実務基礎(オンライン授業)

英語と日本語の発想の違いを理解しながら、実務翻訳のあらゆるジャンルに欠かせない3C(Clear:明快、Correct:正確、Concise:簡潔)の翻訳技法を習得します。

こんな方にお勧めです

  • はじめて実務翻訳を学ぶ方
  • 実務翻訳の基礎を身につけたい方

実務基礎(オンライン授業)

受講期間
2020/6/2~2020/8/25(火曜・毎週×12回)
受講料
137,500円(税込)
時間
19:00~21:00(120分)
定員
6名
修了規定
全授業回数の7割以上出席で修了証書を発行
教材発送
申込締切から2営業日以内に発送
申込締切
5/22
受講に必要なもの
●「Zoomアカウント(無料)」と「マイク・カメラ機能のあるPC/スマホ/タブレット」
下記ページ【PC、Mac、Linuxのシステム要件】または【iOSとAndroidのシステム要件】でデバイスの動作環境をご確認ください。
「Zoom公式サイト」ヘルプセンター
スケジュールPDF

受講生 仕事のサポート

翻訳会社セミナー
翻訳会社の方を招き、実務翻訳の仕事の種類と需要、トライアル(*)の評価基準と登録後の仕事の流れ、報酬などお話するセミナーです。
(*)主に翻訳会社が、翻訳者採用のために選考方法として行う試験のこと。

翻訳支援ツール基本操作講習
IT分野を中心に、メディカルやビジネス分野でも活用されている翻訳支援ツール。「SDL Trados Studio」や「Memsource」といった、代表的な翻訳支援ツールの基本操作を習得できます。

英語と日本語の発想の違いを理解する

実務翻訳で必要なのは「内容を正しく論理的な言葉で説明する力」。
そのためには、英語と日本語の文章構造や論理的表現スタイルの違いを理解し、その言語にあわせて表現する必要があります。
ポイントとなるのは「動詞」。この講座では「動詞の働き」に着目しながら文章全体の意味を掴み、実務翻訳の基本と言われる「3C=明快(Clear)、正確(Correct)、簡潔(Concise)」で訳す手法を学びます。
この手法をマスターすればどんなジャンルにも対応でき、長い文章や複雑な文章も、自然に訳せるようになります。

動詞の「働き」とは

テキスト『BETA』では、実務翻訳で頻出する動詞で、自然に訳しにくい動詞を中心に集めています。
たとえば、cause,result in,lead to,mean……、
一見難しくなさそうですが、理解しておかなければならないのは「働き」です。
上記の動詞には、主語と目的語を「原因と結果」という≪因果関係≫で結ぶ働きがあります。

次の文を訳してみましょう。

Poor service will cause customers to go elsewhere.

causeを辞書どおり「引き起こす」と置き換え、「悪いサービスは客が他に行ってしまうのをひき起こす」と訳すと、意味は通じますが少し不自然です。
このcauseは、上で述べたとおり主語と目的語を≪因果関係≫で結ぶ働きがありますので、「~によって……なる」のように、原因と結果が明確になるように訳す必要があります。
さらにこの英文は、“Poor service”を主語とした無生物主語の文章です。英語でよく見られる無生物主語は、日本語では主体を「人」に変換したほうが、自然な文章になる場合が多くあります。
下のような接続詞(If)を使った複文にすると、行為の主体は明らかです。

If you give poor service customers will go elsewhere.

ただしこのyouは一般の総称で、具体的な人を指しているわけではないため、訳出しません。

【訳例】サービスが悪いと顧客は別の店に行ってしまう。

このように動詞の「働き」から文章全体を捉えることで、辞書の訳語に引きずられることなく、英語、日本語それぞれの論理表現スタイルにあった訳文が導けるようになります。

全12章で74の表現をマスター。プロにも愛されるテキスト

さらに、各テキストのテーマに沿って整理した「表現ノート」には、全部で74の表現を掲載。「翻訳のヒント」を参考にしながら表現のバリエーションを増やしましょう。
この「表現ノート」は、実際の翻訳の仕事で辞書のように役立てることもできます。

テキスト「BETA」で学ぶ、実務翻訳に頻出する訳しにくい動詞表現

第1章「関係」
「~の結果、~が生ずる」「~を使うことで、~が可能になる」「~するためには~が必要となる」といった複数の事物同士の「関係」を示す表現を学習します。
ここで学ぶ表現は論文、テキスト、新聞雑誌の記事にいたるまでありとあらゆるところで目にするものです。

