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【連載企画】合ってる?AI翻訳
<第12回 >「白昼の月光」:常識外れなのはAIか人間か
なんてこと、ありませんか?
AI翻訳は精度が上がり、一見すると自然で合っていそうな訳文を返してくるようになりました。
しかしその“合っていそうに見える感じ”が曲者で、よく読むと原文の意図とは違う方向に解釈されていた──そんな“もっともらしい誤訳”が生まれることがあります。
そこで、翻訳会社カルテモと、当社(アメリア・ネットワーク)が共同で、いろいろな英文をAI翻訳にかけ、翻訳結果の良し悪しを評価しながらポイントを解説するコラムを連載中!
AI翻訳の特性に触れながら、AIとの適切なつきあい方を一緒に考えていきましょう。
原文はこれ!
We danced under the influence of the moonshine in broad daylight.
AIによる翻訳結果はこれ!
私たちは真昼間から月明かりの影響下で踊った。
代案:
私たちは真昼間、月明かりに酔いしれて踊った。
真昼間に月光の影響で私たちは踊った。
真昼の光の下で、私たちは月明かりの影響下で踊った。(使用した機械翻訳ツール:DeepL (ウェブ版))
プロはどう読む? ポイントと解説
上のAI翻訳は意味不明で、状況を想像できません。普通、「真昼間」に「月明かり」があるとは言わないため、文の内容が矛盾しているように思えます。実はこの訳文で誤訳されている英単語を単体で同じAIに翻訳させると、この文脈に合った訳語が出力されます。つまり、この文脈に合った語意をAIは知っているも同然なのです。しかし文に組み込まれることによって誤った解釈をしてしまっています。文脈が生まれてむしろ語意を特定しやすくなったはずなのにです。不思議なものですね。AIからすると、文の内容が人間の取る行動として非常識すぎたのかもしれません。
プロなら、こう訳します!
私たちは真昼間から密造酒に酔いしれて踊った。
「<第13回>乗換と語順の魔境」 につづく。お楽しみに!
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