黒木章人さん
2003年から受講を開始し、「翻訳入門」「出版基礎」「フィクション」などを経て、現在「田口特別ゼミ」に在籍中。2012年11月に『誰もがイライラしたくないのに、なぜイライラしてしまうのか?』(総合法令出版)でプロデビュー。
2003年から受講を開始し、「翻訳入門」「出版基礎」「フィクション」などを経て、現在「田口特別ゼミ」に在籍中。2012年11月に『誰もがイライラしたくないのに、なぜイライラしてしまうのか?』(総合法令出版)でプロデビュー。
「自分が本当にやりたいことをしよう」と、39歳のときに一念発起してフェローの門を叩きました。昔から翻訳もののミステリや軍事小説が好きで、出版翻訳への憧れはずっと心の中でくすぶっていたんです。英語を専門的に学んだ経験がなかったので、基礎の基礎からステップアップできるフェローのカリキュラムは自分にはぴったりでした。
かつて読んでいた作品の多くが田口俊樹先生の訳書だったので、ゼミクラス以降は田口先生のもとで学んでいます。英語はもちろん、「~は」と「~が」の違いなど日本語表現についても細かく指導してくださり、とても勉強になりますね。長年の翻訳経験に基づいた「裏技」も伝授してくださるので、実践面でも大いに役立っています。
ゼミクラスでは、全員が積極的に発言します。誤訳、表現に対する違和感、事物の不正確な理解。ちょっとでも疑問に思えば、言葉を飲み込むことはありません。そうやって議論しながら、よりよい訳文を完成させていく過程はとても愉しく、4時間の授業が短く感じられるほどです。
田口先生は、プロの翻訳者の方や編集者の方を招いた学外イベントも企画してくださいます。イベントそのものもそうですが、さまざまな業界関係者の方と知り合うことができるので、毎回とても愉しみにしています。そこでの出会いがきっかけとなり、仕事を得たゼミ生も。じつはわたしもその一人で、昨年11月に初の訳書となるノンフィクションを出すことができました。プロになるには、翻訳力だけでなく人とのつながりも必要です。デビューにつながる交流の場を設け、親身になって私たちのことを考えてくださる田口先生は、本当に素晴らしい師匠だと思います。
わたしがフェローで得たもの、それは持てる翻訳力のすべてであり、尊敬する師匠とのつながりです。少しでも師匠に近づきたいし、もっと訳書を出していきたい。そのためにも、精進あるのみです!
『最新版 あなたも出版翻訳家になれる』(イカロス出版発行)より転載
(Text 金田修宏 Photo 小久保陽一)