BETA 1「因果・相関」
cause、result in、lead to、bring about、trigger……

BETA 2「可能・不可能」
enable、permit、allow、facilitate、help、contribute to……

BETA 3「必要・不要」
require、demand、need、involve、assume…
第2章「特徴」
モノや出来事が具体的にどのような「特徴」を持つかを説明する表現を学習します。
「~では~について述べられている」「~は~の役割を果たす」「~には~が組み込まれている」など、事物の情報を伝える表現の幅を広げていきます。

BETA 4「性質・内容」
constitute、present、consist of、illustrate、represent……

BETA 5「機能・役割」
enable、provide、offer、serve、be capable of……

BETA 6「構成・構造」
include、comprise、contain、carry、use、employ……
第3章「現象」
「何が起きているのか」「数量の変化」「モノの移動・流れ」など動的・静的な動きを伝える表現を学びます。
科学論文や新聞・雑誌では頻出しますが、日本の学校英語ではほとんど習わないのが現状です。

BETA7「状態・状況」
see、show、enjoy、suffer、continue、record……

BETA 8「変化・変動」
become、increase、rise、appear、improve、deteriorate……

BETA 9「動作・進行」
travel、move、flow、rotate、turn、progress……
第4章「作業」
人間がモノなどを作ったり、手に入れたり、活かしたり、管理したりする行為を示す表現を学習します。
すべて人間が主体の行為ですが、英語では無生物主語や受動態が多用され、主語が必ずしも人間ではないのが特徴です。

BETA10「作成・入手」
produce、build、prepare、form、create、win……

BETA 11「利用・実行」
apply、spend、use、perform、exercise……

BETA 12「維持・変更」
hold、make sure、change、maintain、avoid……

授業の進め方

テキスト『BETA』の全12テーマを、1回の授業で1テーマずつ進めていきます。

予習
各テーマの説明を読んだ上で「基本例題」と「練習問題」に取り組み、授業4日前までに「課題」を訳して提出していただきます。
授業(オンライン授業)
予習の発表と解説を中心に進めます。ご提出いただいた「課題」は講師が添削してお返しします。
◎授業は録画して授業後に共有します。欠席した方は録画を視聴してください。
市瀬 博基
Ichinose Hiroki

大学講師、企業研修講師、ビジネス書翻訳者。企業文化とマネジメントについて大学で教えるかたわら、コーチングや対話型組織開発手法に関する研修・ワークショップを実施。会社員時代には海外プロジェクト案件を中心に実務翻訳に携わり、その後はフリーランスとして製品マニュアルや調査報告書等の翻訳に関わる。訳書に『なぜ、あのリーダーの職場は明るいのか?』(日本経済新聞出版社)など。

講師からのメッセージ

実務翻訳を行うためにはさまざまな分野の専門知識を身につける必要があります。しかしそれ以上に大切なのは、英語と日本語の発想、つまり状況をとらえる「まなざし」の文化的な違いをしっかりと理解することです。さらに原文が掲載される媒体の性格や対象となる読者の特質などのさまざまな要素を考慮し、できうるかぎりの情報収集を行ったうえで、原文の意味を明快で、正確で、簡潔な日本語に置き換える力です。
私は会社員時代に国際事業部門で実務翻訳に携わり、海外駐在員を経験した後に、大学で文化人類学を学びました。その結果、フリーランスとして実務翻訳に取り組みながら、それまでは当たり前すぎて自分の目には映っていなかった、さまざまな日本語の姿が浮かび上がってくることがとても面白いと感じました。
もちろん達意の文章を練り上げるのは簡単なことではありません。しかしそうした難しさの先にある面白さをみなさんと一緒に探っていきたいと思っています。

独自教材を使用したポイント満載の授業

「実務基礎」は実務分野の翻訳で求められる「明解・正確・簡潔」な表現力を養う講座。オリジナルテキストの『BETA』を使用し、「動詞」に着目する独自のメソッドで実務翻訳の基本スキルを習得する。



