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医療翻訳・医薬翻訳とは?
求められるスキルや取得したい資格について解説!

「医療翻訳分野に参入したいけど、自分でも目指せるのか分からない」
「医療翻訳に興味かあるけど、どんなスキルが必要?」
「医療翻訳は文系からでも目指せる?理系じゃないと厳しい?」


このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では ” 医療翻訳とは何か ” について解説します。
医療翻訳を行う際に求められるスキルや取得したい資格、医療翻訳に向いている人の特徴、などについてまとめました。

本記事を読むことで 医療翻訳とは何かを知ることができ、医療翻訳を目指すうえで何から始めるべきか が分かるでしょう。医療翻訳に興味がある方はぜひ参考にしてください。

 

医療翻訳とは?

医療翻訳とは「医薬品や医療機器に関する翻訳」を指します。医薬翻訳、メディカル翻訳とも呼ばれることがあり、主に、医療研究者や医療行為者、患者、治験対象者が読むための文書を翻訳します。

医療翻訳では医療に関するハイレベルな専門知識が求められます。学ばなければいけない範囲も広いため、医療翻訳を目指すなら医療・医薬の基礎知識を備えることは必須です。実際、翻訳者には大学の医学・薬学やその他理系出身者も見られます。

また、人の命に関わる分野ですので、より慎重な翻訳が要求されます。翻訳した文書は複数人によって厳重にチェックされたうえで納品されます。

医療翻訳の対象となる文書は?

医療翻訳の対象となる文章は次のとおりです。

  • 医学論文
  • 医学書
  • 医学系ジャーナルの記事
  • 学会でのプレゼン資料
  • 医療機器などの取扱説明書
  • 治験実施計画書
  • 新薬のドキュメント
  • 薬の副作用症例報告書

翻訳対象となる文書はかなり幅広いです。医療翻訳に携わる人は、どのような文書の翻訳を任されてもある程度対応できるように、専門知識を蓄えておく必要があります。

医療翻訳と他の翻訳分野の違い

医療翻訳と他の翻訳分野の違いについて解説します。医療翻訳の特徴としては、次の4つが挙げられます。

  • 高度な専門知識が要求される
  • 情報の変化が激しい
  • 何よりも正確性が求められる
  • 表現力や翻訳者の主観は求められない

医療翻訳の特徴を先に把握しておかないと、医療翻訳を目指している間に「想定している仕事内容と違った」ということに気がつき、勉強時間を無駄にしてしまう恐れがあります。医療翻訳を目指すにはかなりの勉強時間を有しますので、「本当に医療翻訳の道に進んで良いのか」をじっくり検討しないといけません。

1つ1つの医療翻訳の特徴について詳しく解説していきます。

高度な専門知識が要求される

医療翻訳は高度な専門知識が要求されるのが大きな特徴です。専門知識がない状態で医療翻訳の仕事を請けるのは困難でしょう。

また、医療翻訳では 専門用語や独自の表現が多く使われます。医療用語はあまり日常生活で聞くことがないものが多いため、いちから勉強する必要があります。医療用語を知らないと当然正確な翻訳ができなくなってしまいます。

翻訳会社でも医療翻訳は専門知識を持った人に依頼することが多いです。

情報の変化が激しい

医療翻訳を行う方は、常に最新の医療知識を仕入れる必要があります。医療分野は情報の変化が激しい傾向があります。新しい知識を取り入れないと、原文を正しく理解することができず、誤訳してしまう可能性があります。

たとえば、薬は新しいものが次々と登場しますし、病気の深刻さや薬の副作用などの評価は短期間で何度も覆ることがあります。

こういった観点からも、医療翻訳は常に知識をアップデートしておかないと難しいと言えるのです。

何よりも正確性が求められる

医療翻訳は情報の正確さが第一に求められます。なぜなら、人の命や安全性に関わる文書を扱うためです。

誤訳したり、表現が分かりにくくて間違って伝わったりすると、大きなトラブルを招く可能性があります。そのため翻訳会社では、情報に間違いがないか2重、3重のチェックを行います。

表現力や翻訳者の主観は求められない

医療翻訳では表現力や翻訳者の主観は求められない点も注意が必要です。小説やエッセイの翻訳では、翻訳者独自の表現力が求められることもあるでしょう。

しかし医療翻訳では、そういったものは基本必要ありません。それよりも、的確かつ分かりやすく情報を伝えることが求められます。翻訳者主観は排除し、事実をありのままに伝えることが重要です。

