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【連載企画】合ってる?AI翻訳
<第6回 >AIは見た!? 存在しないはずのユーザー
なんてこと、ありませんか?
AI翻訳は精度が上がり、一見すると自然で合っていそうな訳文を返してくるようになりました。
しかしその“合っていそうに見える感じ”が曲者で、よく読むと原文の意図とは違う方向に解釈されていた──そんな“もっともらしい誤訳”が生まれることがあります。
そこで、翻訳会社カルテモと、当社(アメリア・ネットワーク)が共同で、いろいろな英文をAI翻訳にかけ、翻訳結果の良し悪しを評価しながらポイントを解説するコラムを連載中!
AI翻訳の特性に触れながら、AIとの適切なつきあい方を一緒に考えていきましょう。
原文はこれ!
5 of 10 users are used.
AIによる翻訳結果はこれ!
10人中5人が使用しています。
(使用した機械翻訳ツール:Google 翻訳(ウェブ版))
プロはどう読む? ポイントと解説
短く、一見して単純なこの文は実は完全な誤訳。
原文を直訳すると「10ユーザーのうち5ユーザーが使用されています」となり、この日本語であれば、ユーザー ” 枠 “のはなしであることがおそらく伝わるでしょう。現時点で5人を登録していて、最大は10人であるという、サブスクなどでよくあるやつですね。
本来「使用されている」とすべきところを「使用している」にしたことが、この誤訳の一番の原因ではありますが、「10人中」という表現も誤解を招きます。今実在するのは全部で5人なのに、存在しないはずのプラス5人がすでにいるかのようです。
原文がこの ” 枠 ” という概念をslotsやseatsのようにきちんと表現してくれればよいのですが、実際には今回のように、単にusersで済ませている文は非常に多く見られます。
これがアプリなどの画面上の文言であれば、簡潔さも重要ですから、スラッシュ記号を使うのが最適だったりします。
5/10ユーザーを使用しています。
5ユーザーを使用中、上限は10ユーザーです。
「<第7回>スルスルと読めない「するする」構文?」につづく。お楽しみに!
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