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翻訳と通訳の違いとは?
業務の種類や求められるスキルについて解説

翻訳と通訳、どちらも高い言語能力とコミュニケーション力を活かすサービスです。
別言語を母国語に、母国語を別言語にと両方の言語能力が求められるサービスですが、それぞれの違いについてはご存知ですか?
混同されやすい翻訳と通訳には大きな違いがあり、言語能力があればどちらもできると思われがちです。

本記事では "翻訳と通訳の違い、求められるスキルについて" 詳しく解説しています。

また翻訳と通訳それぞれの種類についてもご紹介しますので、これから翻訳者、通訳者として活躍したい方はぜひ参考にしてみてください。

翻訳と通訳の違いとは?

別言語を取り扱う翻訳と通訳は、しばしば混同されがちです。しかし、翻訳と通訳には明確な違いがあり、それぞれ専門性が異なります。ここでは翻訳と通訳の違いについてわかりやすく解説します。

翻訳とは文字情報を別言語で再現すること

翻訳とは、本や文書などの「文字情報」を、原語が分からない読み手に向けて別の言語で再現することです。
ニュースや広告文など一般に目にする文章だけでなく、技術文書や論文のような専門的な内容まであらゆる文字情報を翻訳します。

翻訳は文字として残ってしまうため、誤訳やミスがないよう正確性が非常に求められます。
内容によっては細かいニュアンスまで表現する必要があり、高度な言語能力と繊細な表現力が重要です。

通訳とは会話を別言語で再現すること

通訳とは、別の言語を扱う話し手同士が円滑なコミュニケーションをとれるよう会話のような「発話情報」の橋渡しをすることです。
海外とのやりとりも多い企業では、ミーティングや商談など日常的に通訳者が活躍しています。

通訳に求められるのは、なんといっても訳すスピードです。
リアルタイムで訳す必要があるため、話し手同士の言語に堪能である必要があります。
口語表現や話し手のトーンをうまく聞き手に伝えるスキルが求められるため、高度なリスニング能力が必要です。

翻訳の種類

文字情報を置き換える翻訳には、大きくわけて3つの種類があります。

① 映像翻訳
② 出版(書籍)翻訳
③ 実務(ビジネス)翻訳

翻訳はスピードを求められることは少ないものの、納期が決まっているケースが非常に多いです。
近年は翻訳ツールを活用して訳すケースが増えてきましたが、まだまだ翻訳者の言語能力や経験、理解力は欠かせません。

また、通訳よりも分野における専門性が求められるケースが多く、書籍やビジネス翻訳では専門用語をわかりやすく表現する難易度の高さがあります。

ここからは、翻訳の種類について詳しく解説します。

① 映像翻訳

映像翻訳とは映画やドラマ、アニメなどの翻訳作業です。
PR動画や研修動画などビジネス用映像の翻訳もあり、さまざまな分野の映像を翻訳します。

さらに、映像翻訳は次のように細かく分野がわかれます。

  • 字幕翻訳
  • 吹替翻訳
  • ボイスオーバー

話し手が話していることを字幕化する字幕翻訳は本や文書の翻訳と比較すると、一画面に表示できる文字数に制限があります。
そのため、ただ翻訳するだけでなくシンプルな言葉に置き換えることが求められるでしょう。
吹替翻訳も話し手の口の動きにあう言葉選びが重要で、字幕翻訳とはまた違ったスキルが必要です。

ボイスオーバーは元の映像の音を小さく調整しながら、訳した内容を音声に乗せる手法です。
ドキュメンタリーでよく使われる手法で、たくさんの情報、話し手のトーンや表現をそのまま残したいときに活用されます。

② 出版(書籍)翻訳

小説や専門書、児童書など、あらゆる書籍を翻訳するのが出版翻訳です。
北米、ヨーロッパ、アジアなど世界のさまざまな書籍が日本語に翻訳されています。

出版翻訳には高い言語能力以外に、作品の理解力が求められ、文化的背景、人物の心理、著者のメッセージなど汲み取ったうえでの翻訳が必要です。
また、翻訳する対象がフィクションなのか、ノンフィクションなのかによって、言葉選びが異なる場合もあります。

たとえばミステリー小説やファンタジー小説などでは、読者がが作品の世界に没頭できるように翻訳しなければなりません。
一方、実用書や観光ガイドブックなどは、事実関係を細かく確認しながら翻訳する必要があるでしょう。

