リーディング講座

客観的な視点と、簡潔な文章構成力を養う

出版翻訳者のデビューのきっかけになることが多い「リーディング」。
原書を読んでシノプシスを作成する「リーディング」を実践的に体験し、ジャンルに応じたシノプシスの作り方や心構えを学んでいきます。

こんな方におすすめ

  • いち早い出版翻訳者デビューを目指す方
  • 効果的な「リーディング」のスキルを身につけたい方
  • 自分で出版社に持ち込みたい作品がある方
受講期間 各4カ月
受講料 各28,080円(税込)

リーディングとは?

出版翻訳家を目指すなら必ず身に付けたい「リーディング」スキル

リーディングとは、原書を読んで、そのあらすじや感想・批評などをシノプシスとしてまとめる仕事。
この「シノプシス」は、出版社が海外の著作物を日本で出版するか否かを判断する重要な資料となりますので、内容を正確にまとめることはもちろん、マーケットを意識した視点も求められます。原書を読み、人に読ませる文章を書くという面では翻訳と同等の力が必要なため、リーディングをきっかけに翻訳者としてデビューするというケースも少なくありません。また、デビュー後もリーディングを依頼される機会は多く、出版翻訳家にとって避けて通れない道です。

編集者に聞く

翻訳者ネットワーク「アメリア」の協力会社でもある角川書店の編集者に「リーディング」という仕事についてうかがいました。

当社は複数の著作権エージェントと取引をしていて、海外で人気のある本や脚光を浴びそうな新作情報を定期的に送ってもらっています。送られてくる作品数は時期によってまちまちですが、リーディングを依頼するのはそのうちの3割くらいでしょうか。わたしたち編集者は、納められたシノプシスを読み、月2、3回開かれる検討会で、どの本を翻訳・出版するか話し合います。とにもかくにも一番大事なのは、その作品の意図をきちんと読みとって、まっすぐに伝えてくれることですね。
最近は、海外でも若い作家の活躍が目立ってきています。そういう作家の作品は同世代の訳者さんに翻訳してもらいたいと思っていますので、若い新人翻訳家が出てくるのを期待しています。普段からいろいろなジャンルの本を読んで評価する力、感性を養ってください。リーディングはそういった意味でも翻訳の力をつけるのに役立つはずです。

講座の特徴

プロの経験を反映させたテキストでリーディングの要点をつかむ

この講座では、「ミステリー」「ノンフィクション」「ロマンス」「児童文学」の、4ジャンルから希望のジャンルを選択し、リーディングの仕事をするために知っておくべきこと、原書の読み方やシノプシスのまとめ方など、リーディングの基本を学ぶことができます。
テキストは、各ジャンルで活躍するプロの翻訳家が執筆。体験に基づいたアドバイスが満載なので、そのジャンルを専門にするなら押さえておきたい有名作品の紹介や、その作品の文学史における位置など、ジャンルごとのポイントを掴むことができます。

2冊の原書のシノプシス作成に取り組み、リーディングを体験する

どのジャンルも2冊の原書に挑戦していただきます。1冊めは比較的読みやすく分量の少ないもの、2冊めは内容の濃い本格的な作品です。
原書を読み、出版市場を調査し、時間配分を考えながら締切までにシノプシスを作成・提出することで、実際の仕事を意識して学習することができます。

各ジャンルの課題作品(原書)の内容

ミステリー

原書1(277頁) 米国の人気探偵シリーズ。次々と起こる殺人事件、思い当たる犯人は刑務所にいるはずの男だった。
原書2(410頁) 住む者を不幸にする英国の館を舞台に、錯綜する謎を描いたオカルティック・ミステリー

ノンフィクション

原書1(115頁) 「なくした物の探しかた」をユーモアたっぷりに教えてくれるhow to本
原書2(334頁) 穏やかな気分で働くための、ストレスに勝つ「考え方」「行動」が書かれた啓発本

ロマンス

原書1(184頁) かつて恋人だった二人が、苦難を乗り越えながら愛を再燃させていくロマンチック・ラブストーリー
原書2(210頁) プレイボーイの侯爵が知的で美しい娘と出会い、真実の愛に目覚めるヒストリカル・ラブロマンス

児童文学

原書1(153頁) 様々な苦難に立ち向かいながら、旅を通して成長する兄弟の姿を描いた感動作
原書2(214頁) ある日突然「おとぎ話」の世界に迷い込んだ家族の絆を描く、ファンタジー小説

■講座情報

受講期間
4カ月(サービス延長期間なし)
※複数ジャンルの同時受講もできます。
※本講座の受講は、Eメールアドレス、Microsoft WordもしくはWord形式で保存できるワープロソフトを所有し、基本操作ができることが条件となります。
添削
2回(担任トレーナーによる指導)
※Wordのコメント機能を使って添削したシノプシスデータをマイページ上で返却します。
受講料
各ジャンル 26,000円(税込 28,080円)
※毎月25日までのお申込みで、翌月から受講スタート
教材発送
初回一斉発送
(初回教材の発送は、お申込みより約1週間後)
修了規定
全課題提出で修了証書を発行
執筆講師
ミステリー/ 越前 敏弥   ノンフィクション/ 夏目 大
ロマンス/ 中谷 ハルナ   児童文学/ こだま ともこ

