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帰国子女は就職に有利?人気の職種や注意したい対策ポイントを紹介
しかし、帰国子女というだけで、就職が有利になるわけではありません。
本記事では帰国子女の経験を生かすためにできる、就職活動の対策について詳しく解説します。また、帰国子女に人気の就職先や利用したい就職支援サービスも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
帰国子女の就職活動対策とは?
グローバル展開している企業が増え、帰国子女としての経験が就職市場でどのように活かせるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。語学力や、異文化に対する理解度、さまざまな国籍の人々とのコミュニケーション経験など、帰国子女の経験は就職活動でもアピールできます。
しかし、帰国子女だからといって就職しやすいかというと、必ずしも有利でないこともわかっています。就職を成功させるための具体的な対策をご紹介しましょう。
日本の大学生の就活スケジュール
日本では、大学生を対象とした企業の採用活動は、毎年3月から始まるケースがほとんどです。3月1日以降、会社説明会が順次開催され、6月頃から本選考や内々定通知などが出はじめます。多くの企業が10月に内定式を行うため、夏休み前に内定をもらう学生が多い傾向にあります。
学生は3年生の3月から本格的に就活をはじめますが、早い人は3年生の夏休みごろから情報収集し、気になる企業のインターンに参加します。
このように日本の大学生の就職活動は早期かつ長期であるため、帰国するタイミングが大学3年の後半や4年であれば、過密スケジュールで就活を行わなければならない可能性があります。エントリーシートの作成や面接対策は、求人情報が解禁される前にはじめておくとよいでしょう。
帰国子女の就職対策のポイント
帰国子女の就職対策のポイントには、いくつかの重要なポイントがあります。海外での経験をアピールするには、自分の強みだけでなく弱みを理解しておくことが大切です。
帰国子女の経験を就職活動で活かすには、次の3つのポイントを確認しておきましょう。
- 自己分析
- 日本語力の向上
- 面接対策
帰国子女の就職対策として、もっとも重要なのは自己分析です。海外の経験を振り返り、そこで得た強みや知識を整理しておくとよいでしょう。語学力やグローバルな視点など、就職後に帰国子女の経験がどう活かせるかも合わせてアピールポイントにするのがおすすめです。
また、就職活動で重要なポイントとして、日本語力の向上があります。英語や他言語が堪能であっても、エントリーシートは日本語で記入するため、正しく読みやすい日本語で書けなければなりません。
書類選考を無事通過した後も、志望企業へどんな貢献ができるのかを面接で伝えることが大切です。面接は企業によって進み方が異なるため、いつどんな質問があっても答えられるように企業分析を徹底しておくとより説得力のある志望動機が伝えられるのではないでしょうか。
帰国子女向けの就職支援サービス
帰国子女の経験を生かして就職活動を行うなら、就職支援サービスの利用がおすすめです。エントリーシートの書き方や面接対策、希望条件との求人マッチングなど、有力なサポートが受けられます。
ここからは帰国子女の方におすすめの就職支援サービスを3つ紹介します。
エージェントサービス
帰国子女向けの就職支援サービスとして一般的なのが、エージェントサービスです。エージェントは、求職者のスキルや希望条件によって、適した求人の紹介や面接対策、エントリーシートの作成アドバイスをしてくれます。
エージェントサービスは日本の就活システムへの理解が深く、海外経験の長い帰国子女の方も就職活動しやすくなるでしょう。また、一部のエージェントサービスでは、帰国子女向けの特別セミナーや企業説明会を開催することもあります。これらのイベントを通じて、帰国子女は自身の経験を活かせる企業と直接交流する機会を得られます。
大学のキャリアセンター
キャリアセンターでは、個別相談や履歴書・エントリーシートの添削、模擬面接などのサービスが受けられます。帰国子女の場合、日本語での自己表現や日本企業の文化理解など、特有の課題に対するアドバイスも得られるでしょう。
また、多くの大学では、OB・OGネットワークを活用した就職支援も行っています。帰国子女の先輩たちの体験談を聞くことで、具体的な就活のイメージをつかむことができます。さらに、企業説明会や業界研究会なども開催されており、これらに参加することで幅広い情報を得ることができます。
就活イベント
