実務基礎(1)

英語と日本語の発想の違いを理解しながら、実務翻訳のあらゆるジャンルに欠かせない3C(Clear:明快、Correct:正確、Concise:簡潔)の翻訳技法を習得します。

こんな方にお勧めです

  • はじめて実務翻訳を学ぶ方
  • 実務翻訳の基礎を身につけたい方

コース概要

講座名
実務翻訳コース初級 実務基礎(1)
受講形式
ライブ配信(授業後、録画を視聴できます)
受講期間
2024/4/23~2024/7/9(火曜・毎週×12回)
受講料
132,000円(税込)
時間
19:00~21:00(120分)
定員
12名
修了規定
全授業回数の7割以上出席
申込締切
3/28
教材について
教材はデータでのご提供です。4/9にメールにてご案内します。
受講に必要なもの
●受講にあたって、Eメールアドレス、Microsoft WordもしくはWordファイルに対応したソフトを所有し、基本操作ができることが条件となります。
●「Zoomアカウント(無料)」と「マイク・カメラ機能のあるPC/スマホ/タブレット」が必要です。デバイスの推奨環境等はこちらの【システム要件】でご確認ください。
説明会
講座の内容や仕事のサポートについて紹介いたします。ご予約はこちら
スケジュールPDF

同講座の他クラスはこちら

初級実務基礎(2)

期間
2024/4/27~2024/7/20(土曜・毎週×12回)
時間
10:00~12:00(120分)
講師
青山 万里子先生
講座詳細はこちら

受講生 仕事のサポート

身につけた翻訳スキルを仕事につなげるためのさまざまなサポートをご用意しています。この講座の受講生は無料でご利用いただけます。

翻訳会社セミナー
翻訳会社の方を招き、実務翻訳の仕事の種類と需要、翻訳者採用を決めるトライアルの評価基準と登録後の仕事の流れ、報酬体系などをお話するセミナーです。

翻訳支援ツール基本操作講習
IT分野を中心に、メディカルやビジネス分野でも活用されている翻訳支援ツール。代表的な翻訳支援ツール「Phrase」の基本操作を実際に体験しながら習得できます。

お申込み

学習内容

英語と日本語の発想の違いを理解する

実務翻訳で必要なのは「内容を正しく論理的な言葉で説明する力」。
そのためには、英語と日本語の文章構造や論理的表現スタイルの違いを理解し、その言語にあわせて表現する必要があります。
ポイントとなるのは「動詞」。この講座では「動詞の働き」に着目しながら文章全体の意味を掴み、実務翻訳の基本と言われる「3C=明快(Clear)、正確(Correct)、簡潔(Concise)」で訳す手法を学びます。
この手法をマスターすればどんなジャンルにも対応でき、長い文章や複雑な文章も、自然に訳せるようになります。

動詞の「働き」とは

テキスト『BETA』では、実務翻訳で頻出する動詞で、自然に訳しにくい動詞を中心に集めています。
たとえば、cause,result in,lead to,mean……、
一見難しくなさそうですが、理解しておかなければならないのは「働き」です。
上記の動詞には、主語と目的語を「原因と結果」という≪因果関係≫で結ぶ働きがあります。

次の文を訳してみましょう。

Poor service will cause customers to go elsewhere.

causeを辞書どおり「引き起こす」と置き換え、「悪いサービスは客が他に行ってしまうのをひき起こす」と訳すと、意味は通じますが少し不自然です。
このcauseは、上で述べたとおり主語と目的語を≪因果関係≫で結ぶ働きがありますので、「~によって……なる」のように、原因と結果が明確になるように訳す必要があります。
さらにこの英文は、“Poor service”を主語とした無生物主語の文章です。英語でよく見られる無生物主語は、日本語では主体を「人」に変換したほうが、自然な文章になる場合が多くあります。
下のような接続詞(If)を使った複文にすると、行為の主体は明らかです。

If you give poor service customers will go elsewhere.

ただしこのyouは一般の総称で、具体的な人を指しているわけではないため、訳出しません。

【訳例】サービスが悪いと顧客は別の店に行ってしまう。

このように動詞の「働き」から文章全体を捉えることで、辞書の訳語に引きずられることなく、英語、日本語それぞれの論理表現スタイルにあった訳文が導けるようになります。

全12章で74の表現をマスター。プロにも愛されるテキスト

さらに、各テキストのテーマに沿って整理した「表現ノート」には、全部で74の表現を掲載。「翻訳のヒント」を参考にしながら表現のバリエーションを増やしましょう。
この「表現ノート」は、実際の翻訳の仕事で辞書のように役立てることもできます。

テキスト「BETA」で学ぶ、実務翻訳に頻出する訳しにくい動詞表現

第1章「関係」
「~の結果、~が生ずる」「~を使うことで、~が可能になる」「~するためには~が必要となる」といった複数の事物同士の「関係」を示す表現を学習します。
ここで学ぶ表現は論文、テキスト、新聞雑誌の記事にいたるまでありとあらゆるところで目にするものです。

BETA 1「因果・相関」
cause、result in、lead to、bring about、trigger……

BETA 2「可能・不可能」
enable、permit、allow、facilitate、help、contribute to……

BETA 3「必要・不要」
require、demand、need、involve、assume……
第2章「特徴」
モノや出来事が具体的にどのような「特徴」を持つかを説明する表現を学習します。
「~では~について述べられている」「~は~の役割を果たす」「~には~が組み込まれている」など、事物の情報を伝える表現の幅を広げていきます。

