「翻訳者」の存在を初めて意識したと思います。
学生時代は、英語の勉強は好きでしたが、翻訳=出版翻訳というイメージがあったせいか、本を翻訳できるほどの自信はなかったんです。
社会人になり、産業翻訳や実務翻訳という分野があることを知り、自分に向いているかもしれないと興味を持つようになりました。フェロー・アカデミーの通信講座を受けたりセミナーに参加したりするうちに、翻訳を仕事にする自信がつき、アメリアを通じて翻訳会社のトライアルに合格したことを機に、翻訳の世界に転身しました。


――これまでどんな文書の翻訳を手がけてこられたのでしょうか。

石崎先生:
今までかかわってきた案件で多くを占めるのが企業向けの製品で、マニュアルやデータシート、オンラインヘルプ、GUI(画面用語やメッセージ類)などを扱いました。 最近かかわった案件には、ネットワークソリューションのデータシート、サーバーのマニュアル、産業用カメラメーカーのWebサイトなどがあります。
技術文書以外では、社内報や人事研修用の資料などの翻訳も経験しています。
そのほかに、営業向けマーケティング資料や社内向けトレーニング資料の割合が増えてきているのが最近の傾向です。


――IT・テクニカルのやりがいと難しさを教えてください。

石崎先生:
難しい点はやはり、初めて見る用語やよく知らない概念を含む文書を決められた時間内で訳さなければならないことです。用語集や参考資料(過去訳など)が配布されていればよいのですが、ない場合は自力で調べるしかありません。しかも、通常は納期にあまり余裕がないので、効率的に調査する必要があります。
調査手段は主にインターネット検索ですが、時間がないからといって単語レベルで検索して、見つかった単語をつなげて上辺だけ取り繕うというやり方では、原文の意図が十分に反映されなくなるおそれがあります。その用語が使用されている文書や、概念が説明されている資料など、関連情報まで調べて内容を徹底的に理解したほうが、結果的には良い訳文に仕上げられます。手間はかかりますが、苦労して理解できたときは達成感があります。


――石崎先生は、ふだんの仕事の中でどんなことを心がけていますか?

石崎先生:
一般に技術文書には、何度も読み返すことなく、一回読めば理解できる簡潔性と明瞭性が求められますので、日本語表現の面で工夫が必要です。原文で伝えたいことは何かを念頭に置き、「自分が読み手だったらこの文章で理解できるだろうか」という観点で確認しながら、一度で理解できる訳文を作り上げるよう心がけています。


――翻訳者になる前のご経験について教えてください。

石崎先生:
コンピュータメーカーに在籍していたので、基礎的な専門知識は在職中に身に付けることができました。ソフトウェア関連の部署に所属していたので、ハードウェアについてはそれほど詳しい知識はなかったのですが、社内の文書や情報を目にする機会があり、技術動向や概要を知ることができました。こうして基本的な知識を固めることで、詳しい情報を調べるときに見当がつきやすくなったと思います。


――IT・テクニカル関連のバックグラウンドがない方におすすめの勉強法はありますか?

石崎先生:
一般に技術文書には、何度も読み返すことなく、一回読めば理解できる簡潔性と明瞭性が求められますので、日本語表現の面で工夫が必要です。原文で伝えたいことは何かを念頭に置き、「自分が読み手だったらこの文章で理解できるだろうか」という観点で確認しながら、一度で理解できる訳文を作り上げるよう心がけています。


――翻訳の仕事をされるときの1日のスケジュールを教えてください。また、健康管理、リフレッシュのためにされていることはありますか?

石崎先生:
朝9時頃から始めて、頭がすっきりしている午前中に集中して仕事をします。昼食後は眠気覚ましも兼ねて、買い物に出かけます。帰宅後は仕事に戻りますが、途中で疲れてきたら、フリーランスになってから習い始めたチェロの練習をして、気分転換します。
短納期の案件が多く、複数の案件を同時進行させることもあるため、納品は毎日のようにあります。指定の納品時刻に遅れないよう、仕事の時間配分には常に気を使っています。できれば夜7時頃には仕事を終えたいのですが、案件のボリュームや納期によっては夜中までかかることもあります。
在宅で仕事をしていると、どうしても運動不足になりがちなので、できるだけウォーキング(+ちょっとジョギング)するようにしています。これには腰痛や肩こりが解消されるという効果もあるのですが、天候の悪い日にはできないのが難点です。


――1月から担当されるマスターコース「IT・テクニカル」はどのような内容になるか、教えてください。

石崎先生:
一口に「IT」といっても、適用分野はさまざまです。それに対応する力をつけるため、毎回異なる内容の文書を課題として取り上げ、幅広い知識を身に付けられるようにします。
また、私は翻訳の他にレビューを担当することも多いのですが、レビュー対象となる翻訳の中には、表現を少し修正するだけで品質が向上するものがよく見受けられます。たとえば、語順を入れ替えたり読点の位置を変えたりするだけで、格段に読みやすくなる場合など。おそらく翻訳者自身はそうした改善の余地に気が付いていないのでしょう。自分の書いた文章を自分自身で校閲するのは、案外難しいものです。 自然で読みやすい文章になるよう、講座ではみなさんの訳文に細かく添削を入れていきますので、弱点の把握や克服にお役立てください。


――最後に、IT・テクニカル翻訳者を志す方々へのメッセージをお願いします。

石崎先生:
ITをはじめとするテクノロジーは発展を続けており、そのペースについていくには調査や勉強が不可欠です。知的好奇心を持って、楽しく翻訳できるようになっていただけたらと思います。
テクノロジー発展の成果の1つとして、機械翻訳の精度向上が挙げられます。以前はあまり使い物にならなかったのですが、今では割と良い翻訳結果が得られるようになりました。このジャンルの翻訳では文学的な表現を使う必要はあまりないのですが、だからといって逐語的に訳していては、機械に負けてしまいます。
読み手がいることを意識して、正しく伝わる翻訳を目指しましょう。


◆石崎先生のプロフィール◆
電機メーカーにてソフトウェアの研究開発に従事した後、翻訳会社に転職。リンギストとして様々なプロジェクトのローカライズを経験する。その後フリーランス翻訳者として、主にITおよびビジネス関連の翻訳・レビューに携わる。


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