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翻訳家の年収・時給はいくら?年収を上げるためのポイントも解説!

「翻訳家の仕事に憧れているが、どの程度稼げるのか分からない」
「翻訳家として働いているが年収が全然上がらない」
「翻訳家の仕事は将来性があるのか分からない」


このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では ” 翻訳家の年収・時給について解説します。翻訳家が年収を上げるためのポイントや、翻訳家の仕事の将来性 ” についてまとめました。

本記事を読むことで 翻訳家として稼ぎ続けるにはどうしたら良いのか が分かります。翻訳家を目指している方や、翻訳家としてステップアップしたい方はぜひお読みください。

翻訳家の年収

厚生労働省のサイトによると、翻訳家の平均年収は697.6万円となっています。他の職業よりも翻訳家は年収が高めであることが分かります。

翻訳家は語学知識はもちろんのこと、翻訳分野における専門知識が必要です。たとえば、金融分野の文書を翻訳する場合、金融分野に関する深い知識がないと、翻訳に誤りが出てしまったり細かなニュアンスが伝わりにくい翻訳文を作成してしまったりします。

多くの知識・スキルが必要な分、翻訳家は平均年収が高いのではないかと想像されます。

ただし、平均年収697.6万円というのは就業者に限定したデータであり、フリーランスの翻訳家として活動している方の年収は含まれていません。フリーランスの場合、自分で仕事を獲得しなければいけないため、仕事が中々得られず年収が増えない方も多くいます。一方で、就業者よりも高度な知識・スキルを持ち、高単価の仕事を多く獲得する方もいます。フリーランスの場合、平均年収と実際の年収が大きく乖離する可能性もあるということです。

参考:翻訳者 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

翻訳家の収入を時給換算するといくらになる?

翻訳家として稼ぐには、常に時給換算して考えることが大切です。単価の高い仕事を獲得できたとしても、時間がかかってしまってはむしろ時給が下がってしまいます。時給換算したらいくらになるかを計算したうえで、仕事を受注するかどうか決める必要があります。

翻訳料金は原稿の文字数、あるいはワード数から算出される場合が多いです。たとえば、日本語から英語に翻訳する場合「1文字あたり10円」、英語から日本語に翻訳する場合は「1ワードあたり15円」といった算出方法があります。

もし1時間でリサーチも含めて100ワード翻訳する場合、「1ワードあたり15円」だと、時給は1,500円ということになります。一度自分が1時間でどれくらい翻訳できるのか計測してみることをおすすめします。時給換算した結果、思ったより安くなってしまっている場合は、仕事の単価や、やり方を見直す必要があります。

翻訳家の年収・時給を左右する要因

翻訳家の年収・時給は主に次の3つによって決まってきます。

①翻訳スピード
②翻訳分野の需要
③翻訳家としての実績

1つ1つの要因について詳しく解説していきます。

①翻訳スピード

基本的に翻訳スピードが早いほど年収は高くなります。なぜなら先ほど解説した通り、翻訳家の報酬は文字数ベースで決められるためです。

翻訳スピードが向上すれば、同じ単価でも年収を上げられます。駆け出しの頃は高単価案件は中々獲得できないので、まずは翻訳スピードを上げることが大切です。

ただし、翻訳スピードはある程度上げると頭打ちになります。また、速さばかりにこだわると文章の質が下がってしまうので注意が必要です。それなりに実績を積み重ねたなら、次は単価を上げていくことに注力しましょう。

②翻訳分野の需要

翻訳分野の需要によって単価は大きく変わります。たとえば、最近は動画配信サービスが人気を集めているため、海外コンテンツ翻訳の需要が高まっています。

単価を上げたいなら、需要の高い分野に参入するのも考え方の1つです。ただし、需要が高い分野は当然競合も多いため、仕事を獲得できない可能性もあります。

③翻訳家としての実績

翻訳家としての実績が豊富かどうかも、単価に影響します。実績が豊富な翻訳家は責任ある仕事やより高度な仕事を任せてもらいやすく、単価も上がっていきやすいです。また、実績が豊富だと、単価交渉も通りやすくなります。

