梅林靖子さん
退職を機に、在宅でできる翻訳を仕事にしようと総合翻訳科「ベーシック3コース」で学習を始める。コース修了後、中級「ドキュメンタリー」で学習を続けながら、アメリアを通じて応募した映像制作会社のトライアルに合格。現在は映像翻訳のチェッカーとして在宅で仕事を受注している。
もともと英語を使う仕事に興味があり、これまで英文事務などを経験して、英語自体の勉強も少しずつ続け、最終的にたどり着いたのが在宅でできる翻訳でした。
フェロー・アカデミーを選んだのは、現在翻訳者の友人が以前通っていたので安心感があったためです。また、当初私は翻訳の知識が全くなく、一番興味があったのはメディカルの翻訳だったので、実務翻訳を含めて翻訳そのものを一から学べるベーシック3コースを選びました。
ベーシック3コースは、内容が実践的なところがよかったです。実務・出版・映像の各分野で実際の仕事に近いスタイルで取り組むことができ、とても良い経験になりました。
また、コース修了時に各科目ごとに成績が出るので自分の適性を客観的に見られたのもよかったです。私の場合、分野によって評価が異なり、その中で一番良かったのが「映像吹替」でした。このことが、のちに映像翻訳の分野に進むきっかけとなりました。
授業では、先生方が仰っていた「訳してみて、おかしいと思ったらそれは誤訳」という言葉と、「元々知識がなくても、調べて理解すれば大丈夫」という言葉がとても印象に残っています。
最初のうちは思い込みで誤訳することもありましたが、これらの言葉を意識するようになって、自分の解釈を良い意味で疑い、原文をいろんな角度から見るクセをつけることができたと思います。
また、「映像吹替」の授業ではヨガのビデオが教材だったことがあるのですが、ヨガを習っていたのでとても訳しやすかったのを覚えています。「内容を理解できれば訳せる」、逆に「理解できなければ訳せない」ということを改めて実感しました。
コース修了後、興味を持った映像翻訳の分野で仕事を探し、翻訳者ネットワーク「アメリア」で見つけた、ある映像制作会社の吹替翻訳のトライアルを受けることにしました。
受けた時期は、単科中級「ドキュメンタリー」で学習を始めたばかりの頃でしたが、結果的に合格できたのは、原稿のルールなど基本的なスキルをベーシック3コースで学んでいたからだと思います。
トライアルの素材は、ドラマの映像のたった8分ほどですが、登場人物の背景なども調べたかったのでトータルの作業で結局4日もかかりました。時間はかかったものの、それが良い結果につながったようで、まずは周辺業務も可能なら、という条件付きで登録していただけました。
現在の仕事は、ドラマや映画の映像翻訳のチェックです。長期間携わっている業務としては、あるドラマの字幕と吹替訳の突き合わせを行っています。映像と英語のスクリプトを見ながら、字幕と吹替それぞれの翻訳者さんの日本語訳を突き合わせて、誤字脱字、誤訳、不統一などをリストアップして、必要に応じてどちらの訳が妥当かなどをネットなどで調べて裏を取るという作業です。
これまで関わった映画やドラマでも、比較的身近な医療や法律などのことから、あまりよく知らない宇宙の仕組みや生物兵器のことまで、あらゆる分野の話が出てきました。ベーシック3コースで色々なジャンルの翻訳を学んだことで、例えば「電気の仕組みについては、まず子供向けの分かりやすいサイトで理解しよう」など、いろんな分野に対応できる力が付いたと思っています。
今はチェックの仕事を一つずつ着実にこなして、今後翻訳の仕事につなげていきたいと思っています。また、吹替翻訳の原稿をつくることはそのまま台本を作ることでもあり面白い作業なので、脚本など日本語の表現力をさらに磨いて、仕事の幅を広げていけたらと考えています。
ベーシック3コース(オンライン)