カレッジコース
2016年2月25日 

村地秀行先生「金融・財務」の授業を
のぞいてみました

第一線で活躍する翻訳者から金融・財務分野の手法を学ぶ

『総合翻訳科カレッジコース』は、プロの翻訳者に求められる実践的な技術と専門知識を体系的なカリキュラムに沿って身につけていく全日制の講座。「実務」「出版」「映像」の3分野をバランスよく学んだ後、12の選択科目の中から自分の適性や希望に合った科目を履修していくことになる。

実務翻訳分野には、「IT・テクニカル」「メディカル」「特許」「契約書・ビジネス法務」「金融・財務」の5つの選択科目があり、今回体験したのは「金融・財務」の授業。実務翻訳の第一線で活躍する村地秀行先生による緻密な指導が行われた。


原文の構造を分析して的確な訳文に導いていく

今回の課題は米国の中央銀行や金融政策について書かれた文書。「中央銀行の役割や金融規制の仕組みを知らないと原文の構造を取り違えることもあります。その概略を頭に入れてから訳すようにしましょう」という村地先生。その言葉通り、文中にはmonetary accommodation( 金融緩和)、target range(目標変動幅)などの専門用語が頻出し、その都度「金融緩和とは何か」「その方法は」などの解説が加えられる。また、「〜 consistent over the longer run with 〜は、consistent withの間にover the longer runが挿入された形だということに気づくことが重要。そこを見落とすと誤訳につながります」など、構文を分解し、情報整理をすることで的確な訳文にする方法を伝授していく。


世界経済の動きを知りながら翻訳スキルを身につけていく

次のパラグラフの中にもConsistent with that assessment, 〜という一節が出てきた。「consistent withという表現は公的機関の声明や公式文書によく使われますが、前後の文脈から訳し分ける必要があります」という村地先生。先ほどの文では“整合的な”という訳が一般的だが、ここでは、“〜に沿って” “〜に一致して”のように副詞的に訳さなければならない。「金融・財務」という翻訳分野は、専門用語や長々とした文章表現など、独特の難しさはあるが、ダイナミックに変動する世界の金融・経済情勢を肌で感じることができるのは他の分野にない醍醐味といえる。「講座では、まずその面白さを実感していただくことに主眼を置いています」という村地先生だ。


【講師からのメッセージ】

金融経済情勢を反映した素材を使い
実務に耐える基礎力を積み上げます


講座では、国際機関や大手銀行・企業の発行文書、主要経済紙・誌の記事などを中心に、実案件レベルの英文素材を取り上げています。翻訳上のコツや調査方法なども含め、実務で要求される水準を体感できるはずです。また、教科書的な内容にとどまらず、最新の金融・経済の動向を翻訳課題や参考資料の形で積極的に取り入れていることも大きな特色です。テクニックも大切ですが、生きた現実のテーマに強い関心を持つことが、学習のモチベーションを高める上でも、将来よい仕事を続けていく上でも不可欠だと考えるからです。

基本的な心得を忘れずに努力すれば
いずれ報われるのが翻訳の世界です


現状、受講生の皆さんに最も強調しているポイントは、「あくまで原文を尊重する」ことと、字面にとらわれず「文脈の中で原文のメッセージ(真意)をつかんで訳す」ということです。実務翻訳をやるには、いずれにしても定石的なテクニックの習得が不可欠です。しかし、一番大切なことは、実はもっと基本的な「心得」みたいなものではないかと私は考えています。つまり、焦らず諦めない持続的な取り組み、こまめな確認と記録、不断の反省と効率化など、実務翻訳をやっていく上で欠かせない要素がいくつかあるのです。逆にいえば、そうした基本的な心得さえ忘れなければ、誰でも比較的早く実務レベルに到達できる仕事でもあるといえるでしょう。当校では、学習を加速させるのに役立つ講座を豊富に提供していますので、ぜひ活用して目標を実現してください。


『翻訳事典2017年度版』(アルク発行)
「編集部が体験!翻訳講座体験ルポ」より転載



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