梅田智世さん
キャリア10年を超える実務翻訳の傍ら、子供向けの出版翻訳も手がける。
大学で生物学を専攻するも、就職活動で大苦戦。子供の頃から外国文学が好きだったため、翻訳者を目指すことにしました。大学4年の秋に総合翻訳科「ベーシック3コース」を受講。出版と実務の違いなど翻訳全般の理解を深め、基礎スキルを身につけることができました。現在も、“原文を第一に考える翻訳”を探究しています。
1冊目の訳書は『イースト・アングリアへ』というノンフィクションでした。実務翻訳を休業して訳しましたが、1人で仕上げられるか不安 でした。本ができたときも、嬉しさより怖さのほうが大きかったです。
2冊目以降は子ども向けの図鑑を訳しています。どこまで表現を砕くかという難しさはありますが、原文に沿って訳していれば、自ずと児童向けの文章に仕上がります。亀井先生の「原文を大切に」という教えが、頭のなかに刻み込まれているおかげだと思います。
翻訳は訳せば訳しただけ上達します。私自身、実務翻訳の仕事を始め、量をこなすことでうまくなった部分があると思っています。自分がやりたいものだけに執着するのではなく、「何でも訳す」というスタンスで勉強してみるのも1つの方法です。
初仕事は先生にいただいた下訳がきっかけでしたし、図鑑の翻訳は先生が紹介してくれた編集プロダクションから請けています。先生には感謝の念しかありません。さらなる夢はフィクションを訳すこと。仕事の調整には苦慮しますが、これからも実務翻訳と出版翻訳の両方で頑張っていきます。