阪東 万里さん
京都大学大学院農学研究科修士課程修了。食品メーカー勤務を経て、2014年に渡米。現地大学の研究室で実験補佐員をしながら、フェローの通信講座で翻訳学習を始める。「翻訳入門<ステップ18>」「実務翻訳<ベータ>」などを修了。現在はマスターコース「メディカル」を受講しながら、在宅でメディカル・バイオ関係の英日・日英翻訳と校閲に従事している。
京都大学大学院農学研究科修士課程修了。食品メーカー勤務を経て、2014年に渡米。現地大学の研究室で実験補佐員をしながら、フェローの通信講座で翻訳学習を始める。「翻訳入門<ステップ18>」「実務翻訳<ベータ>」などを修了。現在はマスターコース「メディカル」を受講しながら、在宅でメディカル・バイオ関係の英日・日英翻訳と校閲に従事している。
2014年にご主人の仕事の都合で渡米し、2018年春までアメリカで暮らした阪東万里さん。現地でフェロー・アカデミーの通信講座を受講し、現在はプロとしてメディカル・バイオ関係の英日・日英翻訳を手がけている。
そんな阪東さんが翻訳者を目指したのは、住む場所が変わっても辞める必要がなく、継続して経験を積み上げていくことができるから。通信講座が充実している点に惹かれてフェローを選ぶと、「翻訳入門<ステップ18>」から学習を始めた。「読んで理解することと翻訳することはまったくの別物だと思い知り、自信があった英文法の知識にかなり穴があることにも気づきました。『なんとなく』ではなく文法に則って正しく原文を解釈し、その意味するところをわかりやすく訳すという、翻訳の基盤ができたと思います」
続く「実務翻訳<ベータ>」では、さまざまな実務分野の英文を訳す中で「背景を調べていくうちに、霧が晴れていくように英文の意味が見えてくる感じが新鮮で、実務翻訳のおもしろさを知った」そう。その感覚が最も強かったメディカルに進路を定め、ベータ応用講座「メディカル」では基礎知識や専門用語、分野特有の訳し方を学んだ。
添削された課題が戻ってくると、赤字を発奮材料にじっくり復習し、次の課題に取り組む。そんなひたむきな勉強が実を結び、マスターコース「メディカル」の選抜試験に合格。さらに翻訳者ネットワーク「アメリア」を介して受けたトライアルも突破して、2017年夏に晴れて翻訳者となった。目下、同コースでベテラン翻訳者の直接指導を受けながら、プロとしての実績をコツコツと積み上げている。 「仕事では調査のために論文を読みますが、1回目のマスターコースで医学論文を翻訳した経験が役立っています。今は治験関連に特化した2回目を受けており、どう訳せば正確でわかりやすく簡潔な訳文になるのかを、先生の丁寧な添削と解説を通して学んでいるところです」
海外で生活してみて、「必要な情報を母語で得られることのありがたみ、安心感を身に染みて感じた」と阪東さん。その切実な思いが、翻訳に真摯に向きあう源泉になっている。 「特にメディカルは健康や命に関わるので、安心して読んでもらえるよう、正確でわかりやすい翻訳を提供できるようになりたいですね。そしてゆくゆくは、メディカル・バイオ関連のマーケティング文書にも挑戦したいと考えています」
『通訳者・翻訳者になる本2019』(イカロス出版発行)より転載
(Text 金田修宏)