カレッジコース
2017年9月25日 

講師からのメッセージ
森本千秋先生(後期 選択科目「契約書・ビジネス法務」講師)
「プロに必要とされる翻訳テクニックや心構えを学びます」

翻訳のテクニックに加えて
専門の知識や用語も教えます


私が担当している科目「契約書・ビジネス法務」では、契約書を中心としたビジネス法務文書の和訳を行っています。受講生たちには授業で法務文書に初めて触れることを前提に、法律用語や法律とは何かといったことを解説しながら、法的な考え方を身につけてもらうことを目標にして教えています。
私自身、もともと外資系企業で法務関係の仕事に携わっていました。当初は契約書の翻訳を依頼する側だったのが翻訳する側にキャリアチェンジした経緯があります。法務や契約書に関する文書において発注者サイドが考えることや気にするポイントなどについても、自身の経験を踏まえながら一つひとつ教えるようにしています。

スクール在籍中から
プロ意識を叩き込みます


翻訳の勉強は、とにかく数多く訳すことです。授業は受講生が前もって提出した訳文を検討しながら進めますが、課題を訳し、授業で知識を得るだけでなく、復習で間違った箇所、あやふやだった箇所を分析し、同じ文章をもう一度訳してみることが翻訳スキルの向上には不可欠です。
また、なぜそのように訳したのか、原文は何を言おうとしているのかなど、講師に質問攻めにされてもしっかり答えられるくらい、徹底的に調べて納得した上で訳すことが大切です。
プロの翻訳者を目指すのならば、スケジュール管理を徹底することが必要です。加えて、自分の訳文が読み手に伝わるものか、お金を払う価値があるものなのか、常に自問する姿勢が欠かせません。
ただ一方で、我を通しすぎないことも大切です。プロになれば翻訳の内容だけではなく、スケジュールや報酬などに対してある程度柔軟な対応が求められますし、できないと判断したことにはプロとして「できません」とはっきり伝える勇気も必要です。翻訳者として独り立ちしてからは誰も注意してくれませんので、学生のうちからプロ意識を養っておくとよいでしょう。

学び、挑戦し続けた先に
大きな喜びがある翻訳の仕事


実務翻訳者として仕事を獲得するには、自分の専門分野を確立することが有効だと思います。そして専門以外のことでも、世の中のトレンドや社会情勢の知識を常に吸収し、勉強を怠らないことです。また、トライアルなどに落ちてもめげず、仕事のチャンスに結びつくことに挑戦し続けることです。
私はフリーランスの翻訳者ですが、自分の翻訳が誰かの役に立っていると思うと大きなやりがいを感じます。訳の仕上がりを含め、全てが自分の責任となる厳しい世界ですが、翻訳を通して様々な物事について知る楽しさや、何かの拍子にぴったりの訳が頭に浮かんだときの喜びは何物にも代えがたいものがあります。考え、悩み抜いた先にある喜びを味わいたい方は、ぜひ翻訳の世界に足を踏み入れてください。


『ENGLISH JOURNAL 2017年9月号』(アルク発行)より転載



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