執筆講師の声

リーディング力をつける意味

ピンと来ないもしれませんが、「リーディング」とは、原書を読み、その内容を紹介する資料(レジュメ、シノプシスと呼ぶ)を作成する仕事です。それを基に、編集者は出版するか否かを判断します。新人には「まずリーディングを」と言われることも多く、リーディングで認められ、実際に翻訳家デビューをしている人もいます。また、私の講座には、自分で見つけた原書の翻訳企画を出版社に持ち込み、実際に翻訳書を出すことができた、という受講生が複数います。その際、決め手となったのは、やはりリーディングの力、レジュメを作成する能力です。自分の仕事を自分で作れる、受け身で他人に選んでもらうのを待つのではなく、自分で道を切り拓ける、それがリーディングの一番の利点でしょう。また、リーディングの力があれば、翻訳も必ず良くなります。是非、多くの方に学んでいただきたいと思います。
■「ノンフィクション」執筆講師/夏目 大

添削トレーナーから

ジャンルの特徴を掴み、作品の魅力が伝わる工夫を

シノプシス作成には、訳すのとはまた違う難しさがあります。数百ページの作品をたった数ページのあらすじにまとめるには、文章の構成力が必要ですし、的確な批評をするには、客観的な視点で作品を読む力も必要です。また、児童文学のリーディングでは、「日本の子どもはどう思うだろうか?」という点がとても重要になります。それには普段から最近の子どもの本の傾向や、子どもの好みをつかんでおく事が大切です。
あらすじもただ簡潔にまとめるのではなく、作品の雰囲気を出すようにします。子どもが好きそうなエピソードが出てきたのなら、それを盛り込んだり、対象にあわせた文体であらすじを書いたりするだけでもぐっと雰囲気が出ます。工夫のしがいがあるのでとても面白いですよ。
■「児童文学」添削トレーナー/府川 圭子

テキストサンプル/学習の進め方

  • 1.テキストを読む

    ジャンルの特色や歴史、対象読者、またそのジャンルのシノプシスに書くべき内容を理解します。

  • 2.原書を読み、シノプシスを作成し、提出

    1冊目の原書を読み、「リーディングハンドブック」を参考にしながらシノプシスを作成します。

  • 3.添削結果と参考シノプシスで復習

    文章構成がしっかりしているか、必要な情報が漏れていないか、客観的に書けているか、などをチェックします。

  • 次の課題に挑戦。
    トレーナーからのフィードバックを活かして
    全課題の提出を目指しましょう。

お申し込み方法

  • STEP1.お申込み

    講座のお申込みはお申込みフォームから行えます。

  • STEP2.お申込みから約1週間で教材が届きます

    お申込みから3営業日以内に、教材と受講料のお支払いに関するご案内をお送りいたします。
    ※海外生は受講料の入金が確認できてから教材をお送りします。

  • STEP3.受講料のお支払

    事務局よりお送りした納入案内にしたがって、受講料をお支払いください。

    支払方法
    ○振込:一括払い
    ○クレジットカード(Visa/Master):1回/2回/ボーナス一括払い

    到着後、8日以内に受講料をお支払いください。 Web申込でクレジットカード払いを選択された場合、お申込み時にご登録いただ いたカード情報に基づき手続きいたします。

リーディング講座 受講生の声

テキストは、プロならではの視点とアドバイスが添えられていて、読むだけで多くのことに気づかされました。

仕事のチャンスが訪れるのは、翻訳よりもリーディングのほうが先かもしれないと考え、受講を検討しました。テキストには、リーディングという仕事の役割、シノプシスの概要/形式など、押さえておくべき基本事項のほかに、限られた時間のなかでの原書の読み方、作業の進め方など、プロならではの視点とアドバイスが添えられていて、読むだけで多くのことに気づかされました。さらに添削では、ただ直されるのではなく、「ここはうまく書けている」、「ここはもっと○○を意識して」といった具体的な指摘をいただけたので、「何を書くべきか」、「何を伝えるべきか」、「何を削るべきか」という基本姿勢と勘所を感じ取ることができました。
受講後は、リーディングスタッフの求人に応募する勇気を持つことができ、仕事につながりました。原書の個性や編集者のニーズを考え、迷いなく文章をまとめることができるのは、この講座で学んだ土台があるからだと思います。

<久保 尚子さん>
大学時代に理学部で得た知識を活かし、サイエンス、メディカル関連の実務翻訳に携わっている。一方で出版翻訳家としても活躍中。主な訳書に、『「自助論」の教え』(PHP研究所)、共訳書『お金と富の哲学 世界の名著50』(日本実業出版社)など。

プロのシノプシスと自分のものを比べてみることは何より貴重な体験でした。

翻訳の学習を始めてからまだ日が浅かったので、短い作品や抜粋した文章にしか取り組んだことがなく、短期間に原書を読んで内容をまとめられるかどうか不安もありましたが、出版翻訳を志すなら必須のスキルだと思い、やってみることにしました。
はじめは、わからないことだらけでしたが、疑問に思ったことを書き添えて提出したところ、トレーナーの方がひとつひとつ質問に答えてくださり丁寧に添削していただきました。実際にシノプシス作成を体験し、評価やアドバイスを受けられたこと、またプロのシノプシスと自分のものを比べてみることは何より貴重な体験でした。リーディングという仕事では1~2週間ほどで原書を読んでシノプシスにまとめますが、それは翻訳する際にまず全部を読み、全体を捉える力にもなります。
講座を修了したことで勇気が湧き、トライアルに合格してリーディングの仕事もさせていただき、翻訳のチャンスにもつながりました。

<元井 夏彦さん>
大学卒業後、クロアチア、チェコに留学。留学中に児童文学の世界に魅せられたことをきっかけに、帰国後、フェローで学習を開始。「児童文芸」「こだまゼミ」受講後、「こだま特別ゼミ」にてこだまともこ先生に師事。主な訳書、共訳書に『ポケットのなかの東欧文学』(成分社)、『ピアノマニュアル』(ヤマハミュージックメディア)など。
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