逆に、最初の頃は実績がないため、単価の低い仕事しか獲得できないことが多いです。また、単価交渉をした場合、契約を断られてしまうこともあります。

翻訳家が年収を上げるためのポイント

翻訳家が年収を上げるためのポイントは次の3つです。

①自分の専門性を深める
②地道に経験を積み重ねる
③営業力を高めて高単価案件を獲得する

翻訳家になれたものの、そこから思うようにステップアップできない方は多くいます。年収を上げたい方は、これら3つを意識してみてください。

1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。

①自分の専門性を深める

翻訳家が年収を上げるには、自分の専門性をより深めることが大切です。専門性を深めることで、他の翻訳家と差別化を図ることができ、単価の高い仕事を獲得しやすくなります。

幅広い分野に手を出すのももちろん良いことですが、その場合も、自分の興味がある分野を中心に選ぶことをおすすめします。単価が高いからと興味が薄い分野に参入しようとすると、リサーチに時間がかかってしまい、時給換算するとむしろ安くなることもあります。

②地道に経験を積み重ねる

翻訳経験が短いとどうしても高単価の仕事は獲得しにくいです。高単価案件は、応募条件に「翻訳歴10年以上」などと書かれている場合も多いです。最初のうちは低単価の仕事でも良いので、とにかく数をこなすことが大切です。

翻訳家としての経験が浅くても獲得できる仕事は、クラウドソーシングなどに多くあります。クラウドソーシングの仕事は単価が安いうえに、運営側に手数料を20%程度支払わなくてはいけません。ただその分、仕事は獲得しやすいですし、契約処理や報酬の請求などもサイト内で完結するので、初心者にはおすすめです。

ある程度経験を積み重ねれば、こちらから案件に応募しなくても、クライアントから「この翻訳をお願いします」とスカウトが来ることがあります。スカウト案件は単価が高いことが多いうえに、単価交渉もしやすいです。

③営業力を高めて高単価案件を獲得する

高単価案件を獲得するには、営業力を高めることも大切です。実績やスキルをいくら積み上げても、それを上手くアピールできなくては、案件を獲得することは難しくなります。

営業力を高めるポイントは、自分の強みを正しく把握することです。自分は他の翻訳家と比べて何が優れているのか、そしてどのような価値を提供できるか分析を行います。

また、SNSやブログなどを開設し、ブランディングを行うことも大切です。自分の専門分野や強みを多くの人に認知してもらい、「この仕事はこの人に任せた方が良い」と思ってもらうことを目指します。

更に、イベントやセミナーに参加したり、翻訳関連のコミュニティに参加したりすることで、人脈を作ることも大切です。翻訳家同士で情報交換が行えたり、仕事の紹介をしてもらえたりするチャンスを作るようにしましょう。

翻訳家に求められる知識・スキル

単価の高い仕事を獲得するには、知識・スキルを十分に身につける必要があります。単価の高い仕事は他の翻訳家も狙うわけですから、差別化を図れるようにしないといけません。

翻訳家に求められる知識・スキルは次の4つです。

①語学力・文章力
②リサーチ力
③コミュニケーション能力
④自己管理能力

翻訳分野によってはこれ以外にも求められる知識・スキルはありますが、翻訳家全体に求められるのはこの4つです。4つの知識・スキルのうちどれか1つでも欠けていると、年収が上がっていかなくなってしまいます。

1つ1つの知識・スキルについて詳しく解説していきます。

①語学力・文章力

翻訳家にはまず語学力・文章力が求められます。原文の意味を正しく読み取り、誤訳がないように訳せることが翻訳家に求められる最低条件と言えます。

その上で、より分かりやすく翻訳できるスキルや、小説などのエンタメ分野の場合は読み手を惹きつけられるだけの表現力が求められます。

語学力・文章力に関しては、独学で学ぶ以外にも、翻訳学校に通ったり、通信講座を活用したりして学ぶ方法があります。いずれの勉強方法を選択する場合でも、コツコツと努力していく姿勢が求められます。

②リサーチ力

翻訳家にはリサーチ力も求められます。翻訳対象に関連する情報を収集し、その文章が書かれた背景や読み手の意図を理解する必要があります。情報収集が不足していると、「意味は合っているがニュアンスが異なる」といったことが起こりえます。

