武田大輝さん
大学卒業後、在宅で仕事ができるフリーランスを目指し、「総合翻訳科ベーシック3コース」に入学。受講中に行われた企業説明会を通じて翻訳会社へ就職し、金融関係の書類の英訳チェックなどに携わる。
大学時代、就職活動をするなかで、自分がやりたいことは何かと考えたとき、日本のことをもっと海外に広めたいという思いにたどり着きました。以前カナダに住んでいたことがあり、テレビをつけると日本のアニメがたくさん放送されていることに驚いたことがきっかけです。「さまざまな日本のコンテンツを海外に広めたい。そのために必要なのは翻訳だ」と考え、翻訳に興味を持ちました。
始めは自分で翻訳会社の求人を探し、トライアルを受けていたのですが、なかなか受かりませんでした。トライアルを受けてもフィードバックがないので、どこが不十分で、なんで受からないのか自分ではわかりません。そこで学校で基礎から学んだほうが良いと思い、フェローに入学しました。ベーシック3コースは三ヶ月、週三日の短期間で集中的に学習できるので自分には最適でした。また、以前から気になっていた翻訳者ネットワーク「アメリア」に自動的に入会できるのも決め手となりました。
とくに印象に残っている授業は、吹替の授業です。吹替翻訳という仕事では、映像のセリフを翻訳し、声優がアフレコするための台本を作る作業までします。吹替の授業で、実際に声優さんに自分の台本を読んでもらう機会がありました。動物園の動物たちにインタビューするというアニメ作品だったのですが、キャラクターの中に一匹、訛りのある英語を話す動物がいました。そのニュアンスを出すためにカタコトで話すキャラクターをイメージして翻訳したのですが、声優さんにその通りに演じてもらい、面白かったのと同時に、自分の翻訳に命が吹き込まれたようで感動したことを覚えています。
今の会社には、ベーシック3コースで行われた企業説明会を通じて就職しました。仕事内容は、主に金融関係の書類の英訳チェックです。金融関係の書類というのは企業の決算短信や財務諸表、アニュアルレポートなどです。日本語の原稿を会社に登録している翻訳者さんに翻訳してもらい、訳抜けやレイアウト、数字があっているかどうかなどのチェックを行います。金融関係の書類は用語や言い回しに厳しく、必ず昨年出されたものや、直近で出されたものと同じ言い回しをしているか、同じ用語を使っているかチェックします。私のチェックしたものをまた別のチェッカーさんがチェックし、それを納品します。また、市場調査のためメーカーのカンファレンスに参加することもあり、この前はアメリカへ出張に行かせてもらい、とても良い経験ができました。
ベーシック3コースで学んだことで、仕事に就くことができ、素晴らしい仲間に出会うこともできました。受講中は先生から「よく調べ、論理的に考えろ」と教わりましたが、それは仕事だけでなく、生活でも役立っていると思います。