「作品を訳す」という出版翻訳の基本を学ぶ
出版翻訳は、ジャンルによって対象読者や目的が異なるため、翻訳者には著者の代弁者として、適切な語彙や文体を選定し、翻訳するスキルが求められます。
この講座では、フィクション(ミステリー・ヤングアダルト)、ノンフィクション(自己啓発・社会科学)の4つの作品に取り組みます。出版翻訳で重要となるのは、作品(対象読者)にあわせた翻訳。そのために、作品に対する理解をどのように深めるのか、適切な表現はどんな手順で探していくのか、どこに注意して訳さなければいけないか、などといったポイントを取り上げ、はじめて出版翻訳を学ぶ方に向けてわかりやすく解説します。
スクーリングと自習用資料で学びをサポート
受講期間中に1回参加できるスクーリング(無料)で取り上げるのは4作品のうちの1つ、ミステリー。「誰の視点で訳すのか」「話法による訳し方の違い」といった、出版翻訳者なら避けて通れない大きなテーマに触れながら、良質な翻訳とはどんなものなのか深く掘り下げます。
また復習用の資料として、講師による訳例だけでなく複数の参考訳も配付するため、さまざまな訳し方に触れながら「正解」にとらわれず柔軟に考えるトレーニングに活用することができます。
※本講座の課題作品・出題範囲はライブ配信・通学講座「出版基礎」と重複しています。課題量ほか具体的な違いは以下の比較表をご参照ください。
「出版基礎(ライト版)」と「出版基礎」の違い
カリキュラム・学習のポイント
■第1回・第2回 ミステリー:イギリスを代表する作家による中期短編集の一作品
・翻訳における視点の置き方
・キャラクターに応じた会話の訳し方
・情景描写の仕方
■第3回 ヤングアダルト:黒人作家が描く、黒人たちの生活をテーマにしたアンソロジー
・比喩の解釈の仕方
・子どもらしい会話の流れの作り方
・画像検索の活用法
■第4回・第5回 自己啓発:”練習”の大切さとその方法を説く作品
・論理の流れの訳し方
・ノンフィクション作品での表記
・仮定法の訳し方
・リーディングについて
■第6回 社会科学:女性アスリートが抱える、スポーツでの負傷の報告
・あるジャンル特有の言葉を使った訳文の作り方
・時制の表現の訳し方
・読みやすい語順で訳すコツ
学習の進め方①:「受講ガイド」動画を視聴
出版翻訳のジャンル、必要なスキル、仕事について理解します。
学習の進め方②:課題1を翻訳し、提出
課題1はイギリスを代表する作家のミステリー作品。
訳出するのは約300ワード。
登場人物の性格や状況、ストーリ―の流れを意識して翻訳します。
学習の進め方③:添削結果と解説動画で復習
添削内容を確認し、動画を視聴して、翻訳のポイントとなる箇所や訳し方の注意点などを確認します。
学習の進め方④:次の課題に挑戦
トレーナーからのフィードバックを活かして全課題提出を目指しましょう。
動画紹介
受講ガイドと解説動画の一部をご紹介します。