また、クライアント企業に関する情報も調べておく必要があります。クライアントがどのような方向性の翻訳を求めているのか探り、高評価を得られる制作物の作成を目指します。

③コミュニケーション能力

翻訳家にはコミュニケーション能力も求められます。仕事を獲得する際には自分を売り込む必要がありますし、獲得後はクライアントとこまめに連絡を取り合う必要があります。

コミュニケーション能力が欠けていると、クライアントが求めるものからずれたものを作成してしまい、評価が下がってしまうことがあります。

④自己管理能力

翻訳家には、自己管理能力も求められます。仕事を受注する際には、「いつまでに完遂できるか」とクライアントから尋ねられたときに、「◯日までです」と自信を持って答えられないといけません。そのためには、自分の作業スピードを正確に把握する必要があります。

また、納期に間に合うように、スケジュール管理を行わなくてはいけません。特に複数の案件を同時にこなす場合、作業の優先順位をしっかり決める必要があります。

加えて、集中力やモチベーション管理といったことも大切です。集中力が切れると質が下がるため、適度に休憩を挟むことが重要です。また、翻訳家は一人で淡々と仕事をこなす時間が長く、孤独に耐えられず辞めてしまう方もいるので、他の翻訳家と積極的に交流するなどして、モチベーションを維持することが必要になります。

翻訳家の将来性について

翻訳家は平均年収が高いと冒頭で解説しましたが、「高年収がいつまで続くのか」「今後年収が減ることはないのか」不安な方もいるかと思います。

そこで最後に、翻訳家の将来性について解説します。翻訳家が今後求められていくスキルや、年収を上げるための方法についてまとめました。

AIの進化で翻訳家がいらなくなることはある?

最近はAIの進化が注目を集めています。AIによる機械翻訳の技術も年々向上しています。

一昔前は機械翻訳は精度が低く、翻訳文として成立していないことがほとんどでした。しかし最近は、多少拙い部分はあるものの、ある程度は正しく翻訳できるようになっています。翻訳の精度は今後さらに向上することが予想されます。

AIは自己学習を繰り返すことで自ら進化していきます。人間と違い24時間とてつもない速さで勉強し続けられるため、想像以上に進化が早いです。そのため、今後AIによって翻訳家の仕事が奪われることを危惧する人も多くいます。

とはいえ、AIによって翻訳家の仕事が完全になくなる可能性は低いと予想されます。なぜなら、単に翻訳することだけが翻訳家の仕事ではないためです。

これからの翻訳家が求められるスキル

これからの翻訳家には、更に高度なスキルが求められることが予想されます。たとえば、原文にはないことを翻訳者が補足し、より分かりやすい文書にする、などです。補足説明を入れたり、より分かりやすい表現に変えたりするスキルが必要になります。

機械的に直訳を行っていくだけなら、AIでもできてしまうため、翻訳家にはこのようなクリエイティブ力が求められていくでしょう。

筆者の意図や、時代・文化背景など言語外の要素を踏まえて翻訳するのも、AIは苦手としています。また、一見読みやすく滑らかに訳せても、原文の意味とずれた状態で訳出されてしまうことも多々あります。正確性という意味でも翻訳家のチェックが必要です。
昨今は、機械翻訳された文章を修正する「ポストエディット」と呼ばれる仕事も注目されています。AIによって効率化が進む一方、新しく誕生する翻訳周辺の仕事もあるのです。

まとめ

本記事では翻訳家の年収について解説しました。翻訳家の平均年収や、年収を上げるポイントなどがお分かりいただけたかと思います。

翻訳分野によってある程度単価に差はあります。ただ、単価が高いからといって興味が薄い分野に参入しようとすると、リサーチに時間がかかりすぎてしまい、時給換算したらむしろ下がってしまう可能性もあるので注意が必要です。

翻訳家が年収を上げるには、やはり地道に実績を積み上げていくことが大切です。語学力や文章力、リサーチ力などのコアスキルを高めつつ、自分の専門分野をより深めていくことで、少しずつ高単価の仕事も獲得できるようになります。

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この記事の監修

フェローアカデミー理事長 室田陽子
フェローアカデミー理事長室田 陽子
学習院女子短期大学卒業後、株式会社サンリオに入社。4年間グリーティングカードの企画に携わる。
その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。

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