長本幸子さん

実務

受講生インタビュー

TOEIC600点台から翻訳者に 翻訳は経験が生かせる仕事です

翻訳に興味を持ったきっかけは、和文タイピストだったときに、翻訳された和文原稿を渡され、自分ならもっと自然な良い日本語が書けると思ったことです。ただ、後になって、その時不自然と思われた表現が業界では一般的な表現だったという可能性があることを知ったので、このきっかけは素人の思い込みだったかもしれません(笑)。
人並み以下だった英語力から勉強を始め、オンサイトでの英文マニュアルのライター職を経た後、和文マニュアルの英訳などの翻訳をするようになりました。その後、日本語教師やマニュアル制作の仕事などに携わっていた時期もありましたが、主な職歴は、オンサイトでの翻訳です。

あるとき、個人的な事情により、在宅でフリーランスとして翻訳ができればと思うようになりました。そこで1社トライアルを受けてみたところ不合格。トライアルに合格できる力を身につけるには翻訳の講座を取るのが早道ではないかと考え、2012年の暮れに通信講座「実務翻訳<ベータ>」を受講し始めました。
「実務翻訳<ベータ>」では、英語の動詞を機能別、状況別に理解し、翻訳する方法を学ぶことができました。さらに、英語特有の表現を自然な日本語に訳すヒントを得ることもできました。また、英訳時に苦慮していた言い回しも、テキストに掲載されている表現を使うことで、こなれた英文が書けるようになりました。このような点から、この講座の即効性を感じました。
「実務翻訳<ベータ>」「ベータ応用講座」のどちらにも言えることですが、それまで触れたことのないジャンルやカテゴリーの課題にも取り組む経験を積んだことで、実際の仕事で経験のないジャンルの仕事をお引き受けしても、「水準を満たしている」と評価してもらえる翻訳が納品できるようになったのだと思います。そのクライアントから次の仕事をいただいているということから、そう考えて良いのではないかと思っています。

また、両講座を通じて、最後の詰めの大切さを学びました。添削課題では、自信満々で出した課題でも修正が入っていることがあり、「添削した先生が間違っているのでは?」と思うこともありましたが(笑)、次第に「良い評価をもらえるためにはどうすればいいのか」という点に腐心するようになりました。「ベータ」の添削課題を提出し、その添削結果を自分自身にフィードバックするというプロセスを繰り返すことで、評価者側の立場で訳文を評価する想像力と訳文作成のうえでの慎重さを身につけることができたと考えています。これはトライアルで採用レベルの評価を得られるようになるために必要な過程だったと思います。
この2講座を修了した後、一度トライアルに落ちた翻訳会社に応募しトライアル受験の結果、採用していただきました。別のジャンルでのトライアルですが、講座で学習したことが採用につながっているかもしれないと思っています。その会社は、現在、主要な取引先の一つになっています。

2014年からフリーランス翻訳者として日英、英日の翻訳をしています。受注する案件はさまざまで、コンシューマー製品/工業製品のマニュアル、設計/市場サポート/生産管理の資料、製品に関するマーケティング資料やWebコンテンツ、業務マニュアル、Eラーニング教材、業務基準書、社内報などです。現在お取引がある会社のほとんどは、翻訳者ネットワーク「アメリア」から応募して登録した会社です。
フリーランスの難しい点は、オンサイトでの仕事に比べ、自分ひとりで解決しなければならない問題が多いことです。オンサイトであれば社内の技術者に質問することができますが、フリーランスだとそうはいきません。参考資料も少なく、どうしてもわからないことは、質問したり申し送りしたりしますが、ひとつの語句やフレーズの意味、それに適した訳語を、気が付いたら1時間ぐらい探しているということも珍しくありません。そこで答えを得たときの充足感は、この仕事のやりがいの一つでもあるのですが、自分は時間配分が苦手だという自覚もあります。
それを克服する工夫として、翻訳にとりかかってからの経過時間と1時間あたりの処理文字数またはワード数を記録するようにしています。これをするようになって、目標への集中力が向上し翻訳のスピードがあがりました。また、自分の翻訳のスピードがわかるので、打診があった際の納期の見積もりの精度も上がりました。去年は納期前に何度か徹夜をしましたが、今年に入って徹夜はほとんどなくなりました。

翻訳は、経験が活かせる仕事です。当時TOEIC600点台だった私がマニュアル英訳の仕事で翻訳者になれたのは、英文マニュアルライティングの経験あったからです。また、ビジネス関連の文書や資料は、社会人としての勤務経験が活かせますので、自分が経験していない業種のものでも割合スムーズに訳せます。
翻訳はやりがいのある仕事です。自分の翻訳で読み手が知識を得て、それによって有形無形の利益を受け取ったり心を動かしたりするのですから。翻訳者である私自身が、毎回仕事で受け取る文書の内容に感心させられているくらいなので、そこは間違いないと思います。

フリーランスとして駆け出しの頃は、土日はもちろん、盆も正月もありません。むしろ、そういった休暇の時期こそ、まとまった量の仕事が新人に回ってきやすい時期だと考えています。私も、もっと翻訳講座を受講して対応可能分野を広げたいと思いますが、今はなかなか時間がとれません。これからフリーランスを目指す方へ。仕事を始める前、勉強できるときに勉強しておいてください。それは、たぶん今です。

長本幸子さんが受講した講座(通信)

初級実務翻訳<ベータ>通常コース実務翻訳に必須の「明快」「正確」「簡潔」な翻訳技法を習得します。

実務翻訳
期間
6カ月
  • 実務翻訳

中級ベータ応用講座「IT・テクニカル」

実務翻訳
期間
3カ月
  • 実務翻訳