映像翻訳について

劇場公開作品やTV放送用作品から、企業のPR映像、美術館や展示会などで流す映像など多岐に渡ります。
TVの多チャンネル化やWebの動画配信サービスの成長などにより需要はますます増え、市場は拡大傾向にあります。

映像翻訳者になるには

映像の日本語版制作会社のトライアルに合格する、師事する講師から下訳を頼まれデビューする、といった方法が一般的。字幕翻訳は字幕制作ソフトを扱えることが条件となる場合がほとんどです。

映像翻訳の仕事の種類

かつては劇場やテレビで公開・放映される洋画の翻訳という限られたイメージがあった映像翻訳の仕事ですが、情報発信の手段が多様化するにつれ、また国内外の企業のグローバル化に伴い、映像翻訳が必要とされる場はどんどん増え続けています。どのような仕事があるのか、例を挙げてみます。

  • 劇場公開映画
  • テレビ(映画、ドラマ、ドキュメンタリー、アニメ、スポーツ中継、ニュース、バラエティ番組など)
  • 映画祭
  • Web(映画、ドラマ、ニュース、企業・商品・観光などのPR映像)
  • 美術館、展示会場など

映像翻訳の手法には「吹替」「字幕」「ボイスオーバー」があり、それぞれ特有の決まりごとがあります。

吹替

外国語の音声の代わりに、声優が演じた日本語のセリフに差し替える手法。観客は映像と音声でストーリーを理解するので、「耳で聞いて分かりやすい言葉」「登場人物の口の動きにあった言葉」で表現することが重要です。また、声優や演出家がアフレコ(音声収録)の際に使用する日本語台本を作成するのも映像翻訳者の仕事です。

字幕

外国語の音声を流したまま、画面上に日本語訳を表示させる手法。観客は映像を見ながら文字を読むため、「パッと見て理解できる言葉」「映像に集中できる言葉」で表現することが重要です。 そのために、セリフ1秒に対して4文字の日本語で表現、一度に表示する字幕は2行まで、というルールが設けられており、限られた文字数の中で作品を伝えられるかどうかが翻訳者の腕の見せ所です。

ボイスオーバー

外国語の音声を小音量で流したまま、日本語の音声を同時に流す手法。ニュースやドキュメンタリーなどのインタビューやナレーション部分で多く用いられます。 解説や独白といった場面が多いため、吹替ほど登場人物の口の動きを意識する必要はなく、また字幕のように限られた文字数で表現する必要もありません。

映像翻訳の仕事の流れ / 報酬

映像翻訳の仕事の流れ

日本語版制作はチームで行う仕事であり、翻訳者はそのメンバーの一人ということになります。ですから映像翻訳者は制作サイドの流れを理解し、仕事を進めることが求められます。

映像翻訳の報酬

映像翻訳の報酬は、ほとんどの場合コンテンツの長さで決まります。報酬の額は媒体や内容によって異なりますが、10分単位または1分単位で計算されることが多く、10分単位の場合は5,000円~25,000円程度です。