就活イベントは、帰国子女が企業と直接交流し、情報を得る貴重な機会です。帰国子女向けに特化した合同企業説明会やキャリアフォーラムが開催されており、これらに参加することで効率的に情報収集ができます。これらのイベントでは、グローバル人材を求める企業が多く参加しているため、自身の強みを活かせる企業を見つけやすいでしょう。
また、オンラインでの就活イベントも増えています。これらは、海外にいながら参加できるため、帰国前から日本の就活情報を得られる貴重な機会となります。ウェビナーや仮想企業説明会、オンライン面接会など、多様な形式で開催されているので、自分のスケジュールに合わせて参加しやすいでしょう。
帰国子女に人気の就職先・職種
帰国子女に人気なのは、やはり高い語学力が活かしやすい業界・職種が多いです。日系企業でもグローバルな環境で活躍できる機会は増えているため、今後も帰国子女としての強みを最大限に発揮できる場が増えていくでしょう。
ここからは帰国子女に人気の業界・職種を紹介します。
グローバル企業
グローバル企業とは、日本だけに留まらず海外にもたくさんの拠点を持っている企業を指します。帰国子女としての在留した地域に拠点がある企業であれば、持ち前の高い語学力や異文化への理解力を存分に活かせるでしょう。グローバル企業は、ITや金融、製造業など、幅広い分野があるのも注目される理由の一つではないでしょうか。
グロ―バル企業の魅力は、なんといっても海外拠点との連携や海外出張など、海外との接点が多いこと。また、グローバル企業の多くは多様性を重視しているケースが多いため、さまざまなバックグラウンドを持った社員とコミュニケーションが取れます。
ただし、グローバル企業で働く際は、高い競争力や成果主義の環境に適応する必要があります。日本の文化と、グローバルスタンダードのバランスを取ることも求められるかもしれません。
外資系企業
グローバル企業に続き、外資系企業も帰国子女に人気の高い就職先です。高い語学力とグローバルな視点を持った人材を積極的に採用している企業が多いため、帰国子女の経験が活かせるでしょう。
外資系企業の魅力は、若くても能力次第でキャリアアップできる可能性が高いところです。成果主義な企業が多く、社内公用語を英語としている企業も多いため、帰国子女にとっては働きやすい環境といえます。
グローバル企業と同じく、外資系企業も業界が幅広く、金融やメーカーなど業界もさまざま。どの業界でも、世界中のクライアント、顧客とやりとりするため、帰国子女の経験で身についた国際感覚が活かせるでしょう。
一方で、外資系は日本の文化やビジネスの慣習などの違いに、戸惑うこともある可能性があります。外資系企業は帰国子女の経験が活かせる可能性も高いですが、価値観の違いなどに苦労するリスクも考慮しておきましょう。
通訳・翻訳職
通訳・翻訳は、帰国子女の語学力が発揮できる職種として、人気があります。どちらも語学力の高さと異文化への理解力、柔軟な思考力が求められるため、海外で過ごした強みが活かせるでしょう。
通訳と翻訳はどちらも異なる言語のコミュニケーションを橋渡しする職業ですが、仕事の内容は大きく異なります。
- 通訳:国際会議や商談などの「音声情報」を日本語に変換して伝える
- 翻訳:本やビジネス文書など「文字情報」を日本語に変換して伝える
同時通訳や逐次通訳など、発言者の言葉をその場で変換するのが通訳の仕事です。情報を素早く伝えることが求められるため、変換の正確さよりも通訳の速さが必要です。一方、翻訳は本やビジネス文書などの文字情報を扱うため、、正確さや読みやすさが求められます。
近年、AI技術を使った通訳・翻訳シーンが増えていますが、専門的な内容や細かなニュアンスを伝えるには人間の力が必要です。
関連記事:翻訳と通訳の違いとは?業務の種類や求められるスキルについて解説
国際機関やNGO
国際機関やNGO(非政府組織)は、一般的な企業とは異なるグローバルな視点と多様性を重視する組織です。帰国子女の経験で身につけた国際的感覚と語学力は、環境保護や教育支援など、国際的な課題解決に向けた活動に大いに役立つでしょう。
国際機関、NGOで働くメリットは、多様性に優れた環境と現地でのフィールドワークが多いことです。世界中の専門家と共に課題解決に向けて活動を行うため、専門的な知識も身につきやすい環境でもあります。
しかし、民間企業と比較して給与などの待遇が低いケースや、そもそも採用数があまり多くないというデメリットも。住環境を提供してもらえる団体もありますが、勤務条件はよく確認しておいたほうが良いでしょう。
国際機関やNGOで働く場合は、これまでの経験や関連分野でのインターンシップなどから自分の価値観を見つめ直すのも大切です。ボランティアとしてでなく、仕事としてプロジェクトに関わりたい理由を見つけておくと就職活動でも自己アピールしやすいでしょう。
帰国子女が就活で注意すべきポイントは?