③ 実務(ビジネス)翻訳

実務翻訳は翻訳業界で最も市場が大きい分野で、 マニュアルやマーケティング文書、金融情報、契約書などビジネスで取り扱う文書 を翻訳します。
業種によって求められる専門性が異なり、これまでの社会経験が活かせる分野でもあります。
ビジネス翻訳は英訳の需要も多く、次いで中国語など利用者の多い言語に翻訳するケースが多いです。
世界中の企業とやりとりしている企業であれば多言語への翻訳が求められる機会もあるでしょう。

また、ビジネス翻訳は企業の機密情報を取り扱う可能性もあるため、セキュリティ対策やNDAの締結も求められる可能性があります。

通訳の種類

会議やインタビューなど、話し手と聞き手が円滑なコミュニケーションを取れるようにサポートするのが通訳 です。
通訳はリアルタイムで話し手の言葉を別言語に置き換えるため、高いリスニング能力が求められます。

通訳はシーンによって訳すスピード感が異なり、次の3種類に分類されます。

① 同時通訳
② 逐次通訳
③ ウィスパリング通訳

シーンによって活用される通訳手法は異なります。
講演会や会議など、聞き手が多い場合は同時通訳、商談やワークショップなど正確な通訳が必要な場合は逐次通訳など使い分けが重要です。

ここからは通訳の手法について一つずつ確認していきましょう。

① 同時通訳

同時通訳は 話し手の言葉を聞きながらリアルタイムで訳す ため、非常に高度な手法です。
高いヒアリング力と言語能力、専門性が求められます。

同時通訳は次のようなシーンで活用されます。

  • 国際会議
  • 株主総会
  • 学会
  • 記者会見
  • テレビの生中継

通訳は非常に集中力が求められるため、複数人が交代で行うケースがほとんどです。
規模の大きな会場であれば専用のブースが用意され、ヘッドホンなどで話し手の言葉を聞きながらマイクを通して通訳を行います。

同時通訳のメリットはリアルタイムで話した内容を理解できるため、タイムラグなく会議が進行できることでしょう。

② 逐次通訳

逐次通訳は 話が終わったタイミングで通訳を行う手法 です。
同時通訳とは異なり、話し手の話が終わってから訳すため、文脈が読み取りやすく、訳す精度も高まるでしょう。

キリのいいタイミングで通訳されるのは聞き手にとっても理解しやすいメリットがある一方、同時通訳と比較して時間を要します。
そのため、逐次通訳が活用されるのは非公式な場面や、下記のような少人数でのシーンでしょう。

  • 社内会議
  • 商談
  • グループワーク
  • テレビインタビュー
  • オンライン会議

最近は対面での会議より、オンラインでの会議が増えたことで逐次通訳の機会も増えてきました。
リモートで逐次通訳を求められるケースもあり、通訳者が活躍出来る場も広がっているといえます。

③ ウィスパリング通訳

ウィスパリング通訳は、聞き手のそばでささやくように通訳する手法 です。
イヤホンなどの機材が不要でその場で通訳できるため、少人数で通訳が必要なときに活用されます。

同時通訳と同じく、話し手の話を聞きながら訳す高度な通訳手法ですが、1〜2名の聞き手に対して利用されることが多いです。

ウィスパリング通訳も長時間に及ぶ場合は、複数人で交互に通訳することもあります。
少人数で会話する際に重宝される手法で、下記のようなシーンで活用されます。

  • 通訳を要する聞き手が少ないとき
  • 少人数での会議
  • 単独インタビュー

少人数向けであっても、同時通訳と同じく高いリスニング力と言語能力が必要です。
どちらかというと、同時通訳よりも内容が伝わっているか反応を直接確認できるため、別の表現に変えたり、ボディランゲージを加えたりと細かい表現が大切になるでしょう。

翻訳者と通訳者に求められるスキルとは

語学スキルを活かせる翻訳者と通訳者ですが、業務内容も求められるスキルも別物です。
高い言語能力が必要なのは共通していますが、翻訳と通訳では表現方法もスピード感もまったく異なります。

ここからは翻訳者と通訳者、それぞれに求められるスキルについてご紹介します。

翻訳者に求められるスキル

文章を別言語に置き換える翻訳者は、言語能力だけでなく双方の言語、地域の文化への理解が欠かせません。
翻訳者に求められるスキルとして、次の5つが挙げられます。

  • 他言語理解力
  • 読解力
  • 表現力
  • 基本的な言語知識
  • 翻訳する分野における専門性(リサーチ力含む)

