浅川佳秀さん

実務出版

日本語で文章を書く仕事がしたいと翻訳を志し、2006年に総合翻訳科「ベーシック3コース」に入学。修了後、翻訳会社でのオンサイト勤務を経て、2010年にフリーランスとして独立。現在は、一般向け科学ニュース、マーケティング資料、技術者向けの資料などの実務翻訳を中心に翻訳に携わる。また、出版翻訳の分野でも活躍。訳書に『サイバー・クライム』(講談社)がある。

受講生インタビュー

2年のオンサイト勤務を経て、フリーランスとして独立 実務・出版の両分野で活躍

翻訳に興味を持ってからは、訳書と原書の両方を買って、自分の訳文と見比べる、という勉強を独学で始めたのですが、自分で訳してから訳書を読むと、自分の英語力と日本語力の両方がまったくお金をもらえるレベルに達していないことを痛感しました。そこで一度はちゃんと体系的に学習したいと思い始め、幅広い分野を学べるベーシック3コースに入学しました。
ベーシック3コースの3カ月、週3回というペースは、翻訳に没頭するのに最適でした。技術文書、児童文学、字幕まで、さまざまな翻訳を学びましたが、とにかく自分は恥をかきまくりましたね。誤訳や行きすぎた意訳のオンパレードで、今でもあの時のことを思い出すと恥ずかしいのですが、その経験が今の自分の糧になっていると思います。

修了後は、単科で学習を継続しながら、2~3カ月に一度のペースでアメリアからトライアルに応募していました。
最初に合格したのがアメリアから応募した出版関係のトライアルです。それからリーディングの仕事を少しずつもらうようになって、2~3年後に本の出版につながることとなりました。今でもこの出版社とはずっと仕事の関係が続いています。
出版のトライアルに合格したとはいえ、それだけでは不安だったので、さらにトライアルを受け続けました。
次に採用されたのが翻訳会社のオンサイトでの求人です。働き始めたものの、翻訳力以前に社会人としてのスキルが不足していることを実感する日々でした。結局、数カ月で辞めることになってしまい、最初の挫折を味わいましたね。正直、翻訳の仕事を辞めようかとも悩んだ時期でしたが、学んできた翻訳力を十分に使わないままの退社だったので、もう一度だけオンサイトの仕事を探してみることにしました。そこで採用されたのが、フリーランスとなった今でもメインで仕事をいただいている会社です。

入社後は、科学ニュースやIT関連の翻訳のQA(※1)として、他の経験豊富な翻訳者の訳文を見て、技術を盗んでいく毎日でした。翻訳の仕事は英語を日本語にする作業だけをしていればいいというわけではありません。クライアントごとに、表記や使うツール、さらには納品手順や訳文の好みといったものまでも異なるため、実際の翻訳作業以外にも覚えなければならないことがたくさんあります。そういった環境に慣れることが最優先で、正直QAをしていても翻訳の奥深いところまでは吟味できない状態がしばらく続きました。でも1年ほど経って仕事に慣れてからは、色々なことが見えてくるようになりました。たとえば前置詞の使い方一つを取っても、あのときフェローの先生が言っていたことはこういうことだったんだ、と思い出すことが格段に増えたんです。実際の仕事で翻訳するのは、綺麗な文章ばかりではありません。文法に問題がある文章や、細切れの文章などから文脈を類推しなければならないことも多くあります。この仕事を長く続ければ続けるほど、一度体系的な学習を経験したことの成果が顕著になっていくと思います。

※1 クオリティ・アシュアランスの略。翻訳会社内のポジションの一つ。納品された訳文をチェックする担当者のことで、会社によってはチェッカーと呼ばれる。

2年ほどオンサイト勤務を続けた後、フリーランスとして独立。現在では、QAとして勤務した会社経由の仕事が8割、最初に仕事をもらった出版社の仕事が2割の配分で仕事を続けています。
30年後もこの仕事を続けていたいというのが今の目標です。自分の翻訳力に、まだ自信があるわけではありませんが、学習中から折に触れ「自分は本当にこの仕事に向いているのだろうか」と時間をかけて考え続けてきたことで、困難があっても続けられる力が身に付いたと思っています。

浅川佳秀さんが受講した講座(通学)

ベーシック3コース

実務翻訳 出版翻訳 映像翻訳
開講日
年3回(1月、4月、9月)
期間
週3日・3ヶ月
  • 実務翻訳
  • 出版翻訳
  • 映像翻訳