桑澤真由さん
大学を卒業した後、2010年4月に総合翻訳科カレッジコースに入学し、2011年3月に修了。一般企業で社内翻訳などに携わったのち転職し、2013年8月より映像制作会社(株)ビデオテックで吹替制作アシスタントとして奮闘中。
就職を視野に、実務・出版・映像翻訳の基礎を学ぶ
洋画にはまっていた学生時代、テレビで戸田奈津子さんのことを拝見し、「かっこいいな」とあこがれました。外国語学部だったので、英語を生かせる仕事に就きたいと探したところ、翻訳にめぐり合ったんです。翻訳の基礎からしっかり学びたかったということと、就職も視野に入れていたので、全日制のカレッジコースに入学しました。
まずはいろいろな分野の翻訳について学びたかったので、翻訳の3大分野である実務・出版・映像すべてを選択しました。課題はたくさんあり、毎日深夜までかかって取り組みました。われながら、1年間みっちり翻訳の勉強をしたなと思います。
特に楽しかったのは映像翻訳の授業です。課題作品は映画とドキュメンタリー。授業を通して、ほかの人の翻訳を見たり聞いたりできたのは刺激になりました。
また翻訳を始めて驚いたのが、その調べ物の量。事実関係を確認し、情報の真偽を判断しなければいけないことも多くて大変でした。ですが、そのたびに新しい知識が得られるので、調べること自体は苦痛ではなく、楽しかったです。
授業で知った吹替翻訳の面白さが今につながった
コース修了後は一時、一般企業で社内翻訳などに携わっていたのですが、やはり自分のやりたいことを追求したいと思い、転職を決意しました。 フェロー・アカデミーでの授業を通して、視覚的な文字情報が主の字幕翻訳と違い、音のリズムを生かし、日常的に使う話し言葉を扱う吹替翻訳の面白さを知りました。そこで、翻訳者ネットワーク「アメリア」で吹替翻訳に携わることのできる求人を探し、現在勤務する映像制作会社に応募したのです。
今は吹替翻訳アシスタントとして、翻訳をチェックしたり、アフレコ収録に立ち会ったりと、海外の映画やドラマの吹替版の台本制作を担当しています。毎日、作品が完成していく工程にわくわくしています。
『翻訳事典2015年度版』(アルク発行)より転載