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フリーランスの翻訳家として活躍するには?
年収や必要なスキルについて解説

「翻訳家として独立を目指しているけどやっていける…?」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では「フリーランスの翻訳家の年収や求められるスキル」について解説します。
案件を獲得する方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
フリーランスの翻訳家の年収相場
翻訳家の年収は、翻訳するジャンルや言語、働き方によって大きく異なります。
厚生労働省のサイトによると、会社員として働いている翻訳家の年収相場は、697.6万円となっています。
ここからは翻訳家の年収、フリーランスの翻訳家として得られる年収相場について解説します。
参考:翻訳者 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
翻訳家の種類
翻訳には3つのジャンルがあり、それぞれ翻訳する対象が異なります。
・出版翻訳:小説やエッセイ、絵本など書籍の翻訳
・実務翻訳:企業が取り扱うビジネス文書や、リーガル翻訳など業務に関する翻訳
・映像翻訳:映画やドラマの吹き替え翻訳など映像に関する翻訳
ジャンルによって翻訳する文字数やワード数、単価の算出方法も異なります。
どのジャンルの翻訳をするかは、自身の専門性や興味に合わせて選んで問題ありません。
専門性を活かせる経験があれば、実績が浅いうちでも案件を獲得できる可能性があります。
フリーランスの翻訳家の年収相場
フリーランスの翻訳家の年収相場は、これまでの実績や翻訳言語、ジャンルなど、さまざまな要因で異なります。
年収相場を調べてみたところ、200〜300万円がボリュームゾーンのようです。
・200〜300万円 40%
・300〜500万円 30%
・500万以上 30%
出典|クラウドワークス
しかしフリーランスとして活動する翻訳家の年収は個人による差が大きく、経験が浅い新人翻訳者では、年収が約100万円程度のこともあれば、高度な翻訳スキルを持つベテラン翻訳者となれば、年収が1,000万円を超えることもあります。
翻訳会社を数年経験してからフリーランスの翻訳家として独立することで、年収をあげやすくなるでしょう。
関連記事:翻訳家の年収・時給はいくら?年収を上げるためのポイントも解説!
フリーランスの翻訳家の単価相場
年収に影響する翻訳相場は、取り扱う言語やジャンルによって異なります。
たとえば、医療系の日英翻訳を受注した場合、1ワードあたりの平均は30円です。
英日翻訳の医療系は平均35円と、翻訳する内容によって大幅に単価が異なります。
フリーランスの翻訳家として活動するなら、翻訳対象の相場も確認しつつ、これまでの翻訳実績やスキル、専門性を客観的に評価しましょう。
そのほかの単価相場については「翻訳料金の相場は?単価の決まり方や内訳について解説|TRANSLATOR’s」でも詳しく解説しています。
フリーランスの翻訳家に求められるスキル
フリーランスの翻訳家として活躍するなら、次の5つのスキルは欠かせません。
・高い語学力
・専門知識と調査力
・営業力
・自己管理能力
・税務・会計能力
翻訳家としての実力はもちろん、フリーランスとしてのスキルも重要です。
具体的にどのようなスキルが必要なのか確認していきましょう。
高い語学力
フリーランスの翻訳家として活躍するのに、もっとも必要なスキルは高い語学力です。どの言語を取り扱うにしても、翻訳のクオリティを上げるには語学力が欠かせません。
フリーランスの翻訳家として案件を受注する際、トライアルテストによって実力が測られるケースが多いです。
高い語学力とは具体的に下記の能力を指します。
・読解力
・理解力
・取り扱い言語の語彙力
翻訳する原文を正しい意図で読み取るには、高い読解力が大切です。ビジネス翻訳など専門性の高い翻訳家であれば、専門用語を読み取る力も必要になるでしょう。
また、原文の意図を正しくかつ読み手にあわせた言葉で訳す表現力も重要なスキルです。
これからフリーランスの翻訳家として活躍していくなら、日頃から外国語と母語を意識して学習しておくとよいでしょう。
