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今号は、通信講座 マスターコース「実務×出版」の講師を務める木下裕子氏のインタビューをお届けいたします。実務翻訳と出版翻訳の両方の分野で活躍する秘訣とは?
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木下 裕子>(きのした・ゆうこ)
大学卒業後、2年間翻訳講座で実務翻訳を学び、実務翻訳者として仕事を始める。ドイツ留学を経て、1995年よりフリーランスの翻訳者に。1997年に『天使の灰の中から』を共訳で出版し、以来出版翻訳も手がける。訳書には、『わかってるようでわかってない科学の基礎知識』(大和書房)、『ちょっと困ったおるすばん犬と幸せに暮らす本』(講談社)などがある。2005年に有限会社ラヴィアンポーズ設立。幅広いメディア制作も行う。

 
★趣味は犬!また、特技は犬のご飯を作ること。毎食、手作り。犬のご飯レシピ本が書けるほどのレパートリーがあります。
★仕事と犬とどっちが大事? と比べるものではありませんが、犬に「遊んで」と言われれば、もちろん仕事の手は休めます。
★仕事をする時間帯は時代と共に変化して来ましたが、最近は朝型です。締め切り前日に深夜までするのではなく、早く寝て、3時に起きて朝までに仕上げるほうが効率的です。
★ストレス解消法は・・・・・・ というよりもストレスを溜めないように気をつけています。気の置けない仲間と明るく愚痴を言い合う時間は大事ですね。
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――翻訳者を目指したきっかけは?
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 小さい頃から本が好きで、文章を読むこと書くことが好きでした。中学高校はカトリック系で英語教育に力を入れている学校だったので授業で英文を書く機会も多く、日本語同様、英語で書くことも好きになりました。
 ですから将来は書くこと、英語を使うことを仕事にしたいという思いがありました。大学を卒業時しても一般企業に就職する気になれず、何か手に職を付けたいと思ったときに、英語が好き、書くことが好きというところから翻訳の勉強をしようと思い立ち、アルバイトをしながら翻訳者養成講座に2年間通い、実務翻訳を学びました。

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――2年間学んだ後、実務翻訳の仕事に就いたのですか?
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 そのスクールは通訳翻訳サービスも行っていて、毎年卒業生の中から1名程度はその翻訳室に入ることができるのですが、その年は私が入ることになり、翻訳者として実務翻訳に携わりながら、スクール講師の仕事もするようになりました。
 
 ただ2年ほど勤めた後に家族の都合でドイツに住むことになり、その間はしばらく翻訳から遠のいていました。せっかくのチャンスですから再びドイツ語を勉強して、フランクフルト大学の留学生試験を受験しドイツ語学科に入学しました。
 その後、日本に戻ってフリーランスで実務翻訳の仕事を始めたときは、ドイツ語の翻訳も依頼があれば受けていました。やはり英語ほど需要はなく、自然と英語のみにシフトしていきましたが。

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――その後、出版翻訳家としてもご活躍されていますね。どのようにしてチャンスを掴んだのですか?
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 小さい頃から本が好きだったので、出版翻訳もやってみたいという気持ちはずっと持っていました。とはいえ、実務翻訳も面白いですし、実績を積んできていましたので、出版系に完全にシフトするつもりはなく、いつか出版もできればいいなと思っていました。
 
 そんなとき翻訳雑誌で偶然、書籍の下訳者募集の記事を見つけたんです。当時、古代文明ブームの影響で『神々の指紋』(グラハム・ハンコック著、翔泳社1996年刊)という本が大ベストセラーになっていました。その翻訳者である大地舜さんの下訳の募集で、応募したところ幸いにも採用になりました。最初は下訳とのことでしたが、『天使の灰の中から』(アンドルー・コリンズ著、翔泳社1999年刊)の下訳をしたときに、問題はないようだから、あとは直接出版社とやりとりをして仕上げてほしい、ということで、下訳ではなく共訳になりました。これが私の出版翻訳デビューとなったのです。

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――現在は、実務翻訳と出版翻訳の両方の分野をバランスよくこなしていらっしゃますね。
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 実務翻訳も出版翻訳もどちらも好きですね。書籍1冊の仕事が入ると多少実務の仕事をセーブしたりはしますが、今後も両方ともやっていきたいと思っています。
 それに、どんな業界・仕事にも言えることなのですが、常に安定している分野はありません。例えば今は出版不況なので出版翻訳だけでは収入面でも厳しいと思いますが、実務翻訳もしていれば収入面でも安定する可能性がでてきます。
 
 加えて、私は翻訳だけではなく、ライターの仕事も始めました。あるとき、「ある技術に詳しいライターを探しているのだが、見つからなくて困っている」という話を友人から聞きました。実務翻訳の仕事を通してその分野には多少知識があったことから「それなら私にもできる」と引き受けて、以来ライターの仕事も増えていきました。翻訳者は調べものをよくして専門知識がどんどん増えていくので、ライターとして執筆をする、ということにも向いていると思ってます。
 翻訳業、ライター業など複数の仕事をしていると、さまざまな世界を覗ける、自分の知識が広がる、というところが楽しいですね。変化に富んでいて、退屈することがありません。

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――マスターコース「実務×出版」をご担当されますが、どのような講座になるのでしょう?
トラマガ

 全6回の課題では、実務と出版から半分ずつ両方の課題を出したいと思っています。分野が違えども、翻訳本来の面白さとして、適切な訳文をアウトプットすることの楽しさ、むずかしさをわかっていただきたいと考えています。分野が何であれ、常に情報を発信する側と情報を受け取る側を意識した適確な翻訳ができるようになれば、それは翻訳者として強みになります
 
 課題の添削でポイントとするのは、日本語の選択です。私自身、翻訳する際に常に意識していることですが、この文章の中で一番ぴったりの日本語かどうか、それを探す作業が必要になります。どんな文章にも、絶対に気をつけなければならないキーとなる単語がいくつかあります。そこをどう訳すか。それには、その人の持っている引き出しの数が試されることになります。語彙や知識という引き出しの数を増やすこと、その中から最適な表現を引き出してくることが、どの分野においても共通する“翻訳者”として大切な能力ですから。
 講座では私自身が経験した実例を示しますので、それを参考に理解していっていただければと思います。

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