加藤千里さん
大学卒業後、2014年にカレッジコースへ入学。もともと興味のあった映像分野の仕事を目指して推薦先企業のフォアクロスに就職し、日本語版制作の工程全般に関わる。現在は字幕ディレクターとして劇場映画やドラマシリーズなどの翻訳チェックも手がける。
「同じ日が1日としてない」
企業説明会で採用担当者の話に面白さを感じた
学生時代に映画やドラマで英語を勉強してきたので、「翻訳」というローカライゼーションに興味を持つようになりました。そこで基礎からきちんと学べる翻訳学校を探し、フェローのカレッジコースを見つけました。
コースでは一年間みっちり翻訳に向き合うことができました。最初は翻訳というものは何よりも英語力がないとできないものかと思っていましたが、それ以上に日本語力も必要なんだなと思うようになりました。また言葉の能力以外に、調べ物の重要性も初めて知りました。入学前から映像分野に興味があったので、早い段階から進路は映像業界と決めていました。授業で習った字幕制作ソフトが実際の仕事でもよく使われていると知り、操作に慣れるため自習時間にパソコンルームで積極的に課題に取り組みました。
その後、現在の勤務先であるフォアクロスの企業説明会に出席して、日本語版制作の全工程に関わることができる点に興味を持ちました。将来的に翻訳者を目指すにしても、日本語版制作の現場を知っていたほうが重宝されるだろうな、とも考えました。それに、説明会に来た採用担当の方が「同じ日が1日としてない」と話していたのが印象的で、とても変化に富んでいて面白そうだなと感じたので応募しました。
授業で習ったツールの操作や吹替・字幕の知識が
仕事をするうえで助けになった
フォアクロス入社後の主な業務は、依頼する翻訳者の選定、スケジュールの立案と管理、スタジオとのやりとり、収録の立ち会い、納品物の準備など多岐にわたります。それに加え、シリーズ作品の用語統一、クオリティを上げるための字幕・吹替原稿チェックも担当しています。業界で必要なことは、仕事の中で失敗しながら覚えていきましたが、もともと映像翻訳の授業で習った字幕制作ソフトの基本操作や字幕・吹替に関する知識があったことはとても助けになりました。また、児童文芸の授業で先生から訳語を細かく指摘されたおかげで自分でも「その訳でよいのか」とツッコミを入れるクセがつくようになり、それが今のチェック業務でも役に立っています。
仕事のやりがいは、自分が制作を担当した作品が劇場公開、DVD発売、Web配信などさまざまな形で世の中に出ていき、観た人にSNSなどで「おもしろかった!」と言ってもらえることです。またクライアントさんから「次もフォアクロスにお願いします」とリピートオーダーをいただけるととても嬉しいです。当面は字幕ディレクターとして、日本語版のクオリティ管理のほうでキャリアを積んでいきたいと思います。
私は新卒だったのでこの業界での就職活動が心配でしたが、カレッジコースは仕事サポートも充実しているので安心して活動できました。クラスメートとの横のつながりもでき、今でも交流しています。仕事を見つけられたことももちろんですが、一生ものの仲間ができたこともよい財産です。みなさんもカレッジコースで同じ志の仲間と翻訳の学習に励んでいただきたいと思います。
カレッジコース(通学)