この日のテーマは「利用・実行」で、対象となる動詞はuse、apply、adopt、exploit、consumeなど。指名された受講生がテキストの練習問題の訳と「翻訳時に苦労/工夫した点」を発表し、それを受けて講師の吉田晋治先生が訳文を吟味、要点を解説していく。 練習問題の英文はすべて短文だが、吉田先生は動詞の訳し方はもちろん、注意点をすべて拾って丁寧に解説していく。「法案をadoptするのだから、『採用』ではなく『採択』もしくは『可決』です」「A and other Bは『例示』の表現で『AなどのB』と訳します」「train and car ferriesは『電車とカーフェリー』ではなく『鉄道や車を運ぶフェリー』。trainが単数形、ferriesが複数形であることに気づけば、andは形容詞的な意味のtrainとcarを結んでいることがわかります」といった具合だ。



続く「課題」の検討も、練習問題と同じやり方で進められた。仕上げにふさわしく英訳や長文和訳も含まれ、学びの奥行きが増す。吉田先生が「非常に難しい」と評した長文問題は「国際収支統計」に関するもので、理解して正しく訳すにはある程度の専門知識が必要なレベル。英訳問題も含め、中級講座を見すえた出題のように感じられた。



この日、吉田先生が説いた英文読解や訳出のポイントは数知れず。具体的なものがほとんどで、「役立つ知識が増えた」と実感できる授業だった。印象的だったのは、受講生のどんな質問に対しても、理由や根拠を示してしっかり回答する吉田先生の誠意溢れる指導。実務翻訳についてまだよく知らない受講生にとって、これほど心強く、励みになるものはないだろう。



「産業翻訳パーフェクトガイド」(イカロス出版発行)より転載

(Text 金田修宏 photo 今野光)

受講者の声

直訳と意訳のバランスがつかめた

IT翻訳者である兄の影響、また大学で学んだ分子生物学の知識を活かしたいという気持ちから、翻訳者をめざすことにしました。フェローを選んだのは、翻訳の専門校という点に信頼性を感じたためです。
「実務基礎」では翻訳と受験英語との違いを認識させられました。受験英語なら直訳でも正解がもらえます。でも翻訳の場合、すべて直訳調ではダメで、かといって意訳すればいいというものでもありません。「絶対にこう訳す」という場合もあれば、表現の幅が許される場合もあります。そのバランスやコツをつかめたことが最大の収穫。「課題文の8割は簡単に訳せるが、残りの2割で差が出る。その2割のために勉強するんです」という先生の言葉が、勉強する上で大きな励みになりました。
修了後、自分の専門が生かせそうな「メディカル」に進みましたが、無生物主語の訳し方など「実務基礎」で学んだことが役立っています。今後もメディカルの勉強を続け、いずれ翻訳者として独立できればと思っています。

<後藤 晋也さん>
大学で分子生物学を専攻。卒業後に企業に就職するも大学で学んだ知識をより活かすために翻訳学習を始める。「翻訳入門」「実務基礎」を修了し、「メディカル」を受講。

お申込みの流れ
STEP-1
受講お申込み
ページ下部の「お申込み」ボタンよりお申込みください。
※「お申込み」ボタンが表示されない場合は、申込み期間外となります。
STEP-2
手続書類の発送
お申込み後3営業日以内に「契約書面」と受講料のご案内を郵送します。
STEP-3
受講料のお支払いクレジットカード
「振込(一括)」を選択した方は、8日以内に受講料をお振込みください。
「クレジットカード(VISA/Mastercard® 1回/2回/ボーナス一括)」を選択した方は、お申込み時に入力いただいたカード情報に基づき手続きいたします。
STEP-4
教材発送
記載の教材発送日に、教材、予習指示(予習がある場合)をお送りします。

お申込み後の受講の取り消しについて

「契約書面」をお受け取り後、8日以内はクーリング・オフが可能です。
クーリング・オフ期間経過後は受講期間終了日前日までに限り、書面の届出をもって、将来に向かって中途解約を行なうことができます。 中途解約が役務提供開始前(開講日前日まで)の場合、受講料の20%(ただし15,000円(法定の金額)を上限とする)の解約手数料をお支払いいただきます。
受講料をお支払い済みの場合は、解約手数料と振込手数料を差し引いた金額を返金いたします。 役務提供後は、すでに経過した授業回数から、法定に基づいた精算方法により算出し、解約手数料と振込手数料を差し引いた金額を返金いたします。
※クレジットカードのボーナス一括払いをご利用になられた場合は、決済完了後のご返金となります。