帰国子女は堪能な語学力と魅力的な経験があるため、自己アピールしやすいです。しかし、誤った自己アピールは、どんなに良い経験であっても、マイナスアピールになってしまいます。
ここからは帰国子女が、就職活動で注意しておきたいポイントを3つ紹介します。
語学力以外のアピールポイントを見つける
帰国子女には高い語学力を持っている方が多いですが、就職活動にはその他のアピールポイントも必要です。特に英語力は、強みにはなりますが、帰国子女でなくても得意な学生が多いため、アピールポイントとしては少し弱くなりやすいでしょう。
英語以外のアピールポイントを整理するなら、以下の経験がいかせないか確認してみましょう。
- 現地でのフィールドワーク
- 研究プロジェクトへの参画経験
- 異文化交流で得た知識
実際に海外経験で培った能力を具体的に整理できると、帰国子女の経験をどう活かしていきたいのかがはっきりします。日本と海外のグローバルな視点を持った人材は、グローバル企業はもちろん、日系企業でも重宝されます。両面性が現れた出来事があれば、積極的にアピールするとよいでしょう。
また、第三言語を習得している場合は、学習を通じて得た経験と共にその言語知識もアピールするのがおすすめです。
自己主張を控えめにマナーを意識する
帰国子女の方に多いのが、自己表現力に長けているものの、アピールの仕方によって「自己主張が強い」「協調性がなさそう」と日本の企業にマイナスな印象を与えてしまうケースです。海外では積極的なグループディスカッションなど、積極性が評価されやすいですが、日本ではチームワークや周囲への気遣い、助け合う姿勢が評価されることが少なくありません。自身の成果や実力をアピールする際も、「周囲の協力を得てプロジェクトを成功させた」と伝えたほうが好印象に映るかもしれません。
また、面接時も対話を意識して、適度な間合いをとりつつ、面接官の話を聞く姿勢が求められます。アジア圏へ留学、在留していた場合は日本よりも高い年功序列が身についているかもしれません。しかし、欧米など積極性が求められる環境にいた帰国子女の方は、能力主義である可能性が高いです。
自己表現は日本でも必要であり、自分の個性や強みを隠すことではありません。帰国子女の経験を自分のアピールポイントと共に表現できれば、面接も和やかに進むのではないでしょうか。
帰国子女の経験だけで志望業種を絞らない
帰国子女の就職活動の場では、しばしば海外経験が活かせる業界や職種にのみ目を向けてしまいがちです。しかし、自分の価値観や表現力を高めるには、幅広い業界や職種に目を向けることも大切です。
現在グローバル企業や外資系企業しか狙っていない方は、日系企業でも海外経験で身につけたスキルが生かせないか、今一度探ってみましょう。また、同時に自分の興味や価値観などを深く掘り下げ、将来のキャリアについて考え直してみると、本当に働きたい会社や業界が見えてくるかもしれません。
たとえば、帰国子女の経験で身につけた柔軟な思考力は、日系企業のイノベーション推進に役立つ可能性があります。また、国内向けの事業と感じていた業界も、実は海外と密接な関係がある場合も。海外の先進事例を取り入れたいと考えている企業や、海外展開を検討している企業なら、帰国子女の経験や視点を活かせる可能性があり、活躍が期待できるでしょう。
まとめ
帰国子女の就職活動は、就活スケジュールを把握したうえで周囲に遅れをとらないよう準備することをおすすめします。日本の就活事情に適応するのはもちろんですが、帰国子女のウィークポイントである日本語力の向上に備えるにはある程度準備が必要です。特にエントリーシートや面接対策には十分な時間をかける必要があります。
また、どの業種、職種へエントリーするか決めきれない場合は、就職支援サービスを利用するとよいでしょう。なかでも就活イベントは、複数の企業・業種の社員から直接話しが聞けるので、入社前に確認しておきたいポイントを確認できます。
充実したキャリアが築けるように、ぜひ自分のアピールポイントを確認しておいてくださいね。
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