創立1975年 翻訳の専門校 フェロー・アカデミー Fellow Academy
  • facebook
  • twitter

言葉のチカラ

藤村能光(Yoshitmitsu Fujimura)
企業メディア編集長

プロフィール

サイボウズ株式会社 コーポレートブランディング部 サイボウズ式 編集長。Webメディアの編集記者としてキャリアをスタート。エンタープライズITやビジネスパーソン向けメディアの運営に携わる。2011年より、サイボウズ株式会社で無料グループウェア「サイボウズLive」のマーケティングを担当。2012年5月、自社メディア「サイボウズ式」の立ち上げに参画し、2015年1月より編集長を務める。一貫して言葉を使って人とコミュニケーションをする仕事に従事している。

言葉とはチームワークそのものだ。

サイボウズは「世界中のチームワーク向上に貢献する」会社で、グループウェアと呼ぶソフトウェアを開発している。「グループウェアを売る会社」から「チームワークに貢献する会社」に変わったのは、ビジョンを再考し、言葉で再定義したからだ。

チームで使うグループウェア上で一番共有されるのは、言葉である。チームの目的、メンバー同士の議論、コミュニケーション……。チームが同じ方向を向いて進むために、言葉はなくてはならないものとなる。

自社メディア「サイボウズ式」では、今必要とされているチームワークや働き方を提案していきたい。運営する私たちも、まだその答えにはたどり着いていない。だから、多くのチームの声を聞き、働き方を取材し、言葉をつむぐ。世に出したコンテンツを通じてすぐに反響が届く。言葉がなければ、サイボウズ式は成り立たない。


言葉がなければ、現象を知覚・認識できない。言葉があるからこそ、物事を考えられるし、人とコミュニケーションができる。チームは、言葉によるコミュニケーションなしでは前進できない。ふとした会話が、日々の生活や仕事に彩りを与えてくれる。

言葉は難しい。ちょっとした言い回しの違いで、人を幸せな気持ちにも不快な気持ちにもさせる。特にオンライン上でやりとりする言葉には、ねぎらいや感謝の気持ちを込めるように努める。字だけでは伝わりにくい「感情」を伝える言葉こそ、チームには不可欠だと思っているからだ。

言葉は人の感情を突き動かすものだ。感動、悲哀、共感……。誰もが無意識に言葉を使い、言葉を欲し、言葉によって満たされる。


「あなたの日記を読んで、泣いてしまった」──。

学生時代、ある知人がかけてくれた言葉である。私が就職活動を始めた当初はやりたいことが見つからず、何が向いているのも分からなかった。就職活動は一度失敗してしまい、ただただ無能さを感じる日々だった。

そんな鬱屈した思いを、SNSの日記につづっていた。書きたいから、ただ書きつづけた。それを見て、感動したと言ってくれた人がいた。かけてもらった言葉は、自分のために書いた言葉が誰かにとっての価値に変わっていたことに気づかせてくれた。

「言葉を使って誰かを動かす仕事なら、自分でもできるかもしれない」──。そこからメディアの編集記者になり、今はマーケティングに従事している。共通点は「言葉を使って人とコミュニケーションする仕事」である。

これらの言葉の原体験が、いまもなお私を突き動かしている。

藤村能光さんの関連サイト