reco本リレー

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出版翻訳家が最近読んだおすすめの本=“reco本”を、毎月リレーで紹介していきます。「次はなんの本を読もうかな」と思ったら、ぜひreco本を手に取ってみてください。バトンが誰に渡るのかも、お楽しみに!

前回の金井真弓さんからバトンを受け取ったのは、居酒屋などで飲んだり食べたりしながら本について楽しく語りあう読書会仲間という木村浩美さんです。
今回もぜひお楽しみください!

木村浩美さんのreco本

『人間とは何か』書影
『柳宗民の雑草ノオト』
柳 宋民 著
(筑摩書房)
「空き地や路傍でよく見かける雑草は、花壇や畑では厄介者。けれども、その可憐な花には四季の風情を感じさせる愛らしさが漂っている。練達の園芸家が庭の片すみで植物を見つめ、そのたくましさと生命の神秘に惜しみない賞賛を捧げる。」

この夏はスコットランドに飛び、ヒースを眺めていた(もちろん脳内旅行)。実際の目には何が映っているかといえば、庭の恐ろしいほど伸びた雑草である。思いたって、ずっと手元にあった本書を読み始め、夢中になった。もともと草むしりをしていて、小さな花がかわいい、もったいないなあと思ってしまうほうだった。本書の力で、どの草も魅力が増したように思える。

本書には四季それぞれに咲く野の花が紹介されている。
たとえば、春はシロツメクサ。いわゆるクローバー。野原で四つ葉を探したり、花輪を作って遊んだりした懐かしい草である。「白爪草」(花びらの形からして)だと思ったら、オランダ船が乾燥させた草を詰め物に使っていた「詰め草」だという。また、ハコベはフランスでも小鳥の餌になり、ドクダミは臭いけれど薬草にもなる。まさに「どんな草でも、どこかに美しさがあり、役立つ面がある」といえそうだ。

「練達の園芸家」は短大時代の恩師である。いつも穏やかで、植物への愛にあふれ、指の爪に土が詰まっていたのが忘れられない。

木村浩美さんのプロフィール:
文芸翻訳家。メアリー・スチュアート『霧の島のかがり火』、レイチェル・ベイリー『大富豪の秘密の相続人』、アンナ・デパロー『伯爵のかりそめの妻』、イーデン・フィルポッツ『守銭奴の遺産』、ローレン・ビュークス『シャイニング・ガール』、ローズマリ・エレン・グィリー『悪魔と悪魔学の事典』(共訳)、ドナルド・E・ウェストレイク『忙しい死体』、ミリアム・ヴァン・スコット『天国と地獄の事典』(共訳)など訳書多数。

次(11/15更新)は
木村浩美さんからの
ご紹介で吉澤康子さん
おすすめの本です。
お楽しみに!
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