BETA 4「性質・内容」
constitute、present、consist of、illustrate、represent……

BETA 5「機能・役割」
enable、provide、offer、serve、be capable of……

BETA 6「構成・構造」
include、comprise、contain、carry、use、employ……
第3章「現象」
「何が起きているのか」「数量の変化」「モノの移動・流れ」など動的・静的な動きを伝える表現を学びます。
科学論文や新聞・雑誌では頻出しますが、日本の学校英語ではほとんど習わないのが現状です。

BETA7「状態・状況」
see、show、enjoy、suffer、continue、record……

BETA 8「変化・変動」
become、increase、rise、appear、improve、deteriorate……

BETA 9「動作・進行」
travel、move、flow、rotate、turn、progress……
第4章「作業」
人間がモノなどを作ったり、手に入れたり、活かしたり、管理したりする行為を示す表現を学習します。
すべて人間が主体の行為ですが、英語では無生物主語や受動態が多用され、主語が必ずしも人間ではないのが特徴です。

BETA10「作成・入手」
produce、build、prepare、form、create、win……

BETA 11「利用・実行」
apply、spend、use、perform、exercise……

BETA 12「維持・変更」
hold、make sure、change、maintain、avoid……

授業の進め方

テキスト『BETA』の全12テーマを、1回の授業で1テーマずつ進めていきます。

授業前
各テーマの説明を読んだ上で、「基本例題」「練習問題」「課題」を訳す。
「課題」の訳文のみ、授業3日前までに提出。
授業当日
「基本例題」の質疑応答。「練習問題」の訳文を発表してもらい、講師がフィードバック。
その後、添削した「課題」の解説。最後に講師訳例を共有。

担当講師

林みゆき
Miyuki Hayashi

学生時代に英語を専攻。卒業後、一般事務、児童英語講師を勤め、子育て中に通信講座等を利用して実務翻訳を学習し、現在はフリーランスで英日・日英の実務翻訳に従事する。実務翻訳歴は20年以上近く、特に分野を絞らず、様々な分野のビジネス文書の翻訳を手がける。

講師からのメッセージ

実務翻訳で特に大切なことは、原文の情報を正確に伝えることです。例えば、機械の操作マニュアルの誤訳から操作を誤り、大きな事故になるかもしれません。
実際には翻訳者の訳文は様々なチェック段階を経るので、事故に直接つながることはないでしょうが、そのような気持ちで臨むことも大切です。
「原文に忠実に」といわれることが多いですが、それは「直訳する」ことでありません。英語と日本語は性質が全く異なる言語です。
時には正反対でもあり、そのため、直訳では意味が伝わらないことも多々あります。
この講座で、英語特有の表現を日本語らしく表現する(または英訳の場合はその逆の)テクニックを学んでください。
実際には様々なケースがあり、いつもテキストどおりというわけにはいきませんが、基本をしっかり身に付けておけば、様々な状況に対応できる力が養われることでしょう。是非そういったことを意識しながら、学習に取り組んでください。

受講者の声

――課題を訳すだけでなく、先生からの講評やクラスメイトからの指摘などから新たに気づくことがあり、とても参考になった。

――間違えたところを指摘するだけでなくその理由と、どうすればよりよい訳文になるのかを適切に指導してもらえた。

(受講アンケートより)

お申込みの流れ
STEP-1
お申込み
ページ下部の「お申込み」ボタンよりお申込みください。「お申込み」ボタンが表示されない場合は、申込み期間外となります。
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STEP-2
受講料のお支払い
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特定商取引法対象(受講料が5万円を超えるものであって受講期間が2カ月を超える講座)でない講座はご入金後のキャンセルは一切できません。
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■クレジットカード決済:
Visa/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club(ご利用可能回数 1・3・5・6・10回)
※お支払い金額が385,000円を超える場合はクレジットカードはご利用いただけません。
クレジットカード
STEP-3
契約書面の送付(郵送)
特定商取引法対象講座(受講料5万円超かつ期間2カ月超の講座)は、ご登録いただいた住所に契約書面を郵送いたします。
海外在住の方は特定商取引法対象外のため契約書面は送付いたしません。
STEP-4
教材の案内
「コース概要」の「教材について」をご覧ください。

お申込み後の受講の取り消しについて

特定商取引法に基づき、「契約書面」お受け取り後、8日以内はクーリング・オフが可能です。
クーリング・オフ期間経過後は受講期間終了日前日までに限り、書面の届出をもって、将来に向かって中途解約を行なうことができます。中途解約が役務提供開始前の場合、受講料の20%(ただし15,000円(法定の金額)を上限とする)の解約手数料をお支払いいただきます。受講料をお支払い済みの場合は、解約手数料と振込手数料を差し引いた金額を返金いたします。
役務提供開始後は、法定に基づいた精算方法により算出し、解約手数料と振込手数料を差し引いた金額を返金いたします。
※特定商取引法は国内居住者のみに適用され、海外居住者は上記の対象にはなりません。海外居住者が受講途中で国内転居した場合は契約書面を交付いたしますので、事務局にご連絡ください。

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