医療翻訳の需要がある理由

医療翻訳は翻訳分野の中でも安定した需要があります。医療翻訳の需要がある理由としては、次の2つが挙げられます。

  • 経済の影響を受けにくい
  • 治験関連の需要が高い

それぞれの理由について詳しく解説していきましょう。

経済の影響を受けにくい

医療翻訳は他分野に比べて経済の影響を受けにくい傾向があります。たとえ景気が大きく変動しても、医療行為や医療研究が止まることはありません。

治験関連の需要が高い

医療分野の中でも治験関連は特に需要が高い傾向があります。治験実施計画書や治験同意説明書などの文書は、治験を実施するうえで重要であり、翻訳の仕事が多くあります。

翻訳スクールでは、治験翻訳に特化した講座が開かれることもあります。また、治験に特化した資格もあります。こういったことからも治験翻訳の需要が高いことが分かります。

治験翻訳は情報の正確さはもちろん、翻訳スピードも求められます。新薬の開発は早い方が成果を出しやすいため、翻訳家が足を引っ張ることがないようにしなくてはいけません。

医療翻訳に求められるスキル

続いて、医療翻訳に求められるスキルについて解説します。医療翻訳に求められるスキルは大きく分けると次の3つです。

  • ハイレベルな英語力
  • 医学分野の専門知識
  • 規定・ルールに合わせる力

医療翻訳は他分野よりも高度なスキルを求められる傾向があります。必要なスキルをしっかり把握し、計画的に学習していくことが大切です。

1つ1つの求められるスキルについて詳しく解説していきます。

ハイレベルな英語力

医療翻訳はハイレベルな英語力が要求されます。あくまで目安ですが、TOEIC850点が最低ラインと言えます。ここまで解説した通り、医療翻訳は誤訳や分かりにくい箇所があってはいけない分野ですので、際立った英語力がないと医療翻訳を任されることはないでしょう。

翻訳家になるための基礎的な英語力を高める場合、翻訳学校に通うのが一般的です。翻訳学校では先生にいちから教えてもらえますし、翻訳文の添削も行ってもらえるケースもあるため、早く成長することができます。その他、通信講座を利用する選択肢もあります。

医学分野の専門知識

医療翻訳には当然医学分野の専門知識が求められます。具体的には次のような知識が必要です。

  • 薬理学
  • 生化学
  • 治験関連
  • 医療機器

翻訳する文書によって求められる知識が少しずつ異なるので、翻訳家は一通り対応できるように、幅広い知識を備えていることが望ましいです。

この他、医療機器に関する翻訳を行うなら、IT関連の知識もある程度必要です。

規定・ルールに合わせる力

医療業界は「規制業界」とも言われており、研究から製造、販売まで規定・ルールが細かく設けられています。翻訳者もそれらの規定を理解し、書式の形式などを規定通りに整えたうえで納品しないといけません。また、学術論文を翻訳する場合、学術誌別に定められた規定に従わなくてはいけない場合もあります。

医療関連の仕事に携わる方は、多忙を極めている場合も多いでしょう。そのため彼らの手間を極力省けるように、規定を厳守した翻訳文を作成し手戻りを少なくすることが重要です。

医療翻訳に資格は必要?

医療翻訳に携わる場合、資格は必須というわけではありません。資格を取得しなくても、医療翻訳分野で活躍することは可能です。

とはいえ、資格には「知識を体系的に身につけられる」というメリットがあります。ここまで解説した通り、医療翻訳に求められる知識は膨大です。そのため、何から勉強すれば良いか分からなくなる方も多いでしょう。資格の出題範囲に沿って学習することで、医療翻訳を行ううえで重要なスキルを一通り身につけることが可能です。

また、翻訳の仕事を獲得する際にも、資格があった方が有利になる可能性はあります。資格があることで、一定レベルのスキルがあることを証明できます。翻訳を依頼する側としては、スキルレベルが分かる人の方が安心して仕事を依頼できるのです。

医療翻訳を目指すなら取得したい資格

医療翻訳を目指すなら取得したい資格は次の4つです。

  • 日本医学英語検定試験(医英検)
  • 治験実務英語検定
  • JTFほんやく検定
  • 「アメリア」定例トライアル

まずはこれらの資格取得を目指してみることをおすすめします。1つ1つの資格の概要を解説していきます。

日本医学英語検定試験(医英検)

日本医学英語検定試験は、日本医学英語教育学会が主催する検定資格です。日本の医療の国際化を推進する目的で作られました。こちらの資格では、医療翻訳に必要とされるスキルを幅広く身につけられます。