専門知識と調査力
翻訳する対象分野が決まっている場合は、専門用語や制度などについての知識が必要です。
たとえば、医療分野の翻訳の場合、解剖学や生理学、薬学など専門的な内容が多く出てくるため概要を理解できるレベルの知識は必須です。それと同時に、情報は常に新しくなるため、知識だけを過信せず調べる力も必要です。知識があれば調査の効率性が高まりますので、知識と調査力をバランスよく保つことが重要です。
また、特に映像翻訳や出版翻訳のような作品世界の翻訳では、現地の文化や習慣を理解して訳さなければならない場面も多くあります。
分野によっては専門性の高い翻訳家が少ないこともあり、案件単価が高く設定されているケースがあります。
フリーランスの翻訳家として高収入を目指すなら、特定の専門分野に特化した翻訳家を目指すのもよいでしょう。
営業力
フリーランスの翻訳家として働く際、高い語学力と共に重要なのが営業力です。
営業力は案件の獲得に必要なスキルであり、自分の強みをうまくアピールできれば企業から直接スカウトがあるかもしれません。
特に実績の少ないフリーランスの翻訳家は、積極的に営業活動を行う必要があります。
どんな営業活動をすればいいかわからない場合は、以下を参考にしてみてください。
・自分の専門性と親和性の高い企業へ直接営業する
・ポートフォリオサイトなどを制作し、自身の専門性をアピールする
・翻訳家コミュニティなどに参加し、人脈を広げる
営業活動というと、企業への応募が一般的ですが、意外と個人からの依頼もあります。
翻訳家コミュニティなどで知り合った方から、案件を紹介されるケースもあるので、フリーランスの翻訳家として活動するなら横のつながりも意識しておくとよいでしょう。
自己管理能力
フリーランスの翻訳家は会社員とは異なり、自分のペースで案件をこなさなければなりません。
そのため、フリーランスの翻訳家として活動するなら、下記のようなさまざまな自己管理能力が求められます。
・体調管理
・受注管理
・スケジュール管理
・作業環境の維持
・スキルアップのための時間確保
翻訳家に限ったことではありませんが、フリーランスとして活動するならどれも欠かせないスキルです。
スキルアップするために資格勉強などの時間も確保すると自分の強みが磨かれます。
税務・会計知識
税理士に依頼する方も多いですが、フリーランスの翻訳家として活動するなら、税務・会計の知識も必要です。
フリーランスは個人事業主のため、確定申告などの会計処理はすべて自分で行わねばなりません。
税理士に会計処理を委託する場合でも、ある程度知識があったほうが間違いやトラブルを避けられます。
近頃は会計ソフトを利用しているフリーランスの方が多いので、実際に入力しながら税務知識を身につけるのもおすすめです。
フリーランスの翻訳家になるメリットとデメリット

フリーランスの翻訳家は、業務量の調整がしやすいのが特徴です。
会社に属しているわけではないため、出社する必要がなく、好きな場所、時間に働けるのがメリットでしょう。
しかし、案件獲得から納品、税務処理まで、すべて一人で行わなければならないプレッシャーもあります。
ここで、フリーランスの翻訳家になるメリットとデメリットについて解説します。
フリーランスの翻訳家になるメリット
フリーランスの翻訳家は自分の裁量で働けるのが魅力ですが、特に大きなメリットは次の3つです。
・場所や時間を選ばずに働ける
・ワークライフバランスが取りやすい
・人間関係のトラブルが少ない
翻訳家はパソコンや資料が確認できる場所であれば、比較的どこでも働けます。
子育てや介護でお忙しい方でも、場所と時間を選ばずに働けるので、急な体調不良や通院などもスケジューリングしやすいでしょう。
案件量をコントロールすれば、長時間働けない方もワークライフバランスが整います。
フリーランスの翻訳家は働けば働くほど収入につながりますが、時間を調整しながら柔軟に働きやすい方にとってもメリットの大きい働き方といえます。
また、基本的に一人で翻訳作業を行うため、クライアントと適切なコミュニケーションがとれれば、人間関係のトラブルに巻き込まれることも少ないでしょう。
プロジェクトによっては、打ち合わせが必要なケースもありますが、基本的にメールやチャットでのやりとりが多いです。
