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 【前編】 【後編】
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今月は、通信講座「翻訳入門<ステップ18>」(以下、<ステップ18>)で、受講生の添削指導にあたっている来住道子さんと徳永弥生さんの対談をお届けします。添削トレーナー歴15年の来住さんと今年から始めたばかりという徳永さん。おふたりとも、<ステップ18>から翻訳を学び始め、学ぶ側と指導する側の両方の立場で、講座に深く関わってくださっています。日々受講生の訳文を添削しているおふたりにたっぷりとお話を伺いました。
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左:来住 道子さん(きしゅ みちこ)
右:徳永 弥生さん(とくなが やよい)

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――おふたりは翻訳者になるまではどのような学習をしていましたか?
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来住:私は音楽大学の出身なのですが、何か形に残る仕事がしたいなと考えたときに翻訳が思い浮かびました。楽譜を読んで自分で表現する音楽と、原文を読んで自分の言葉で表現する翻訳に共通するものを感じたのと、元来コツコツと積み上げていくことが性に合っていたということもあり、翻訳の勉強をしてみようと思ったんです。とはいえ、英語の学習は大学の一般教養程度までだったので、英語の読解力を身につけようと通学講座の「翻訳入門」(<ステップ18>と同じカリキュラム)を受講しました。クラスメイトは大学で英語を専攻していたなど英語が得意な人も多く、私はしばらく英語から遠ざかっていたので最初は不安でした。でも、<ステップ18>のテキストは基礎から学べる教材だったので、学ぶにつれ不安はなくなっていきました。また、翻訳は英文解釈とは違うんだということが実感できました。翻訳では常に読者の目を考えて訳さなければなりません。そのように意識が変わるきっかけになった講座だったと思います。その後は興味があった出版翻訳映像翻訳に絞って学習を続け、今はノンフィクション系の伝記・歴史もの、文芸書などの翻訳を手掛けています。

徳永:私は金融機関に勤めていて職場で英語を使っていたので、<ステップ18>をとばして「実務翻訳<ベータ>」を最初に受講しました。それが意外と難しくて……。これは入門からやり直さないとだめだと思い、修了後すぐに<ステップ18>を受講しました。普通の文法書だと、冠詞や代名詞から始まってあらゆる内容を網羅していて、どこから読めばいいのか迷いますが、<ステップ18>のテキストは、翻訳する際に絶対に必要な文法で、かつ日本人が苦手にしている項目を毎回1つずつ取り上げているので、スムーズに学べたと思います。その後は、いちど通学してみたいと思い、「ベーシック3コース」に進みました。翻訳のどの方向に進むべきか、まだ分野を絞り切れていなかったので、3カ月で全分野が学べるこのコースは魅力的でした。いろいろな分野の講師の指導を受けましたが、それぞれやり方が違う一方で、分野が違っても同じことをおっしゃる場合もあり、発見が多かったです。映像翻訳も好きだったのですが、やはり会社員時代の知識が仕事に直結しそうな実務翻訳を選んで、その後また通信講座に戻って「ベータ応用講座」や「マスターコース」などを受講しました。その頃から徐々に翻訳会社のトライアルに合格するようになり、現在は金融やビジネスの文書の翻訳を中心にしながら、ときどき放送用の資料音声を聞き取って翻訳する仕事などもしています。

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――徳永さんは実務翻訳の講座を受けたあと、<ステップ18>に戻られたということですか?
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徳永:はい。英語は仕事でも使っていたので、自分はある程度英語ができるという自負があったんです。いざ翻訳を学んでみると学校で習ってきた英文解釈とは違うんだと気づきました。<ステップ18>に戻ったことで、その後の勉強、そして仕事を始めるためのベースができたと思います

来住:どの分野を目指している人にも共通して必要な翻訳のスキルがあると思うんです。はじめに土台ができていないと、何かが抜けていて先々苦労することがありますよね。

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――おふたりとも<ステップ18>が翻訳の入口になったということですが、テキストはお仕事でも活用されているのでしょうか
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来住:仕事をはじめたころは、複雑な比較表現が出てきたときなど、訳していてちょっと自信がないなと思ったらテキストを見直したものです。助動詞や前置詞も、ちょっと忘れていた用法があったかもしれないとテキストを参考にしました。訳していて自分が不安に感じたときに、その都度見直す感じです。

徳永:ひと通り学んでも、すべてを完璧に覚えてしまうことは無理ですから、テキストに戻ることは私もよくあります。来住さんと同じで、比較級のページは私もよく見直しました。<ステップ18>のテキストはコンパクトにまとまっているので、「あれっ」と思ったときに見返しやすいと思います。

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――そして、今は教える立場にいらっしゃるわけですが、添削する際にはどのようなことに気をつけていますか?
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来住:翻訳を始めたいと思った方が受講される講座ですが、その時の英語のレベルは皆さん違います。英文の構造が掴めていない方には、まずそこからきちんと説明して理解を促します。一方、英文の理解がきちんとできている方にもいろいろなパターンがあります。例えば、日本語が英文から離れすぎているとか、直訳的な意味あいはつかめているけど日本語として読みづらいとか。人それぞれ違いますから、その人に合ったコメントを入れるように心がけています

徳永:私も来住さんのおっしゃるように、受講者のレベルに合った指導を心がけています。文法のことばかり書くと、読んでいてイヤになるかなと思いつつ、でも文法は大事なのでしっかり押さえてほしいという思いもあって、コメントがだいぶ多めになることもあります。
 解釈力のある方に対しては、訳語の選び方についてコメントを書くことが多いですね。ポジティブな内容なのに、ネガティブな訳語を当ててしまっている場合などもあって、そんなときには「文脈をとらえて、辞書のなかから一番適切な訳語を選んでください」とアドバイスしています。

来住:翻訳の場合は「間違いではないけれども、もう少しこうしたほうがいい」というところがたくさんありますね。皆さん頑張って訳していて考えに考え抜いて出してきた訳文ですので、個性を生かしながら直しを入れていくようにしています。

徳永:受講生の方の訳文を生かした添削というのは非常に大事で、また添削トレーナーにとって最も難しいところだと思うんです。明らかな間違いを正すのは簡単ですが、間違いではないけれども最善ではない訳文が大半ですから、それに対してどこまで添削すればいいのか、添削トレーナーとして日々考えながら取り組んでいます。


 受講生ひとり一人のレベルに合った添削を心がけているという添削トレーナーのおふたりに、後編では翻訳を始めたばかりの方にどのような学習が効果的かアドバイスを伺いました。どうぞお楽しみに。

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