先程ご紹介した通り、翻訳は書籍や映画などのエンタメ性の高いものから、かしこまったビジネス文書まで幅広い文章が対象となります。

なかには専門的な内容を翻訳するケースもあるため、言語を理解するだけでなく、専門性も求められます。分からない部分があれば確信が持てるまでリサーチするため、リサーチ力も重要です。

また、母国語と別言語の表現の違いや、慣用句、文化や地域性による方言なども正確に翻訳する必要があり、読解力表現力も求められるスキルでしょう。

句読点や記号、文法といった基本的な言語知識も重要で、原文の質が低い場合も、文章のニュアンスや要点などわかりやすく整える必要があります。

通訳者に求められるスキル

通訳者は翻訳者よりもリアルタイムでの翻訳が多く、スピーディーさが求められます。
場面によって多少異なりますが、基本的には話し手のボディランゲージも含めた理解力が求められるでしょう。

通訳者に求められるスキルは、次の5つです。

  • 言語切り替えの素早さ
  • 話し手のボディランゲージ、トーンに合わせた対応力
  • 短期記憶能力
  • コミュニケーション能力
  • 情報収集力

同時通訳や逐次通訳など、リアルタイムで聞いた別言語を通訳するには言語切り替えの素早さは欠かせません。
話し手の話し方やボディランゲージを見て、言葉の意味や文脈に沿った通訳が必要になるため、高い言語能力とともに対応力も求められます。

また、その場で聞いた言葉を言い換えるには話し手が何を話していたか記憶しつつ訳す必要があり、記憶能力も重要なスキルです。

短期記憶能力が抜けてしまうと、重要な言葉が訳しきれず、話し手と聞き手に混乱が起きてしまいかねません。

また、通訳はリアルタイムで行われるケースが多いため、突然のトラブルに見舞われる可能性もあります。
突然のプログラム変更や講演者欠席による対応で、関係者との連携や調整のためのコミュニケーション力が必要となるケースは多いでしょう。

社会人でも目指せる?

翻訳者、通訳者は高い言語能力と専門性が求められる職種ですが、社会人からでも十分転向できます。
2024年2月現在、求人サイト(※)を見ると翻訳者の求人は約2,500件、通訳者は約3,000件あり、なかには未経験から応募可能な求人もあります。

※参考サイト:indeed (2024年2月末時点)

外部クライアント向けの翻訳、通訳の場合は経験者対象の求人が多いですが、社内業務からであれば未経験であっても翻訳者、通訳者ともになれる可能性があります。

また、ある程度キャリアが積めれば、フリーランスの翻訳者、通訳者として活躍出来るかもしれません。

どちらにしても高い言語能力は必要であり、翻訳者と通訳者、それぞれに求められるスキルを有している必要があります。社会人から翻訳者、通訳者を目指すなら、実践的にスキルを身に着けられるスクールに通うのもおすすめです。

 

まとめ

翻訳と通訳はどちらも別言語を活用しますが、それぞれ訳す対象が異なります。
翻訳では文字情報を、通訳では発語情報を訳すため、求められるスキル、活用されるシーンは別物です。

これから翻訳者、通訳者を目指すなら、語学勉強だけでなく実践的に経験が積めるスクールでの学習がおすすめです。
どちらも経験者が優遇されるケースは多いですが、これまでの社会経験を活かして未経験でも翻訳者、通訳者として活躍している方はたくさんいます。

なかには50代から翻訳家を目指してスクールに通い、翻訳家として活躍している方も。
副業として始める方もいますので、翻訳家、通訳者を目指す方はスクールに通うことも検討してみてはいかがでしょうか。

翻訳家を目指すならフェロー・アカデミーがおすすめ

最速で翻訳を学ぶなら、翻訳学校がおすすめです。

翻訳学校であれば専門知識と業界経験を持った講師による指導を受けることができ、学習中の疑問点をすぐに解決できます。
また最適化されたカリキュラムのため無駄がなく、効率的に学ぶことが可能
です。

「フェロー・アカデミー」ではライフスタイルやレベルに合わせて講座を選ぶことができ、必要な知識やスキルの習得、仕事獲得までサポートが受けられます。

学校パンフレット(電子ブック)をPDFで閲覧できますので、最速で翻訳家を目指す方はぜひお気軽に資料請求ください。

この記事の監修

フェローアカデミー理事長 室田陽子
フェローアカデミー理事長室田 陽子
学習院女子短期大学卒業後、株式会社サンリオに入社。4年間グリーティングカードの企画に携わる。
その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。

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