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翻訳家になるために資格や試験は必要?
資格を取得する3つのメリット

これは、翻訳家を目指す皆さんが、最初に抱く疑問の一つだと思います。
結論から言うと、資格や検定は必須ではありませんが、取るのもアリ です。
ここではその根拠とともに、細かく説明していきます。
主な翻訳の資格や試験は、どんなものがあるのか?
日本では、通訳の国家資格はありますが、翻訳の国家資格というものはありません。
翻訳の仕事に関連する資格を取得できるのは、大きく分けて2つ。
英語の検定試験 と、翻訳業界の団体が実施している検定試験 です。
※英語の検定試験については、あくまでトライアルや翻訳経験を重視してスコアを応募条件として掲げていない求人も多いですが、掲げている場合の条件は以下のとおりです。
英検
翻訳の求人応募条件として掲げられるレベルは、「準1級」または「1級」が多いです。
特に最難関の1級は、語彙力、読解力、リスニング力、ライティング力、スピーキング力の全てにおいて非常に高いレベルが求められます。社会・経済・文化・科学など幅広い分野のトピックが出題されるため、1級を保持していることは、高度で専門的な文章を扱うための基礎的な英語力があることの証明になります。
TOEIC
翻訳の求人応募条件として掲げられるレベルは、「800点以上~950点以上」が多いです。(満点は990点)
TOEICはビジネスシーンにおける英語コミュニケーション能力を測るテストとして広く認知されています。特にリーディングセクションのスコアは、大量の英文資料を迅速かつ正確に読み解く「情報処理能力」の指標と見なされます。ハイスコアを保持していることは、翻訳において有力な証明となります。
JTFほんやく検定(JTF:日本翻訳連盟)
取扱分野:実務(出題分野:1.政経・社会 2.科学技術 3.金融・証券 4.医学・薬学)
団体に加盟している翻訳会社は約170社あり、実用レベルの1級・2級を取得すると、一部のトライアルで優遇措置を受けることができます。
JTA公認翻訳専門職資格試験(JTA:日本翻訳協会)
取扱分野:実務または出版(対象言語:英語・中国語)
「JTA 公認翻訳専門職」の認定を取得すると、公的な資格証明として使用できます。
知的財産翻訳検定(NIPTA:日本知的財産翻訳協会)
取扱分野:実務(特許明細書など知的財産関連)
1級合格者は日本知的財産協会のホームページに合格者が掲載され、企業からのオファーが届きやすくなります。
また勤務先も記載されるため、弁理士事務所に翻訳者が勤めている場合、事務所自体への依頼件数が増えることも期待できます。
ATA certification (米国翻訳者協会認定資格)
取扱分野:実務(英語と他言語間のペア。日英・英日も含まれる)
米国の翻訳者団体である米国翻訳者協会(ATA)が実施する認定試験です。米国を中心に国際的に広く認知されており、非常に信頼性の高い資格とされています。合格すると「ATA-Certified Translator」として協会の名簿に登録され、グローバルなクライアントや翻訳会社に対して高い専門性をアピールできます。
定例トライアル(翻訳者ネットワーク「アメリア」)
取扱分野:実務(IT・テクニカル/ビジネス/メディカル/金融/特許/日英ビジネス/日英メディカル)
出版(フィクション/ノンフィクション)
映像
翻訳者ネットワーク「アメリア」が独自に実施している定例トライアル(翻訳会社が在宅翻訳者と契約するために実施する試験 “トライアル” の模擬試験)で、優秀な成績を収め “実際の仕事・業務で通用するレベル”と認められた方は、その能力の証として「クラウン会員」を取得できます。
「クラウン会員」になると、翻訳の実務経験がなくても、アメリアwebサイト内の翻訳専門求人サイトに掲載されている求人のうち経験者対象の案件にも応募可能になります。またプロフィール欄に「クラウン会員」である証の王冠が表示されるので、企業・団体からのスカウトの可能性も高くなります。
翻訳実務検定TQE
取扱分野:実務(IT、医学・薬学、金融、特許、法務、広報など)
翻訳会社サン・フレアが主催する、実務翻訳の能力を測る検定です。70点以上を取得すると「翻訳実務士」として認定され、同社に翻訳者として登録することができます。専門分野を選んで在宅で受験する形式で、より実践的なスキルを証明したい場合に適しています。
検定試験の資格を持っている3つのメリット
応募できる求人の幅が広がる!
応募条件に英検やTOEICのスコアが記載されていることがあります。その場合はそれをクリアしていることが必要です。
アピール力のある応募書類を作れる!
応募書類では、自分の売り込む事がとても大事です。
特に駆け出しの頃は、履歴書にかける実績がないことが大きな悩み。履歴書にかけることを1つでも増やすために資格を取るのもアリです。
翻訳力向上に向けて対策をたてやすい!
検定試験を受験すると、自分の今の実力を客観的に数値で確認することができます。目に見える形の目標をもてるのは、モチベーションを保ちやすいですよね。
また、自分の苦手部分を把握して、克服するための対策を具体的に立てることができることは大きなメリットです。
翻訳の資格に関するよくある質問(FAQ)
Q. 翻訳家になるには独学でも可能ですか?
A. はい、独学で翻訳家になることは可能です。しかし、効率的に学習を進め、客観的な実力を証明するためには、本記事で紹介したような資格の取得や、翻訳学校で専門的な指導を受けることが有効な手段となります。
Q. 翻訳の仕事で最も重要なスキルは何ですか?
A. 高い語学力はもちろんですが、さらに重要なのが「日本語力」と「専門知識および調査力」です。原文に書かれた内容についてその背景や意図を、調査含めて十分理解した上で、読み手がスムーズに理解できる自然かつ分かりやすい日本語で再現する能力が、プロの翻訳家には求められます。
まとめ
まとめると… 翻訳の資格は必須ではないが、目指したい分野で有利な資格をとるはアリです。
とはいえ!資格をとるのは時間も努力も必要です。それらが無駄にならないように最初の下調べが重要です。
まずは自分がどの分野を目指したいのかを決め、その分野の求人の応募条件を見てリサーチしましょう。
必要と判断したら資格取得を視野に入れた上で、日本語力を磨くなどの 他の翻訳学習と合わせて優先順位を決めて計画的に学習を進めましょう。
最速で翻訳家になるなら翻訳学校がおすすめ
最速で翻訳を学ぶなら、翻訳学校がおすすめです。
翻訳学校であれば専門知識と業界経験を持った講師による指導を受けることができ、学習中の疑問点をすぐに解決できます。また最適化されたカリキュラムのため無駄がなく、効率的に学ぶことが可能です。
当校の体験レッスン参加者191名に、翻訳学校に通う目的を尋ねたところ、「翻訳の仕事をしたい」が最も多く90%。2位は「英語力アップにつなげたい」(52%)、3位は「現在の仕事に役立てたい」(20%)でした。

同じ志をもった仲間と切磋琢磨し、必要な知識やスキルの習得、仕事獲得までサポートが受けられます。
学校パンフレット(電子ブック)をPDFで閲覧できますので、最速で翻訳家を目指す方はぜひお気軽に資料請求ください。

その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。