日本医学英語検定試験は、医療従事者や医学部生が多く受験しています。医療翻訳の仕事に就きたい方にも、合致する資格と言えるでしょう。

参考:日本医学英語検定試験

治験実務英語検定

治験実務英語検定は日本CRO協会が主催する資格であり、医薬品開発業務に必要な英語力を高めることができます。

治験実務英語検定は、Basic・Advanced・Professionalの3つのコースに分かれています。医療翻訳の仕事を請けたいなら、Professionalまで到達したいところです。

ここまで解説した通り、治験翻訳は需要が高い分野ですので、優先的に知識を身につけたいです。

参考:治験実務英語検定について | 教育・資格検定 | 一般社団法人 日本CRO協会

JTFほんやく検定

JTFほんやく検定は、日本翻訳連盟による翻訳全般に関わる資格です。医療翻訳に特化しているわけではありませんが、翻訳家としての基礎力を身につけられる点でおすすめです。

JTFほんやく検定は申し込みから受験までオンラインで受けられます。受験科目は、基礎レベルと実用レベルの2つがあります。

実用レベルでは「医学・薬学」分野を選択することも可能です。実用レベルに合格すると、翻訳の完成度に応じて、翻訳士1〜3級の称号を与えられます。

参考:翻訳検定 ほんやく検定 申込受付 : 日本翻訳連盟

「アメリア」定例トライアル

翻訳者ネットワーク「アメリア」が主催し、「仕事として通用するレベル」を審査基準に毎月開催される翻訳の模擬試験です。医療分野では<実務(メディカル)>と<日英メディカル>が用意されています。応募には「アメリア」への入会(有料)が必要ですが、成績優秀者は「クラウン会員」の資格を取得でき、翻訳の実務経験がなくても経験者対象の求人に応募できるチャンスが増えます。

参考:翻訳者ネットワーク「アメリア」の「クラウン会員」制度

医療翻訳が向いている人の特徴

最後に、医療翻訳が向いている人の特徴をまとめました。

  • 医学や薬学の専門知識を保有している人
  • 几帳面に作業をこなせてプレッシャーにも強い人
  • 医療翻訳分野で長く活躍していく覚悟のある人

文系から医療翻訳を目指すことは不可能ではありませんが、正しく翻訳するための専門知識は身につける必要があります。医療翻訳は命に関わるため、より正確な翻訳が求められます。更に、医療分野は規則も厳しく、それに則って翻訳する必要があります。几帳面に作業をこなせることは必須条件と言えます。また、責任が重い仕事のため、プレッシャーとも戦わなくてはいけません。

医療翻訳は高度な専門知識が求められるため、他分野の翻訳と掛け持ちすることが難しいです。そのため、医療翻訳のスペシャリストとして活躍したい方におすすめです。幸い医療翻訳は需要が安定しているため、身につけた専門知識が無駄になる可能性は低いでしょう。

まとめ

本記事では医療翻訳について解説しました。医療翻訳で必要なスキルや取得したいスキルなどがお分かりいただけたかと思います。

医療翻訳は他分野に比べても難易度が高いです。医療に関する専門知識が要求されますし、命にかかわる重大な文書を扱うため誤訳が許されないのが特徴です。医療翻訳を目指すのであれば、この道でやっていくという覚悟が必要になるでしょう。

反面、医療翻訳は需要が安定しており将来性の高い分野です。社会性もあるため、やりがいを感じやすいでしょう。医薬や医療機器などの分野に興味があり、翻訳家としての力量にも自信がある方は、医療翻訳がおすすめです。

最速で翻訳家になるなら翻訳学校がおすすめ

最速で翻訳を学ぶなら、翻訳学校がおすすめです。

翻訳学校であれば専門知識と業界経験を持った講師による指導を受けることができ、学習中の疑問点をすぐに解決できます。
また最適化されたカリキュラムのため無駄がなく、効率的に学ぶことが可能です。

「フェロー・アカデミー」ではライフスタイルやレベルに合わせて講座を選ぶことができ、必要な知識やスキルの習得、仕事獲得までサポートが受けられます。

学校パンフレット(電子ブック)をPDFで閲覧できますので、最速で翻訳家を目指す方はぜひお気軽に資料請求ください。

この記事の監修

フェローアカデミー理事長 室田陽子
フェローアカデミー理事長室田 陽子
学習院女子短期大学卒業後、株式会社サンリオに入社。4年間グリーティングカードの企画に携わる。
その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。

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