寂しいと感じる方もいますが、自分のペースを乱されることなく翻訳作業に集中できる環境が持てることはフリーランスで働くメリットの一つといえます。
フリーランスの翻訳家になるデメリット
自分の裁量で働けるのがフリーランスのメリットですが、一方ですべての責任を追わなければならなかったり、孤独を感じてしまったりなど、デメリットもあります。
フリーランスの翻訳家として働くデメリットは、次の3つです。
・収入が安定しにくい
・社会保障がないため、自分で対策する必要がある
・納期に追われやすい
翻訳家に限らず、フリーランスとして働く場合、収入が不安定になりやすいです。
特に経験が浅いうちは案件の獲得自体が難しく、無収入になってしまうケースもないとはいえません。
働いたら働いただけ収入は上がりますが、常に営業し続けなければならないのはデメリットの一つでしょう。
企業勤めのように社会保障もないため、将来のための積立など自分で対策する必要があります。
たとえば、厚生年金がないぶん国民年金基金や個人年金保険に加入するなど、将来の資金計画について具体的に考えておかねばなりません。
また、フリーランスの翻訳家として働く場合、常にスケジュール管理が必要です。信用してもらうためには納期厳守が欠かせません。
会社員のように、休んでも誰かにフォローしてもらえないため、スケジューリングがうまくできないと納期に追われやすいでしょう。
フリーランスの翻訳家として働く方法
ここまで、フリーランスの翻訳家の働き方について解説してきましたが、ここからは働く方法について解説します。未経験からフリーランスの翻訳家を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
翻訳会社の求人に応募する
最もおすすめなのは翻訳会社の求人に応募してトライアルを受け、フリーランスの翻訳家として登録することです。
翻訳会社が自社のWebサイトで求人するケースもあれば、求人媒体や翻訳団体のサイトに求人情報を掲載するケースもあります。
翻訳の実績がないと応募できない求人がほとんどですが、翻訳チェックなど仕事内容によって未経験者でもチャレンジできる求人がありますので探してみましょう。
翻訳者ネットワーク「アメリア」を利用する
翻訳者ネットワーク「アメリア」にはフリーランスの翻訳家の求人情報がたくさん集まっているため、効率よく求人情報を探すなら「アメリア」がお勧めです。
アメリアには年間約1,000件もの求人が寄せられ、未経験者が応募できる求人は全体の約3割です。アメリアを利用するには会員(有料)になる必要がありますが、求人だけでなく仕事に役立つ情報がたくさん得られるので、翻訳を仕事にしたいと思ったら一度入会してみることをおすすめします。
フリーランスの翻訳家として活躍している方は、受注ペースを安定させるため複数の翻訳会社に登録している方が多いです。
いつでも登録先の翻訳会社を増やせるよう、ある程度実績が溜まったらポートフォリオやWebサイトを作成しておくとよいでしょう。
フリーランスの翻訳家としてスキルアップしよう!

フリーランスの翻訳家として活躍するなら、積極的な営業活動と共にスキルアップも重要です。
翻訳家として実績がある場合でも、独立後は収入が下がるケースが多いため、スキルを磨いておいて損はありません。
高い専門性やスキルがあれば、フリーランスの翻訳家として案件も獲得しやすくなります。
効率よく翻訳スキルを高めるのであれば、翻訳学校や通信講座なども利用してみるのもおすすめです。
翻訳家を目指すならフェロー・アカデミーへ!
最速で翻訳を学ぶなら、翻訳学校がおすすめです。
翻訳学校であれば専門知識と業界経験を持った講師による指導を受けることができ、学習中の疑問点をすぐに解決できます。
また最適化されたカリキュラムのため無駄がなく、効率的に学ぶことが可能です。
「フェロー・アカデミー」ではライフスタイルやレベルに合わせて講座を選ぶことができ、必要な知識やスキルの習得、仕事獲得までサポートが受けられます。
学校パンフレット(電子ブック)をPDFで閲覧できますので、最速で翻訳家を目指す方はぜひお気軽に資料請求ください。
この記事の監修

その後、翻訳者を志し退職、フェローアカデミーの「ベーシック3コース」を修了し、翻訳者として5年間活動した後、翻訳者ネットワーク「アメリア」立ち上げに参画、理事長/代表取締役に就任。